考える男マートンと哲学の小部屋(トイレ)~café sambal

失恋へのアドバイス
私は考える男マートン。
今日は、大失恋をした友人を励ますため、
陝西南路にあるマレーシア料理店へやって来た。
家具の配置やデザインなど、
モダンでスタイリッシュな内装である。
カクテルの種類も豊富なので、
いい慰めになるだろう、
と思ったのだが…なかなか浮上してこんな。
どうも、
別れ際に相手からボロクソに言われたらしく、
自己嫌悪でへこんでいるようだ。
何かいいアドバイスはないだろうか…
小部屋(トイレ)で少し考えよう。

ロックの〝白い紙〟
静謐な空間だ。
壁や手洗い台などはグレイで統一され、
絶妙なライティングが硬い質感を強調する。
紙類はリサイクル品を使用し、
環境への関心も高いと見える。
便座に座ると、まるで大自然の中、
岩石の上で瞑想しているかのように落ち着くな…
ん? 岩?
つまりロック…
哲学者ジョン・ロックのことか!?
彼は英国「経験論」を確立し、
人は出生時、白い紙のように何も知らず、
経験により知識を得ていくと哲学した人物だが…
なるほど、この〝白い紙〟とは、
トイレットペーパーのことか。
となると、このリサイクル紙は、
人は生まれ変われるのだという主張なのだな。
早速友人に伝よう。
ありがとう、いい小部屋(トイレ)であった。

~上海ジャピオン2012年7月13日号

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