食道をゆく 第31回 酸辣湯

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スワンラータン
酸辣湯
~山東省陽谷県~

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酸っぱ辛い味ととろみで食欲増進。レストランで20元程度

一口飲めば、頭スッキリ
全滅の危機を救った救世主

 酸っぱくて辛くて栄養たっぷり。
その味にヤミツキになる人も多いこのスープが、酸辣湯(サンラータン)だ。
具材には、一般的に鶏肉や豆腐、しいたけ、木耳、筍、長ネギ、トマトなどが使用されている。
 とろみがついていて、食欲がない時にでもさっぱりと飲めるこのスープ。
人々を虜にする味の通り、その由来には、不思議な伝説が隠されていた。

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水滸伝の舞台でもある陽谷県では、2003年に獅子楼テーマパークがオープンした

 時は紀元前4世紀頃、斉の軍人・思想家である孫?(そんぴん)は、
ライバル・?涓(ほうけん)と、今の山東省陽谷県で戦いを繰り広げていた。
 当時、軍事政略に長けていた孫?は、
ある場所で方角を分からなくさせる〝迷魂陣〟という陣を敷き、?涓軍を撹乱させる作戦をとった。
そこへ攻めてきた?涓軍は、たちまち目が回り、頭がくらくらして方角を見失ってしまった。
 そのまま3日3晩その場所でさまよっていた?涓軍は、ある老人と遭遇する。
?涓たちから事情を聞いたその老人はスープ状の薬を煮込み、?涓たちに飲み与えた。
すると、そのスープを飲んだ?涓たちは、たちまち頭がスッキリとし、
方角がはっきり分かるようになり、陣を抜け出ることができたのだ。
 その後、このスープには頭をスッキリさせ、食欲を増進させる効果があるとして重宝され、
〝迷魂湯〟という名で民間の間で広まっていった。
さらに長年の改良を加えられ、名前もその酸っぱ辛い味から、今の酸辣湯となったのだ。
 暑い夏を前に、食欲も落ちてきがちなこの季節。
本場の酸辣湯を飲んで、?涓軍のように頭をスッキリさせよう。

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【アクセス】
①上海浦東空港から空路にて南京禄口空港まで、約40分。1日1便。
列車に乗り換えて南京から陽谷まで快速列車で約9時間、硬座99元~
②上海駅から南京駅まで、新幹線(動車組)で約2時間半、硬座93元~、
南京から陽谷まで快速列車で約9時間、硬座99元~

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~上海ジャピオン5月28日号より

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