復活! 伝説の企画「500元ツアー承ります」

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ペーターが待つ杭州へ

『ハイジ』の舞台はスイスですが、旅費500元では…。国内で草原といえば内モンゴルか。でも、日程的に難しいですね。ん、待てよ、あそこなら可能だ。

目的地は杭州の西湖にある島・孤山です。高速鉄道で日帰りも大丈夫ですね。ハイジでイメージされるものは、杭州でそろえます。ヨーゼフ代わりに巨大なセントバーナードのぬいぐるみを手に入れ、チーズに黒パン、牛乳も買いましょう。えっ、ヤギやペーター? すでに準備済みです。ヤギさんと男の子の彫像が飾ってあるので、ご安心を。ヨーゼフを枕にして、チーズパンを食べつつヨーデルを歌い、「クララのバカ!」と罵ったら、そこはもうアルプスです。

あ、スミマセン、よく見たら、これはヤギじゃなくて羊の像でした。まあ、細かい点は気になりませんよね? では、プランの行程表をFAXでお送りします。
中国の中心は西安に?

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中国の中心は西安に?

中国の中心ですか。少々お待ちください。中国地図を切り取って、人差し指でバランスを取ってみますと…おっとと、はい、甘粛省南部辺りで、うまく揺れが止まりました。中心は甘粛省ってことですね、大体の場所でよろしいですか? よろしくない…では、ちょっと調べます。(カタカタ…5分後)…大変お待たせしました。「大地原点」なる場所が見つかりました。ここが中国の中心で間違いなしです。

陝西省西安から北へ40㌔ほどのところに位置する、咸陽市涇陽県永楽鎮に向かいましょう。ここに、「大地原点」という、中国の測量やGPSなどにおける基準点が設定されているんですね。硬座で約21時間かけ西安まで行き、そこから鈍行列車に乗り換えて永楽鎮の永楽店駅を目指してください。なが~い旅のお供は、青春恋愛小説『世界の中心で、愛をさけぶ』の中国語版で決まりですね。

駅から30分程西に歩くと「大地原点」のある、8角形の塔が見えて参ります。そこの地下が目的地となります。「大地原点」は厳重に保護されてますので、中国の中心に立ちたい一心で、こっそり上に乗ったら怒られるのは確実です。ちゃんと責任者を説得してからどうぞ。恐らく説得は不可能でしょうが…。

準備が整ったら、深呼吸して大きな声で、ありったけの〝愛〟を叫びます。そして、叫んだらすぐにその場を離れてください。確実に警備員が飛んできますから。叫び疲れ、逃亡劇を演じてヘトヘトになった身体は、西安市内に無事戻ってから癒しましょう。胃袋に染み渡る、優しい味の中華版すいとん「羊肉泡饃」やピリ辛冷麺「涼皮」など、西安名物をいただいた後、愛が届くことを夢見つつ、列車内でぐっすり眠ってください。

では、ご希望のプランが完成しましたので、行程表をFAXでお送りいたします。

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温泉も楽しむ〝ハワイ〟

晴れた空、そよぐ風~~ああ、憧れのハワイ航路~(作詞:石本美由起、作曲:江口夜詩)♪ いや~ついつい口ずさんじゃいました。船旅は情緒があっていいですよね。ただ、ハワイへの定期船はないですし、チャーター船は目玉が飛び出るほど高いので、今回は力になれず――。あっ、いや、この手があった。列車と船を乗り継ぐプランとなります。

まず、列車で済南を経由して、威海へ向かいます。硬座で約19時間です。船の出発時間まで、何をしても大丈夫ですが、使えるお金は1日13元ですので、いろいろと観光などせず、消費しないのが一番かと思います。

2日目の夜にして、ついに待望の船に乗っていただきます。行き先は、韓国の仁川(インチョン)となります。出発は夜で、船外は真っ暗だとは思いますが、デッキでハワイへの期待に胸をふくらませておきましょう。

3日目は、韓国内を大移動です。地下鉄で2時間かけてソウルまで出て、韓国鉄道公社の特急に乗り換え、東の果ての東海(トンヘ)に行きます。次なる目的地へは木曜日にしか船が出ていないので、注意しましょう。東海では出歩かず、翌日に備え、宿でゆっくり休むが吉です。

4日目、〝ハワイ〟に最も近い、境港行きの船に乗り込みます。境港って鳥取県の? はい、そうですが何か? 鳥取には漢字で「羽合(はわい)」って書く観光地があるんです。「ハワイ海水浴場」は砂浜が美しいですよ。あー、待って、電話切らないで! 最後まで話聞いて~。羽合には、ビーチだけでなく、温泉もありますし、船旅の疲れも心の憂さもさっぱり落とせますよ。どうです、行きたくなったでしょ?

ではご希望のプランをFAXでお送りします。こちら片道となりますが、よろしいですか?

~上海ジャピオン2013年6月7日号

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