情熱中国 団塊Jr.の挑戦~高橋優さん

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祖父の恩師の意志を継いで、中国での農業モデル構築を目指す

中国で日本の稲作を遂行し、新潟コシヒカリの普及に努める高橋さん。日本と変わらない「安心・安全・おいしい米」を提供するため、研究を重ねる高橋さんの挑戦とは――?

初中国は内モンゴル

「私の中国デビューは内モンゴル東部での試験栽培でした」と、当時を振り返る高橋さん。「いいものを作りたいと、昼夜の温度差が大きい内モンゴルを選んだのですが、冷害に遭い初年度は失敗でした」。翌年は南下し、天津へ場所を移す。

高橋さんが、中国で農業を始めたのは、農業学校出身の父親が、中国で土地改良をしている恩師の話を聞ききつけ、中国でのコシヒカリ栽培を買って出たのが始まり。地元新潟で働く父親に代わり、出張ベースで試験栽培の監督員として現場を訪れるようになる。まったく違う畑の業務、初の国外での仕事ではあったが、「周りに農家が多かったし、単純に興味があった」と、新境地への挑戦に躊躇はなかった。

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丹精込めて作られるブランド米「越前米」。日本でDNA鑑定を行い、品質管理を徹底している

名物のソバとの出会い

内モンゴルでの試験栽培は失敗に終わったが、そこで名産品のソバに出会う。興味を持った高橋さんが、新潟の知り合いのソバ職人に見せたところ、なかなかの良品という回答が返ってきた。「ソバを使って商売ができないか」と考えた高橋さんは、市場調査を兼ねて瀋陽や大連などを巡る。その時に初めて上海を訪れた。「農村での不便な生活が続き、心が折れそうになっていた時に、整備された上海を知り、これなら住めると思いました(笑)」。そして、2008年3月に上海に移住し、ソバ専門店を開業した。軌道に乗り、2店目を開店するも、人に任せるようになった頃から売上が落ち、3年半で店を閉めることに。「農業のために来ていたから、店はすぐ辞められましたね」と、決断は早かった。

農業モデル構築を目指す

浙江省湖州市に70㌶の土地を借り、ブランド米「越前米」の生産・販売を始めて今年で3年目を迎える。同地での米作りは軌道に乗り、今年から福島のミルキークイーンの栽培も開始。年末には市場に並ぶ予定だ。

そんな中、高橋さんの心の中でずっと引っかかっているのは、「三農問題」(=農村、農業、農民の問題)。中国の農村では、機械化が進んでいるものの、衛生管理やメンテナンスができておらず、過疎化も進む。これに対し、「栽培地にモデルケースを立ち上げ、付加価値を付けて販売する日本の農業を提示していくことで、問題改善の道筋を付けたい」と語る高橋さん。中国の生産者と消費者、双方が幸せになる道を探り、さらなる研鑽を積むのだった。

 

~上海ジャピオン2013年7月12日号

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