「音」で語りかける子ども教室

技術より心や人の輪を育むのが日本式


 ピアノ、CD音楽、絵本、そして先生の声が、子ども達の耳と目をひき付ける。日本の教育番組のようなこの風景、静安寺と浦東の「ヤマハ音楽教室」で見ることができる。
 10月19日(木)、二歳児向けの「赤りんごコース」の初日を訪ね、先生の話を聞いた。

日本と同じ環境を
 「日本と同じ環境で音楽に触れられるようにしたくて」教室の日本人窓口・寺田浩太郎さんはそう話す。同教室の上海オープンは昨年10月。世界40数カ国で展開するヤマハ音楽教室の大半は現地言語で教えるが、上海ではぜひ日本語クラスも開きたいと苦心し、ついに実現した。教材や授業内容も日本と全く同じだ。 「中国で印象的だったのは、演奏技術にこだわる中国の親御さん。心や音楽を楽しむ感性を育てる理念を改めて大切に思いました」と寺田さん。
 技術より、とにかく耳を使って音を楽しむことを覚えて欲しいと言うのは、ことし5月に日本から上海教室に赴任した沢本雪絵先生。海外で音楽を教えることが好きで、以前に青年海外協力隊に参加し、パラグアイで日本の音楽を教えていたこともあるそうだ。
 「子どもに対しては、聞かせる音ひとつ、話す言葉ひとつにまで気にかけています」
 沢本先生は笑顔で話す。「聴いてないようで、子供たちは聞いてるんですよね」

「眠かったり、機嫌が悪かったりする子どもを、いかに集中させるかが大事」と沢本先生。

親子で音に合わせて
「ピアノが止まったら止まってねー」当日の教室では、そんな沢本先生の声とピアノに合わせ、子ども達が全身でリズムを感じ表現する。お母さんと一緒に手足を動かしながら、技術より大切な〝楽しさ〟を覚えているようだった。

音楽を好きになってもらうのが2歳児コース。教室は、親子の触れ合いの場でもある。

ヤマハ音楽教室は、久光センターと浦東センターで秋クラスの入会を受付中。年齢ごとのコースあり。
問い合わせは138‐1766‐4584。


~上海ジャピオン10月27日発行号より

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