フルーツ食べ方辞典

今食べたいトロピカルフルーツ

 

馬鹿でかいみかんがあるなぁと思えば、やたら小っちゃいマンゴーがあったり…。
とにかく、季節を問わずなんだか得体の知れない果実が並んでいるのが上海だ。
気になるのは、「どんな味か」よりも、「どうやって食べるのか」ではないだろうか。

 

サボテン科の健康食品


鮮やかな色と不思議な形が目を引くドラゴンフルーツ。サボテン科の植物で、原産地は中南米だと言われている。好条件下では10㍍ほどに生育し、直径30㌢ほどの真っ白な花を咲かせる。月下美人と同様に、一夜限りで枯れてしまうその花見たさに、産地では収穫時に真夜中の花見を開催することもあるという。
味は意外にも淡白で、クセがなく食べやすい。小さな黒い種のプチプチと弾ける食感は、さながらキウイのようだ。タンパク質を始め、ポリフェノール、食物繊維、ビタミンなど栄養素が豊富で、健康食品としても注目されている。
食べ頃の見極めポイントは、周囲についた葉のようなものが枯れかかっていること。青々としたものは、見た目は美しいが避けたほうが無難。というのも、ドラゴンフルーツは追熟(収穫後にも熟していくこと)しないので、飼うときにベストな状態ものもを選ぶことが肝心だ。ただし、しなびているものは問題外。
日本での相場は、ひとつ600円前後。上海では、10元(約150円)もあれば手に入る。
ドレッシングと和えてサラダにして食べる方法もあるが、レモンやライムを絞ってそのまま味わうのがオススメだ。柑橘系の爽やかな酸味が、さっぱりした甘みをさらに引き出してくれる。


①皮ごとクシ型に切る。皮も果肉も硬くないので女性でも切りやすい。


②みかんの皮と剥くように、皮と果肉の間に指を入れ、滑らせる。

原産国では水分補給に

艶やかな表面から「ワックスアップル」とも呼ばれるレンブ。マレー半島が原産で、コアラが好きなユーカリと同じフトモモ科の植物だ。
水っぽい味わいの中に、微かにリンゴや梨のような風味を感じることができる。食感もそれに似てサクサク、シャリシャリとしているのが特徴で、種がないものも多い。水分が多く、原産地などでは夏の水分補給としても食べられている。
食べ頃の目安はその色。赤いほど糖度が高い。日本での相場はひとつ200円前後。上海では3元(約45円)ほどとなっている。
食べ方は、リンゴと同様切り分けるだけ。ヘタと底のくぼみの部分は取り除くのがベター。


①皮を剥く必要はなく、そのまま切り分けていく。輪切りでもクシ型でもOK。


②食べるのは、ヘタと底の部分を除いた胴の部分のみ。

果物の女王に君臨


黒っぽくて硬そうな皮になかなか手が出せない「マンゴスチン」。タイが原産で、果物の女王と称されている。
茶色い皮の下には、さらにふわふわとした赤い繊維質があり、果肉はその下にある白い部分。見た目はみかんの房のようで、味はとても爽やかでサッパリとしている。柔らかく非常にジューシーなのが特徴だ。日本では主に冷凍物が流通しており、生のものは希少。価格はひとつ300円程度が目安。上海では3元(約45円)ほど。
食べ頃の見極めがやや難しいが、ポイントは皮の硬さ。親指で押してみて若干凹むくらいが食べ頃だ。柔らかすぎる場合は傷みかけていることもあるので注意しよう。


①親指の第一間接あたりでグッと押す。力を入れすぎると果肉が潰れてしまうので慎重に。


②ヒビが入ったら、少しずつ皮を取り除く。

高血圧予防にも活躍臨


つるりとした表面と、赤と黄色のコントラストが印象的な「ネクタリン」。バラ科の植物で、原産国は中国という説が有力だ。
アボカドのように包丁で真ん中の種を避けるように切込みを入れ、手でひねってふたつに割って食べる。もしくは、完熟なら手で皮を剥くことも可能。桃に似た味わいだが、さらに酸味を加えたようなサッパリ感も兼ね備えている。香りも非常に良い。
カリウムが豊富なため、高血圧予防としても役立てられている。日本ではひとつ500円ほど。中国では3.5元(約52円)前後。
触ってみて表面が柔らかいものがオススメ。ジャムにして紅茶に溶かして「ネクタリンティー」にしても美味しい。


①完熟して柔らかくなったものは、このとおり手で簡単に皮が剥ける。


②果肉は、レモンのように鮮やかな黄色

女性に嬉しい栄養素


衝撃的な見た目の謎の南国フルーツ「ランブータン」。原産国はマレー半島で、「毛の生えたもの」という意味だ。
皮は意外にも素手で簡単に剥くことができる。そして中にはさながらたまごのような果肉があり、半透明でぷるんとしている。味わいはライチより若干あっさりしていて瑞々しい。肉厚なのも特徴だ。
ビタミンCを始め、鉄分やカルシウムなど、特に女性に不足しがちな栄養素が豊富で、日本では500㌘あたり2000円が相場。上海では5030元(約450円)ほどで販売されている。
赤いものほど熟している証拠。冷凍庫で凍らせれば、シャーベットのような食感に。また、ラム酒を振りかけても美味しく食べられる。


①親指の爪で少し裂け目をつける。裂け目を広げて左右に開く。


②皮と身がくっついていないので、つるりと簡単に剥ける。

フルーツでも野菜でも


断面が星の形になることからその名が付いた「スターフルーツ」。インドやマレーシアなど、アジアの東南地域が原産のカタバミ科の果物だ。
シャクシャクとした歯ざわりが特徴で、水分が多くジューシーな上、食物繊維が豊富。あっさりとした甘みと酸味で、サッパリした後味なのが夏にぴったり。
日本では400円前後で販売されており、上海の場合だと6元(約90円)で手に入る。
サラダとしても食べられるが、その場合は糖度の低い緑色のものを使おう。糖度は黄色くなるに従い高くなってくる。ただし、黄色くなりすぎて柔らかくなると風味が落ちるため、若干緑色が残っているくらいが食べ頃だ。


①端は固い場合もあるので、気になる人は取っておいたほうが無難。


②「星型」を楽しむには輪切りにするのが必須。厚みは1cm程度で。皮は剥く必要なし。

いつまでも若々しく!


高さ20㍍以上にもなる樹木になる実で、ヤマモモ科の「ヤマモモ」。中国や日本が原産国で、高知県では県花、徳島県では県木にも指定されている。
さくらんぼを連想させる甘酸っぱい味わいと、プチプチとした食感が特徴で、中に一粒種が入っている。老化を防ぐ抗酸化ポリフェノールを豊富に含む。日持ちしないため、日本では市場に出回ることが少ない。上海での相場は500㌘あたり15元(約225円)ほど。
果実の色は、緑→赤→黒の順で変色していき、一番美味しいのは黒くなる直前のもの。そのままでも充分美味しいが、塩を振り掛けるか塩水で洗うと甘味が強調される。氷砂糖と一緒に漬け込んでシロップを作り、ソーダ割りにしても美味しい。


①黒っぽい中にも赤さが残っている状態のものが食べ頃。


②洗ってそのまま食べられる。

フルーツいっぱいレシピ

(材料)
バニラアイスクリーム ファミリーパック
イチゴ10粒
キウイ2個
マンゴー1個
※このほか、黄桃、イチゴ、マンゴー、キウイ、メロン、バナナなどお好みで
※スイカは避けたほうが無難。


(作り方)
1.フルーツを1cm角にカットし、ジップロックやビニール袋に入れて冷凍します。
※このとき、なるべく重ならないように平らにするのがポイント。さらに、数時間置きに、袋に空気を入れて振り個々がバラバラになるようにしてください。

2.フルーツが凍ったら、バニラアイスを用意します。室温で周囲が若干溶けるくらいまで置いておきましょう。

3.柔らかくなったアイスを、スプーンなどで良く練ります。全体が均等になったら、凍ったフルーツを入れ一気に混ぜ合わせれば完成です。

※バニラアイスのほか、マンゴーなどで作っても美味しくできます。

(材料)
赤ワイン1本(安いものでOK)
リンゴ1個
オレンジ1個
レモン2個
グラニュー糖大さじ3
桃1個
シナモンスティック1本(無くても可、クローブや八角でもOK)
ブランデー少々(無くても可)


(作り方)
1.密閉容器などに、赤ワイン、グラニュー糖、ブランデーを注ぎます。

2.オレンジとレモンを丁寧に洗い(表面のワックスを完全に落としましょう)皮を剥く。皮はわた(白い)の部分をきれいに取り除き、果肉は1cm程度の輪切りに。

3.リンゴ、桃の皮を剥き、乱切りにします。
※後で取り除くので、少し大きめのほうが扱いやすい。

4.1の容器に2と3、シナモンスティックを入れ、涼しい場所に置く。
5.一晩漬ければ飲み頃。それ以上置く場合は、内容物をすべて取り出しましょう。

※お好みで100%のオレンジジュースなどを加えてもOK。よりフルーティーで飲みやすくなります。

~上海ジャピオン5月30日発行号より

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