光のパッチワークを作る教室

ガラスが生み出す光の表情をを楽しむ


 陽の光や照明の光。
見えているようで見えていないこれら日常の中の光が、一枚のステンドグラスを通すと神秘的な存在感を描き出す。
 文化教室「馨スタイリッシュ」のステンドグラス教室で、その神秘の光が生み出されていく現場に立ち会った。

ガラスとの二人三脚

 「私はいつもガラスに助けられているんですよ」。そう話すのは講師の今野満利子さん。たとえば、「着せガラス」という色ガラスに薬品で濃淡を出す技法。これで描いた天使の衣は想像以上に柔らかい風合いに仕上がった。ガラスが単なる材料という枠を超え、作品の協力者となる瞬間だ。
 今野さんがステンドグラスと出会ったのは今から34年前。図工の教師として生徒たちと作った色セロファンのステンドグラスに魅了され、いつしか本物を作りたいと思うようになった。その後教師を辞め渡仏、本場の技術を習得した。
 03年に知人を訪ねてやってきた上海でステンドグラスの潜在的需要を肌で感じた今野さんは、今年の4月に念願の教室をスタートさせた。「今後は、地元の工房と共にステンドグラスの美しさを広めていきたい」。そう夢を語る。

「実はちっとも難しくないんですよ」と今野さん。
体験講座は2時間半で作品が仕上がる。

光と遊ぶ楽しさ

 大きな作業台の上に置かれた色とりどりのガラス。このガラスを切って、鉛でつなぐ。
 生徒の一人吉田さんは、現在4つ目の作品を制作中。「配置は同じでもガラスの色と質感を少し変えただけで全く違う表情になる。光と遊んでいる感覚がとても楽しい」と魅力を語る。ここでステンドグラスに魅了された生徒の中には、すでにプロを目指す人も。
 小さな教室からは今後も鮮やかな光が生み出されていく。

                             窓際に置かれたステンドグラスの数々。
                                 部屋に差し込む光は作品を通して虹色に輝く。

                           ◆ ◆ ◆

 馨スタイリッシュ・ステンドグラス教室は、300元で体験講座を受けられる。
問い合わせは6275‐2093。

~上海ジャピオン12月29日発行号より

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