チャイナ地理塾:山東省

1.太古の恐竜基地

 遠い遠い昔の名残が、山東省諸城市一帯で1964年に発見された。その名残とは、約8千万年前につけられた大きな足跡。この足跡の持ち主は、シャントンゴサウルスと呼ばれる草食恐竜なんだ。ここで生活を営んでいた彼らは、化石となってこの地に眠っていたんだよ。
 大きいもので高さ8メートル、体長15メートル。カモノハシのような口と長い尾を持つ彼らは4本足で歩き回り、ごはんのときは高いところにある植物をむしゃむしゃと食べていたそうだ。発掘されたシャントンゴサウルスの化石は、山東省諸城市と北京の博物館に展示されているよ。

2.開発者はどいつ
 ハルピンビールを持ち込んだのはロシア人、じゃあみんなにおなじみの青島ビールを持ち込んだのはどこの人か分かるかな?
それは19世紀末に遠路はるばる渡ってきたドイツ人なんだ。おいしいビールを造るには美味しい水が必要なんだけど、青島にはミネラル豊富な労山の水が涌いていた。そこに、当時最先端の技術をもったドイツ人が来て、みんなが大好きな青島ビールの基礎を作ったんだ。
2003年には青島ビール生誕100年を記念して青島ビール博物館が建設された。ここでは当時のままの工場を見学することもできるよ。それに作りたての無ろ過ビールを味わうこともできるんだ。

3.ギネス記録の家系図
 みんなの家には家系図ってあるかな? 中国には、なんと約2500年前の紀元前6世紀頃から続いている家系図があるんだ。誰から始まっているかというと、儒学でおなじみの孔子なんだよ。
 2005年時点で、82代という孔子一族。現在確認されている総数はなんと、全世界に約300万人。そのうち海外在住者は50万人、つまり、6人に1人は海外というグローバル一族なんだ。
 また曲阜には、孔子に関する世界一がもうひとつある。それは、お墓の広さ。世界遺産ともなっている「曲阜三孔」、孔府、孔林、孔廟のうち、孔子一族が眠る墓所・孔林は、なんと東京ドーム43個分(200ヘクタール)の広さを持っているんだよ。
 孔子一族のお墓参りは、一日じゃとても終われなさそうだね。

山東省ってどんなとこ?

自然資源が豊富で、農業が盛んなため「野菜かご」と呼ばれる。北には渤海、東には黄海を望み、省の西部を黄河が貫く。気候は穏やかで、夏は蒸し暑く、冬は乾燥して寒い。

【人口】9,309万人
【面積】約15万km2
【省都】済南市
【民族の割合】漢族99.7% その他民族0.3%
【平均寿命】73.92歳
【都市部平均年収】12,192元,(約182,880円)
【農村部平均年収】4,368元(約65,520円)

■次回予告■江西省

①江西省が邪気払いのために作ったのは?
②中国の代名詞になった江西省の特産品は?
③世界遺産・ろ山の五老峰は何に見える?

~上海ジャピオン6月1日発行号より

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