体感!! エクストリームスポーツ

スケートボードやBMX、インラインスケートなどで、
颯爽と街中を駆け抜ける人を見かけることも多い上海。
カッコイイなと思いつつも、
自分はちょっと…と尻込みしている、
そんなあなたに代わり、
ジャピオンスタッフがエクストリームスポーツを体験して来ました。
今回のレポートを読んで、
エクストリームスポーツの面白さを体感しよう!

中国語では「極限運動」

?では、エクストリームを体験する様子を見てみよう!
と言いたいところだが、
まずは、エクストリームとは何かを知っておいて損はない。
エクストリームスポーツとは、
速さや高さ、危険さ、華麗さなどの
「過激な(エクストリーム)」要素を持った、
危険度や技術を競うスポーツの総称で、
中国語では「極限運動」という。
BMXやスケートボード、スノーボード、
スカイダイビング、ロッククライミングなど、
歴史の浅いものから、
古くから愛されているものまで様々で、
その一部は五輪で採用されている。
今回は、体験レポートで紹介する
BMXとスケートボードを重点的に紹介する。

五輪で採用された種目も

BMXは20インチ径ホイールを持った競技用自転車で、
競技に関係ない変速器や泥よけ、ライト、スタンドはモチロン、
ブレーキも装備しないことが多い。
競技は「レース」と「フリースタイル」に分けられ、
ジャンプ台やコーナーのある
ダートコースを走り速さを競う「レース」は、
2008年の北京五輪から正式種目として採用された。
一方、様々な技を競う「フリースタイル」は、
エクストリームスポーツの祭典「X―Games」の
人気競技の1つとして支持されている。
構造物を利用してエア(空中技)を繰り出す
「パーク(専用施設利用)」や「ヴァート(ハーフパイプ利用)」、
「ストリート(街中)」のほか、
平らな地面で一輪の体勢でバランスを取り、
色々な角度で回転やスカッフ(タイヤを靴底でこする)をして、
身体と自転車が一体となりトリック(技)を披露する
「フラットランド」などが「フリースタイル」に当たる。
スケートボードは、
1枚の板の下に車輪がつく簡単な構造の乗り物で、
上海では1000人ほどの愛好者がいるとされる。
BMXと同じく、
速さを競うものと様々な技を競うものがあるが、
中国では、前述の「パーク」や「ヴァート」、
「ストリート」といった、技を競うものが人気だ。

メーカーは中国で投資

では、日本と中国のエクストリームスポーツシーンには
違いはあるのだろうか? 
上海の日本人ローカルスケートボーダーのヤッキンさんは、
「エクストリームスポーツ関連メーカーの
お金のかけ方が違いますね。
中国では、メーカーがお金をどんどん出して大会を開きますし、
賞金も日本より断然高いです」と、
企業側の戦略の違いを指摘する。
またBMXに関しては、
上海での競技人口は500人程とされるが、
日本で人気の「フラットランド」を楽しむ人は
そこまで多くないという。
中国で著名なBMXチーム「The Future BMX」の
マネジャーのかすみさんは、
「日本人は細かいことをして楽しむのが好きですが、
中国人はスカっとした刺激を求めるのでは」
と嗜好の違いを解説してくれた。
では、基礎知識を頭に入れたところで、
取材班による実際の体験の様子を見ていこう!

?

大技に羨望の眼差し

今回お邪魔したのは、
軌道交通6号線の駅名にもなっている、
浦東新区の「源深体育中心」にある
「上海TOP TOYSスケートパーク(滑板公園)」。
舗装された地面にジャンプ台や手すりなど、
スケボーやフリースタイルBMXに欠かせない
様々なセクション(構造物)が整っている。
ジャンプ台で大技を繰り出す人たちを、
羨望の眼差しで眺めていると、
本日の先生役である、
1人のプレーヤーが取材班の前に颯爽と登場(写真①右)。

BMXのプロ選手

BMX体験でお世話になる、
前述の中国で著名なBMXチーム
「The Future BMX」の李浩然さんだ。
エクストリームスポーツの祭典
「2010年X―Games Asia」に
中国チームの一員として参加し、
NIKEのエクストリームスポーツブランド
「NIKE6・0」がスポンサーとなり
プロ選手として活躍している。
一方、取材班を代表して体験をするのは、
若さ溢れる営業部のユカちゃん(写真①左)。
エクストリームスポーツは未経験であるものの、
バスケや野球、ハンドボールなど、
あらゆる球技に精通した、
ジャピオン随一のスポーツ万能少女(?)だ!

感覚は一輪車?

BMXは自転車には違いないので、
まずは乗ってみようと、
李さんの1万元以上するという
BMXの低いサドルに跨り出発。
立ち漕ぎを始めてすぐに怪訝な表情を浮かべるユカちゃん。
車体やハンドルがぐらつくような感覚があるらしく、
「一輪車みたい」と叫ぶのだった。
BMXの独特の感覚に慣れた頃、
前輪を浮かせる「フロントアップ」に挑戦することになった(写真②)。
後ろにひっくり返りそうという怖さから、
へっぴり腰になり、
腕の力だけで前輪を持ち上げようと何度も挑戦するも、
前輪はほとんど上がらない(写真③)。
「足と腰を伸ばして、
サドルに座る勢いで一気に重心を後ろに移すんだよ」
という李さんの声も虚しく、
ただ、パーク内をサイクリングするユカちゃんだった。
しまいには、何もないところで大コケし、苦笑い(写真④)。

急傾斜の壁に呆然

女性は男性に比べ力が弱いので、
習得に1カ月程かかるという指摘もあり、
先にU字型セクションのハーフパイプで
バランス感覚を養うことに。
高さ3㍍ほどの、見るからに急勾配の壁に呆然とする取材班。
実際にBMXで壁と壁の間の往復を始めると、
スピードが足りないためか壁を登れずストップする。
少し勢いをつけて走ると、急角度で進入してしまい、
後ろに落下しそうになるユカちゃん。
そこで慌ててハンドルを切ると、
今度は横に倒れそうになるという、
負の連鎖を繰り返し、
李さんも心配そうに様子を見守る(写真⑤)。

スゴ技に「すごい」連発

なんとか様になってきたなという時にタイムアップ。
ユカちゃんがヘトヘトになってBMXから降りると、
緊張状態でハンドルをぎゅっと握りしめていたためか、
指は握った形で固まってしまい、
取材班総出で指をマッサージする事態になった。
最後に、李さんのバンク(急な坂)を使った
エア(空中技)を拝見(写真⑥)。
BMXを横に回転させたり、飛び越えたりと、
大技の数々に「すごいすごい」を連発するユカちゃんに、
李さんも日本語で「すごい!」と笑顔で∨サインをくれた。

続いてスケボー体験

BMXの体験を終え、
満足気なユカちゃんに休む暇などなく、
次はスケボー体験を開始する。
こちらの先生役は賈世俊さん。
スケボーチーム「TOP TOYS TEAM」に
所属する大学生で、
湖州エクストリームスポーツ大会で
2位になった実力者だ(写真⑦右)。

重心つかめずオタオタ

賈さんから足を置く位置を教えてもらい、
早速、スケボーに乗って滑ってみる。
感覚が掴めない上、
さらに地面の蹴り方も分からず、
進行方向に向かって前にある足で蹴ろうとして、
ふらつき、慌てるユカちゃん。
しかし、何回か滑るうちにコツを掴み、
颯爽と滑る様子(写真⑧)を見た賈さんは、
次なる試練を与えるのだった。

言うこと聞かないスケボー

その試練とは、
スケボーを180度ずつジグザグに動かし、
前後に進む「エンドウォーク」というもの。
賈さんは、スケボーと足がくっついているかのように、
いとも簡単に〝ウォーク〟して見せる(写真⑨)。
続いてユカちゃんが挑戦すると、
先ほどまで賈さんの言うことを聞いていたスケボーは、
ウンともスンとも反応なし。
「肩を動かせば、腰が動いて足もスムーズに動く」と、
アドバイスを送る賈さんだったが、
強引に動かそうとして、後ろ足で踏ん張ったところ、
スケボーがウィリー状態になり、
ずっこけてしまった(写真⑩~⑫)。

道具と仲良くなる

ケガをしては元も子もないので、
本日はここまで。
最後に、2カ月毎日練習するとマスターできるという、
基礎トリック「オーリー」を見せてもらう(写真⑬⑭)。
スケボーごと空中に飛び上がる技で、
上達すると1㍍超えも夢ではないとか。
「上達のコツは、何度も乗って転んで、
スケボーやBMXと仲良くなること!
 一緒に楽しもう」と、
励ましの言葉を2人からもらい、
パークを後にする取材班だった。

~上海ジャピオン04月20日号

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