食道をゆく 第19回 狗不理包子

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ゴウブリーバオズ
狗不理包子
~天津市~

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西太后も絶賛した狗不理包子。アツアツのうちに頂こう

狗(いぬ)も構わない? 
気になる名称の由来とは

 少し小ぶりな肉まん「狗不理包子」。
中国北方に位置する天津市の名物として、中国全土でも知られている。
〝狗(いぬ)〟という漢字が入っている印象的な名称だが、
もちろん犬肉が使用されているわけではなく、「犬も食わない」というわけでもない。
今回は、気になるその由来を探ってみた。
 時は清朝末期、今の天津市に高貴友という名前の男がいた。
男は幼名を「狗子」といい、1845年、彼が14歳のときに包子(肉まん)屋で働くことになった。
幼い頃から一度熱中すると他が見えなくなる性質の高貴友は、
瞬く間に包子作りの技術を習得し、ついには自分の店を出すことになったのだ。
 高貴友は包子作りの技術だけでなく、材料も入念に吟味し、非常に品質の高い包子を提供していた。
その美味しさが評判を呼んで店は大いに繁盛した。

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清代の建築を模した古文化街では、骨董品や民芸品が売られている

 あまりの忙しさに客とも一切会話をせず、一心不乱に包子を作っては無言で客に差し出す高貴友。
その姿を見た人々は、
「狗子は包子を売る時は〝不理〟だ(誰も相手にしない、他のことは一切構わない)」
と笑いながら話し、彼が作った包子と店は「狗不理包子」と呼ばれるようになったのだ。
 またある時、天津に駐在していた将軍・袁世凱が、北京に狗不理包子を持ち帰り、
当時の権力者・西太后に贈ったところ、それを食べた西太后が絶賛。
そのため、さらに名声は全国へ広まることとなったのだった。
 今や天津に来たら狗不理包子を食べないと、来たことにはならないと言われるほど。
1籠30~40元程度で頬張りつつ、運河沿いの街をそぞろ歩こう。

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【アクセス】
①上海虹橋空港から天津濱海空港まで飛行機で約2時間
②上海駅または上海南駅から新幹線(動車組)に乗り、天津駅まで約9時間、2等301元~

~上海ジャピオン12月25日/1月1日号より

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