考える男マートンと哲学の小部屋(トイレ)~喜空(Csky)

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目玉おやじの哲学
私は考える男マートン。
今日は、最近子どもが生まれた友人へ
贈り物をしようと、田子坊まで買い物に来ている。
定番のベビー用品か無難なお茶か、
などと迷い過ぎて、わからなくなってきた。
それに寒さで催してきた…少し落ち着かねば。
ふむ、向こうに見える喫茶店、めでたい名前だな。
ここに決めた。
さっと注文して…小部屋(トイレ)へ行くぞ!

出産祝いに贈る物
ほぉ、この店の小部屋(トイレ)は、屋上にあるのか。
そして便座上の絵はまるで…
漫画『ゲゲゲの鬼太郎』の主人公・鬼太郎の父親、
目玉おやじ!?
彼は幽霊族という種族だったが、
不治の「溶ける病」で死んでいる。
しかし、息子を心配するあまり目玉に
魂を移して復活し、常に傍で見守る存在となったのだ。
…なるほど。
近年父権の失墜が叫ばれて久しいが、
おやじ=父権と考えると、目玉おやじとは、
1度溶けて消えた〝父権の復活〟を意味する。
この絵を屋上に飾るのは、復活後の父権は至高の力を有する、
と主張しているのだな。
ただしそれには、目玉おやじのように愛情をもって、
子を見守る必要がありそうだ。
よし、友人には天井に飾れるような、
目玉おやじの絵を贈ろう。
ありがとう、いい小部屋(トイレ)であった。

~上海ジャピオン2013年2月22日号

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