自慢のお隣さん 第123ノック 安永さん宅

もっと速く走りたい!

藤原さんの紹介で伺ったのは、2輪レースに熱中する安永千恵さん。レースで走る魅力について語る

最初のレースで失敗
それが熱中する契機に


 全開加速から一気にフルブレーキ。そして、バイクごと身体を傾け、他のライダーと肩がふれそうな距離感でコーナーを抜けると、轟音を響かせて加速し、疾走する――。
 「タイムを更新すると本当にうれしい。日常生活のなかにはない、究極の緊張感とスピード感を味わえることがレースの醍醐味かな」と目を輝かせて語る安永千恵さん。女性2輪レーサーとして、週末、天馬山サーキットに通っている。
 レトロな色合いのスーパーカブに憧れ、16歳でバイクに乗り始めた千恵さん。18歳で中型、22歳で大型免許を取得し、大学卒業後に来た上海でも免許を取ったが、上海の交通事情では、純粋にバイクを楽しむことは難しかった。
 そこで、千恵さんが試みたのが天馬山サーキットでの体験レース。ところがなんと、その初めてのレース中に熱射病で転倒してしまった。
「完全に体力、知識不足。そのとき日本人の先輩レーサーと知りあって、いろいろと教えてもらうようになったんです」

(右写真)ゼッケン20が千恵さん

恐怖感を乗り越え
レースに挑戦し続ける


 それから、千恵さんの2輪レースへの熱中度は一挙に高まることに。先輩レーサーから走り方はもちろん、メンテナンスの方法、サーキットでのマナーなどを教わり、今では「仕事以外での生活の中心はレース」と言い切るほどになった。
 中国では、レース人口、女性ライダーともにまだ少なく、レースのレベルも日本と比べると物足らないと言う。しかし、「怖さはある。でも、もっと速く走りたい」と話す千恵さん。彼女の2輪レースへの挑戦は、これからも続いていきそうだ。

日本人女性レーサーとして、地元のテレビに出演したことも

安永千恵さん

⇒NEXT WEEK
屋根裏部屋のある
昔ながらの長屋での
暮らしを楽しむ荒木さん

~上海ジャピオン7月18日発行号より

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