真夏を彩るローカル冷麺

①辣肉冷麺 12元
近所の人は、
夏になるとこの店の冷麺を必ず食べると言う。
セルフサービス制なので、
奥のレジでお金を支払い、
麺カウンターへ。
おばちゃんが盛り付け済みの麺を1皿手に取り、
辛く煮た鶏肉、ゴマダレ、黒酢、
ラー油を振りかけて出来上がり。
麺は少し平たく、
ゆで置きなのに伸びていない。
またツルツルもし過ぎず、
鶏肉との絡み具合が絶妙だ!
常温にあったので、
冷麺と言うより〝温麺〟という感じは否めないが、
キンキンに冷えた店内ではちょうど良い。

②冷麺 4元
上海体育場敷地内にある、
豪華な佇まいの店。
2・3階がレストラン、
1階がイートインスペースだ。
この店のウリは「生煎(焼き小籠包)」だが、
そんなものには目もくれず、
レジで冷麺をオーダーし、
席を決めたらスタッフに
オーダーが書かれた紙を渡す。
またも平麺にゴマダレ、
というだけのシンプルな麺が登場。
寂しいので、
テーブルに備え付けの辣椒をかけてみる。
しかしこのゴマダレ、
ほんのりゴマドレッシングのような酸味があって、
野菜が乗っていればまるで北海道名物の
「ラーメンサラダ」だ!

③榨菜冷麺 10元
店名に「麺館」とあるのを見れば、
麺の専門店だと分かる。
キノコに麺筋(生麩)、
カツ、鶏肉と、冷麺の種類も、
他店が及ばぬほど豊富だが、
昼時も遅くなるとどんどん売り切れてしまうとか。
ここではあと4両(200㌘)で売り切れという
「ザーサイ冷麺」にしてみよう。
やはり平麺にゴマダレと黒酢、
この基本形は崩れないが、
この店では少なめ。
その上に千切りにしたザーサイが乗る。
なるほど、ザーサイの塩分を考慮して、
タレを少なめにしているということか。

④洋葱大排冷麺 20元
伝統的なお菓子や、
点心類で人気の名店。
1階奥のイートインスペースは、
昼も夜も大盛況だ。
「洋葱大排冷麺」は、
ゴマダレ麺と、
甘酢あんのカツが別皿で出てくる。
先に麺をよくかき混ぜ、
カツを乗せて召し上がれ、か。
ふむ、酢豚を麺で食べるという感じで、
なかなかオツなものである。
もう1つ人気の「三絲冷麺」は、
ピーマンにタケノコ、
シイタケが入ったあっさり塩味のあんかけ麺。
しかしどちらも、ゴマダレが邪魔な気がするのだった…。

⑤徳興三鮮冷麺 40元
こちらも麺の専門店。
たくさんの冷麺メニューの一番上にあり、
お値段もひと際高い「三鮮冷麺」。
これは気になる。
「三」と付くからには、
具材が3種なのかな~などと
考える間に運ばれて来たのは、
チャーシューに鶏肉、
タウナギ(鱔魚)がゴロンゴロンと乗った1皿。
いかにもパンチがありそうだ。
鶏は甘く、長い時間煮込んだもの、
チャーシューはサッパリと控えめな塩味、
タウナギもほんのり甘い醤油味。
1皿で、色んな味を楽しんでしまえる1品だった。

⑥冷餛飩 8元
読んで字の如く、冷たいワンタンである。
冷たいと言っても、
そこはやはり、常温なのだが。
魯迅故居の真向かいに位置し、
朝から晩まで賑わっている。
オーダーしたはいいものの、
席が見つけられず、
テーブルの隙間に立ったまま食べる人も。
椅子だけ確保して、
撮影のためにテーブルの角をちょっとお借りし、
あとはやっぱり立って食べる。
冷めたワンタンが少しくっついているが、
そこをえいっと引きはがす。
ニラとひき肉、
卵がいっぱいに詰め込まれたワンタンには、
ちょっとラー油をかけるといい。

⑦秘制拌麺 18元
市内に十数店を有するチェーン店だが、
最も人気が高いのがここ。
四川料理店なので、大体どれも辛い。
同店にある冷麺は2つだが、
「秘制拌麺」の名に、
「え? 秘密の製法?」などと興味をそそられ、
早速オーダーしてみる。
おお、真っ赤なタレ!
クラゲが上に乗ってる。
あら、スタッフが混ぜてくれた♪
全体的に海鮮味が浸み込んで、
まろやかな味わいに仕上がっている。
きっとタレにも、
海鮮エキスが入っているんだろう。

⑧鶏絲米皮 10元
今回紹介する店の中で、
ダントツのローカル感を醸し出す。
店の敷居を跨ぐのに、
一瞬躊躇するが、
ランチタイムになだれ込む
人の波に引っ張られ、店内へ。
店名にもある「米皮」とは、
米粉が入ったのど越しの良い平太麺だ。
キュウリに蒸し鶏、
高野豆腐を乗せたものに、
辣椒をどさっとかけた「鶏絲米皮」。
米粉が入っているだけあって、
つるっと飲み込める。
味もサッパリ、
ピリッと辛いのも刺激になってなかなかいい。

⑨牛肉涼拌麺 15元
市内各所にある「蘭州拉麺」のような、
清真系のレストラン。
この店の冷麺がピカイチ!
という噂を聞いてやって来た。
冷麺は1種類のみ。
迷わずオーダーすると、
真っ白なヒゲをたくわえた親父が、
声を張り上げる。
奥の厨房では、若い少年が麺を打ち、
運んで来るのは、
ニコニコと可愛らしい女の子。
家族経営の温かさに包まれ、早速頂く。
ネギ油にたっぷりのおろしニンニクダレ、
トッピングはキュウリにトマト、
そしてチンゲン菜。
打ち立ての麺、
旨みのあるタレにニンニクが効いて、
夏バテに良さそう。
パクチー(香菜)の香りも芳しい。
クセになりそう…。
うーん、おかわり!

⑩三絲涼麺 8.8元

酸辣涼麺 9.8元
「三絲」と書いてあるが、
具材はキュウリ、鶏肉、
ニンジンの細切りだけではない。
モヤシに高野豆腐、そしてピーナッツまで!
醤油ベースで、酸味のあるタレで頂く。
一方、
「酸辣~」はハムにキュウリに錦糸卵と、
日本の「冷やし中華」の影響が色濃く出ている。
しかも〝辣〟というほど辛くなく、馴染み深い味だ。

⑪真飽麻醤涼麺 8.8元
台湾涼麺 7.8元
「真飽~」の具はキュウリのみ、
というシンプルさ。
コンビニ冷麺は、
基本的に麺と具材が別になっているのだが、
開けてみて「これだけ!?」
と驚いてしまうかもしれないが、
そこがこの麺の良いところ。
ゴマダレでサッパリ、
食欲のない時にもスルッと入っていく。
同じくゴマダレの「台湾~」。
こちらのゴマはタレと言うよりも
〝ペースト〟に近い。
口当たりが良く、
甘みが強過ぎないのも◎。
そう言えば、中国台湾でよく食べた冷麺も、
こんな感じのコッテリ目のタレだったっけ。

⑫韓式泡菜涼麺 7.8元
川彩鶏絲涼麺 7.8元
韓国と言えば、コチュジャンにキムチ。
空腹時に、
いい匂いを漂わせるコチュジャンを、
麺全体になじませるのがちょっとツライが、
ガマンしてこそのこのウマさ!
味付卵が乗っているのも嬉しい。
なに、
中国だって負けてはいない。
こっちにはしびれる〝麻〟がある!
夜な夜な、残業の度にファミマに寄り、
これを買って帰るという日本人がいるとか。
曰く、「隣に置いてある味付モツも買ってね、
トッピングして食べるとウマいんだ~♪
あ、ビールも忘れないでね」。
すでにオリジナルの食し方を編み出しているようだ。

⑬韓国冷麺 38元
本格韓国式焼肉を味わえる専門店。
元は、韓国でも有名な呉中路の名店
「偶巴爾壇(オバルタン)」の
支店としてオープンした。
細かく砕いた氷が浮かぶステンレスのボウルに、
スープがなみなみと入る。
麺はそば粉の混じった灰色で、
歯応えがある細いタイプ。
焼肉も一緒にオーダーし、
スタッフが焼いてくれる間に冷麺をすする。
韓国の味が身体の隅々まで浸み込んでいくようだ。
麺が長いので、
程よい長さに噛み切って食べよう。

⑭エビと春巻の冷製フォー 38元
週末ともなると、
相当な人ごみになる呉江路。
涼しい日ならテラス席もいいが、
暑ければエアコンの効いた店内で、
亜熱帯気候の料理を食すというのがオツ。
冷製フォーは全部で4種。
チキンもいいが、
アジアと言えばやっぱりエビだろう。
カリッと素揚げしたエビは、
殻を取り除いてあるので食べやすい。

⑮野菜とトマトの冷製スープパスタ 58元
2・3・4号線「中山公園」駅すぐの同店は、
日本人が作る、
日本人のためのイタリアンレストラン。
夏季特別メニューの冷製スープパスタは
全5種だが、
中でも一番人気というのが同メニュー。
キンキンに冷えたトマトスープが
のどを通る感触がたまらない。
サイコロ状に切った野菜が身体に優しく、
しっかりとした味付けは舌に楽しく、
これはヤミツキになる。
もう1品、
ポテトソースのパスタは、
夏のマストスープ「ビシソワーズ」
をアレンジしたもの。
どちらも麺がなくなった後、
ゴクゴクと飲み干せるほど飽きないのに、
麺と絡んでも決して薄味にならない。
不思議だ…。

~上海ジャピオン2012年7月27日号

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