考える男マートンと哲学の小部屋(トイレ)~PATACHON

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仏カフェで哲学

私は考える男マートン。昨晩は仏哲学者・サルトルの著作を読みふけってしまった。なので今日は、〝フレンチ〟カフェにて、眠気覚ましのコーヒーを飲んでいる。

しかし、サルトルの説いた実存主義は、前向きだな。彼は、人間とはすでに決まった本質を持つ存在ではなく、自ら道を切り開く、実存的存在だ、という思想を持っていた。私も見習わねばな。となれば早速、小部屋(トイレ)で哲学するぞ!

哲学主張でうつ対策

白黒のタイルに四角い手洗いボール。いかにもフレンチな、シンプルでシャレた内装だ。ん? 四角にフランス? 四角張った、堅苦しい日本人が発症しやすいという、適応障害「パリ症候群」か?

パリ症候群とは、花の都パリに大きな憧れを抱いて渡仏した結果、理想と現実のギャップに落胆し、抑うつ状態に陥るカルチャーショックのことだ。気配りの文化を持つ日本人にとって、積極的な発言を求められるフランス文化下での生活は、大きなストレスになるという。…私も小部屋(トイレ)で思索にふけるばかりでは、病気になるかもしれんな。今後はもっと、自らの哲学を主張していこう。ありがとう、いい小部屋(トイレ)であった。

~上海ジャピオン2013年6月21日号

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