古き良き、家族団らんの風景

上海のお母さんと新年を祝う、昔懐かしの餃子大会


 中国、特に東北地方の春節の風物詩として欠かせないのが、餃子作り。
けれども食と娯楽の多様化によって、最近では家族の団らんから餃子作りが消えつつある。
 しかし、その春節も迫った1月10日(水)、浦東にある文化教室「育暢語言文化中心」では「餃子大会」が開催された。

会話の弾むテーブル

 「餃子は包むほど上達しますからね!」ニラのいい香りが広がるホールに、先生の声が響く。
 この餃子大会は、新年会と生徒の交流会を兼ねて企画されたものだ。集まったのは、日頃からこの文化教室に通う生徒約25人。そのほとんどは日本人主婦だ。
 「両面一緒にひだを寄せるのが日本と違うし、皮も厚め。閉じるときも水をつけずにギュッと押さえるんです」。参加者のひとりは、日本の餃子との違いをこう話す。だが、料理に慣れた手は巧みに動く。和気あいあいと会話が弾む中、テーブルの上はあっという間に餃子の山となった。
生徒とはいえ、本業は主婦の皆さん。山に盛られた餡と皮が、見る間に形のいい餃子に姿を変えていく。

ジューシーでモチッ

 教えるのは料理の指導暦15年の胡先生。料理の腕はもちろん、面倒見もいいので、生徒にとっては〝上海のお母さん〟だ。常設の料理教室にも通う生徒の小林さんは、「ジューシーでモチッとした先生の餃子は、本当に美味しい。家族にも好評です」と笑う。
 会話が盛り上がる中、テーブルにはフワーッと湯気が上がる餃子が運ばれてきた。熱々のまま頬ばると、参加する皆の顔からは、自然と笑みがこぼれる。
 作って楽しい、食べて美味しい餃子。家庭から団らんが失われつつある今だからこそ、見直したい古き良き文化だ。

「語学の授業は少人数なので、このようなイベントで生徒の交流を図りたい」と育暢代表の朱さん。

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育暢語言文化中心は1回130元の料理教室あり
問い合わせは5839―8139

~上海ジャピオン1月26日発行号より

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