水滸巡礼~108の足跡~宋江

108星を束ねる梁山泊の長
宋江(そうこう)

ゆかりの地 山東省荷沢市 鄆城県
あだ名 及時雨
職業 官吏
宿星 天魁星

山東省荷沢市鄆城県出身。
殺人罪で政府に追われ、
逃亡中に出会った仲間を連れ、
梁山泊に入山。
その後、頭領として世直しを図る。
実在した人物でもあり、
歴史書『宋史』によれば、
宋江が36人を率いて反乱を起こした、
との記録がある。

仁徳で人を集めた頭領
水滸伝はここから始まる
宋江は、
聡明さと慈悲さを兼ね備えた
天魁星の生まれ変わりとされる。
特に武芸に秀でている訳でなく、
突出した能力もないが、
義に厚く、困った人には手を差し伸べる。
そのため、人々から
「及時雨(恵みの雨)」と呼ばれ、
人格者の頭領として、豪傑たちに慕われた。
宋江は山東省鄆城県の下級官吏。
ある日、皇帝へ贈る賄賂を強奪して、
政府に追われていた晁蓋(ちょうがい)
という人物を助ける。
晁蓋はその礼として、
手下に手紙と金を届けさせた。
しかし、彼はこの手紙を妾に読まれ、
最後には脅迫されてしまう。
彼は実際、金を受け取っていなかったのだが、
妾は信じず、
「金を払わないなら役所に手紙を持っていく」
と言った。
怒った宋江は彼女を殺してお尋ね者となり、
長い逃亡生活が始まる。

鄆城県を代表する建築物、唐塔。
観音寺塔とも呼ばれ、
五胡十六国時代(304~439年)に建立された

追っ手から逃げるため、
宋江は各地を転々とするが、
どこにも安住の地はない。
居酒屋で痺れ薬を飲まされ
人肉マントウにされかけたり、
山賊に生き胆を吸い物にされそうになったりと、
様々な騒動に巻き込まれる。
しかし、この放浪で多くの仲間を得た宋江は、
ついに梁山泊にたどり着く。
そして、この地を舞台に、
豪傑たちと共に、
打倒宋王朝の物語を繰り広げてゆくのだった。

水滸文化城は、朱貴酒店や忠義祠など、
物語に登場する場所が、
忠実に再現されたテーマパーク。

宋江の故郷、
鄆城県は山東省南西部に位置し、
「梁山108将、78人が鄆城に」と言われるほど、
『水滸伝』と関わりが深い場所。
黄泥崗遺跡や唐塔など、
物語に登場する場所の旧跡が点在する。
実在した人物でもある宋江。
梁山泊第1の星が生まれたこの地を訪れ、
ここから『水滸伝』の世界を覗いてみよう。

アクセス
①上海浦東/虹橋空港から空路にて
済南遥墻空港まで約2時間
②上海駅から合肥駅まで、
高速列車で約6時間。
合肥駅から鄆城駅まで、
空調普通快速列車で約7時間、
2等席65元~

~上海ジャピオン2012年8月31日号

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