老師のイントロ読書~67冊目「家」

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大理学院本科を卒業し、雲南師範大学大学院を修了。中国語初・中級の精読、会話を担当。1人ひとりができるようになるまで、丁寧に指導する。

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老師のオススメ!

この本は、動乱の時代を生きた小説家・巴金が、実際に体験したことや目にしたことを基に書いた小説よ。そのせいか、淡々と綴られているにも関わらず、読む人の胸に深く響いてくるわ。

物語は四川省のとある名家に生まれた覚慧、覚民、覚新という3人兄弟の恋を中心に展開していくの。彼らの育ってきた〝家〟は一見すると教養も高く、万事順調に見える大家族よ。

だけど、実際にはガチガチの封建主義に縛られ、恋も学業も自由にはできず、兄弟はその中でもがき苦しむの。

新旧思想が入り乱れる、当時の様子を知るのに最適な作品ね。

あらすじ

舞台は20世紀前半の四川省。そこには〝高〟という姓の、封建社会の影響が色濃く残る名家がありました。年長者の言うことが絶対であり、家主の命令1つで下男下女が物のように扱われてしまいます。

高家には、自由や平等といった新思想に傾倒する3人兄弟がいました。優秀だが気弱な性格で、長子であるがゆえに家を継ぐ運命を背負う覚新、やさしく謙虚な覚民、気が強く〝人道主義者〟を自認する覚慧。

タイプの異なる3人は、自由、平等、そして恋のため、大家族のしがらみから逃れようと奮闘しますが…。

社会に新たな思想が芽生える中、旧来の社会に立ち向かう青年たちの物語です。

 

~上海ジャピオン2015’年3月6日号

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