絵本がずらり、子ども図書館

〝キラキラした表情〟への3500冊の贈り物


『ぐるんぱのようちえん』『しょうぼうじどうしゃじぷた』『ぼくは王さま』……世代を超えて愛される絵本や児童書を、ボランティア運営の会員制図書館「上海虹文庫」が、上海の子ども達に貸し出している。
 同図書館が9月26日(火)に開いた五味太郎作品展を訪れ、発足のいきさつを聞いた。

寄贈を求めて日本へ
「全く無からのスタートでした」と、設立時からのスタッフ・坂口さんは話す。きっかけは、上海でも日本の絵本が読める環境を作ろうという代表・江田さん夫妻の呼びかけだった。
 2003年1月、集めた日本人の署名を持って、江田さんは日本へ渡る。出版社や絵本作家に本の寄贈を依頼するためだ。手探りだったが、同年の秋には約500冊が集まり、絵本の貸し出しが無事スタートする。場所は個人宅の一室を借りた。
 「何より嬉しいのは、図書館に来る子ども達のキラキラした表情」と副代表の日置さん。そんなボランティアスタッフと会費によって、運営は支えられている。場所は、校長の厚意により、進学塾「上海アカデミー」に移転。絵本作家・西内ミナミさんや和歌山静子さんら多方面からの支援もあり、蔵書は3500冊に増えた。

↑この日展示された本のほとんどは、出版社の絵本館と、五味さん本人からの寄贈によるもの。

上海初の五味太郎展
この日、机には約200冊もの五味太郎さんの絵本が並んだ。懐かしさを覚えるのか、子どもだけでなく、絵本に読みふける大人の姿も少なくない。
 「五味さんの寄贈書は、アトリエから直接頂いて来たんです」そう微笑む北澤さんは、ことしから加わったスタッフだ。絵本に魅せられた大人達も、自然と集まるのだろう。

→当日行われた、絵本の読み聞かせの様子。こうした試みを、中国の子どもへも広げつつあると言う。

「上海虹文庫」は、毎週火・土、本の貸出やおはなし会を行っている。会員とボランティアは随時募集中。
問い合わせは136‐8182‐4158(活動時間中のみ)。

詳細はこちらのホームページから

~上海ジャピオン10月13日発行号より

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