考える男マートンと哲学の小部屋(トイレ)~KANES

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手軽に真理を得たい
私は考える男マートン。最近、日々の哲学に疲れた。
何か手軽に真理を得る方法はないものか。
そんなことを考えていたら、疲れが増してきた。
コーヒーブレイクしよう。
う~ん。
一杯飲んだら、少し頭が冴えてきた気がする。
おかわりして、一気に真理にたどり着こう!
…さすがに、10杯は飲み過ぎた。
小部屋(トイレ)へ行くか。

ポプリ&カフェ哲学
個室内には、カフェを描いた絵が飾られ、
その下に、かわいらしいポプリが置いてある。
ポプリの語源は、仏語で「腐った鍋」という名の、
多種多様な食材を一度に煮込む、鍋料理からきている。
…なるほど。
これは、多種多様な食材、つまり経験を積めば、
芳しいポプリのような、調和を生み出す存在になれるという意味か。
それに、1段上に置かれた絵には、
苦みや酸味、甘味のバランスが味の決め手となる、
コーヒーを提供するカフェが描かれている。
酸いも甘いも嚙み分ける、経験豊富な人間こそが
高みに登れるのだと暗示しているわけだ。
英哲学者のフランシス・ベーコンも
「高みに登る人は、皆らせん階段を使う」と言っているな。
真理を得るには、地道に、様々な経験を積むしかないのだな。
私も頑張るか。
ありがとう、いい小部屋(トイレ)であった。

~上海ジャピオン2013年5月24日号

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