週末私はココ行きたい!上海筆墨博物館




サイン上手は書道から
高級筆の放つ気品は圧倒的


男「最近、一心不乱に自分の名前書いてるけど、どうしたの? 何かのおまじない?」
女「違うわよ。サインの練習よ」
男「何で今頃?」
女「この前画廊のオープニングパーティーで、サイン帳見たんだけど、みんな独特のサインで、その上達筆なのよ。
私、字を披露するのが恥ずかしかったわ」
男「君の字ってミミズが這ったような感じだもんな」
女「フン。あなたは顔に似合わず綺麗な字でいいわね」
男「顔に似合わずは余計だろ。
じゃあ、今度サインデザイナーに頼みに行こうか」
女「そんな知り合いいるの!?」
男「いや、路上にいるだろ。1デザイン1元とか言ってさ」
女「もう! 期待して損した。
いいわ、私は字の根本から変えて、サイン上手になるわ」
男「どうやって?」
女「習字よ習字。中国は書道の本場じゃない。
だから、今度のお休み、福州路に書道道具一式買いに行きましょう!」

男「福州路かあ。あそこの本屋は行きたいけど、書道はねえ」
女「その本屋の近くにあなたの好きそうなとこあるんだけど」
男「どこどこ?」
女「外文書店向いの筆墨博物館よ。何と入場料は無料なの」
男「筆墨? 結局、書道かよ」
女「まあ、そう言わずに」
男「ちなみにそこって、展示品はやっぱ筆と墨だらけなの?」
女「正解! 行って来た友達の話だと、筆や墨の展示や各時代の墨の特徴とか説明されてるって。
墨も物によってはビャクダンや真珠を使うらしいわよ」
男「へえ、墨も高級品だな」
女「使うのがもったいないわよね。
中国的な柄の墨や面白い形の墨も展示されてるみたい」
男「おっ、三国志の関羽とか描かれたのとかあるのかな」
女「関羽かどうか知らないけど、仙人をかたどった墨はあるみたい。
顔に金箔が貼られていてピカピカだって言ってた」
男「中国っぽいな、それ」
女「あと、あなたが絶対に興味持つものがあるのよ」
男「何だろ。朱色の墨を、機動戦士ガンダムの〝シャア専用〟墨とか言うなよ」
女「何がシャアよ。私が言いたいのは魯迅が愛用してた筆よ」
男「お~すげ~。確か魯迅って原稿全部筆書きだったよな。
その筆が見られるのかあ」
女「ポイント高いでしょ。
他にも猫とか馬の筆が展示されてるって。中でも狼の尻尾の毛の筆は気品抜群だそうよ」
男「値段も抜群に高そうだな」
女「いくら位するのかしらねえ。
そんな高級筆で書いたら、私の字も立派に見えるかしら」
男「〝弘法筆を選ばず〟だよ」
女「はいはい。安いものから使うわよ。
入場料払ったつもりで道具一式買って頂戴」
男「まあ安いのならいっか。でも三日坊主はやめろよ」

【information】
住所: 福州路429号(×福建中路)
電話: 6328-1558
時間: 9時~17時(16時45分入館停止)
料金: 無料
休館日: なし
アクセス: 地下鉄2号線「南京東路駅」1番出口より山西南路を南へ徒歩4分、福州中路を西に曲がり更に徒歩2分。

~上海ジャピオン2月27日発行号より

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