週末崇明島でココ行きたい!

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その昔、週末に遊びに行けるスポットを紹介し、人気を博した(?)記事「週末ココ行きたい」。

日本に帰国した主人公の男女2人が、子どもを連れてまたまた上海へ。

今回は出張で崇明島を訪問する予定。初めて訪れるこの地について、いつものごとく仕事のことはそっちのけでプレゼンし始めた。

 

男説明:★

乗り物全般・アニメ・三国志オタクの元上海駐在員。何かと雑学を披露したがり、子どもに趣味を共有してもらおうと画策中

 女説明:❤

スリル大好きなアクティブ系太太。時折、鋭い一面も。旦那の子どもっぽさについてはもう諦めモード

 

中国で3番目に大きい島

「崇明島は前から気になっていたけど、機会がなかったのよね。あなたの出張もたまには役に立つわね」

「何だよそれ。こっちは仕事なんだからあんまり旅行気分が強くちゃ困るんだぜ」

「とか言いながら、自分だって調べたんじゃないの?」

「バレたか。崇明島は中国で3つ目に大きい島なんだ。長江から流れ出た土砂が積もってできたもので…」

「唐の時代にはすでに姿を現していたのよね」

「なんだ、知ってたのかよ。じゃあ、観光地も調べてたりして…」

「もちろんよ。まずは上海市内から来るバス、フェリーターミナルがある城橋鎮からね。ここは島の中心部に当たるの。銀行ATMはここ以外あまりないから、現金をしっかり下ろしておかなくちゃ」

「スゴい。しかも超現実的な情報まで。当日雨が降らなきゃいいけど…いえ、何でもないです」

「それで良し。最初は崇明学宮かしら①」

「確か上海で一番大きい孔子廟なんだっけ。宋代の文物や彫刻物が展示されてるそうだね」

「まあ、あなた好みではないかもね。あとはこの近くにある寿安寺も有名よ②」

「700年の歴史を持つ寺院か。ここで旅の安全祈願でもしようかな」

「家族の健康祈願もね。敷地内には、とある日本人実業家が植えた桜があるらしいわよ」

「日本とも縁があるんだね。それにしてもこの2カ所、キミにしては渋い選択だね。この子も退屈しないかな」

「そうねえ。だったら途中で瀛洲公園に寄りましょう。長江を眺められる場所があるの③。

というわけで私が調べたのはここまで。あとはお願いね」

「やれやれ、ここでいつものパターンに戻るのか」

 

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上海のプロヴァンス?

男「崇明島の森林占有率は21・6%と、緑や公園の多いところなんだ。そこでキミに、とっておきの場所を紹介しよう」

女「前日にも公園行ってるし、ちゃんと楽しめるんでしょうね」

男「ああ、もちろんだとも。ラベンダー畑で有名な紫海鷺縁浪漫荘園さ④」

女「いいわね。中国でもラベンダーが見られるなんて」

男「約50万平米の園内に、3万5000本以上のラベンダーが植えられているんだ。〝上海にいながらにしてフランス・プロヴァンス気分を満喫できる〟ってのがウリだそうだよ」

女「ずいぶん大風呂敷を広げるじゃないの。でもまだ満開にはちょっと早いんじゃない?」

男「そうだね、6月中旬あたりが見頃かな。30日(火)までラベンダーフェスティバルをやってるんだ。僕らもこのロマンチックな紫の海に浸ろうよ」

女「あなたが言うとムード台無しね。この近くに、もっと大きい公園があるみたいだけど」

男「東平国家森林公園のことかな。面積は360万平米。中には遊園地があって、バーべキューもできるんだ。ちょうど今回の出張で、僕らもここを使う予定さ。ロッククライミングやカヌー、乗馬体験もできるから、身体を動かしたい人にもオススメだね⑤」

女「じゃあ私がこの子と遊園地で遊んでいる間、あなたはバーベキューの用意をお願いね」

男「ひゃ~、僕はゴーカートで遊んでおきます」

女「ほんと乗り物好きね。あら、公園の北にある江南三民文化村って場所⑥にマークしてあるけど、有名なの?」

男「うん、ここでは島の人たちがどんな暮らしをしてきたかを紹介してるんだ。彼らが使っていた家具や衣服、民芸品の崇明土布も展示されているよ」

女「へ~、崇明土布ってなかなかいいじゃない。販売もしてるのね、少し買って帰ろうかしら。私が値切るから、あなたは支払いをお願いね」

 

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視界に広がるアシ畑

男「1日目が市中央と北部エリアなら、2日目は西側を回ろうか」

女「それはいいけど、かなりの距離があるわよ。城橋鎮から20㌔以上離れてるわ。バスも時間かかるし、タクシー代も高くつくわね」

男「それなら、運転手付きのレンタカーがいいかも。大体半日で300元くらいさ」

女「もっと安くできないかしら。とりあえず値切ってみるわ」

男「はいはい、その時は邪魔しません。じゃあ値切ってもらって、今回一番オススメの西沙国家湿地公園に行きましょう⑦」

女「わあ、前にネットで見たことあるわね。この視界いっぱいに広がってるのはアシ畑かしら?」

男「その通り。ここは何と言っても、見渡す限り一面に生い茂るアシ畑だよ。〝人間は考えるアシである〟ってパスカルが言ってたね。僕もアシのようにか弱い存在だから、優しくしてね」

女「あなたは考えないアシよね。ウェブサイトで竿のようなものを持ってる人の写真があるけど、あれは一体何?」

男「あれは砂地に生息しているカニを捕獲しているのさ。10元でエサ付きの竿を貸してくれるよ」

女「あら、この子も楽しめそうなものがあるじゃない」

男「そうだね。それともうひとつ、この湿地公園横の隣には大きな湖があるんだ」

女「地図にある明珠湖ってやつかしら? これも大きいわね。ボートに乗れるんですって、いいじゃない⑧」

男「そう、ここは長江支流でできた天然湖。湖の面積は20万平米さ。遊覧船や水陸両用の車が30元~乗れるんだ。」

女「さすが、乗り物に関してはよくチェックしてるわね。公園南エリアの魚標本館では、長江で見られる魚の標本を展示している場所もあるんですって。この子に見せてあげたいわ」

男「ほかに時間があったら、東側の東灘湿地公園も行ってみよう。冬になると野鳥が訪れるんだ⑨」

 

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農家楽で自然を満喫

女「これだけ回ったらさすがにお腹ペコペコになっちゃうわ、もう何が言いたいかわかるわね? ダーリン」

男「もちろんですとも。ちゃんとリサーチ済みですよ。今夜は〝農家楽(ノンジャーラー)〟で崇明島の料理を食べようか」

女「さすがね。でも農家楽って何?」

男「田舎のペンションや民宿に泊まって、農家体験をするのさ。その土地で採れた新鮮な野菜や魚を使って、家庭料理を振る舞ってくれるんだ。東方国家森林公園近くに前衛生態村⑩ってところがあるんだけど、ここで農家楽が楽しめるのさ」

女「へえ、じゃあ宿と食事がいっぺんに解決できちゃうわけね。私、〝別墅〟に泊まりた~い」

男「まあまあそう焦らずに。農家楽にはすべてランクを表す星が付いてるんだけど、その数を参考にして選ぶんだ。満点の5ツ星を探そう」

崇明島グルメ

女「この島のグルメについては私もさっき調べたわ。 『崇明老毛蟹』⑮が有名らしいけど、日本の毛蟹と違うのかしら?」

男「崇明老毛蟹は実は上海蟹のことだよ。秋以降が食べ頃だから、夏はメニューにないかも」

女「じゃあ崇明白山羊は?」

男「これもマストチェックだ。崇明島産のヤギ肉のことだね。角煮風の紅焼羊肉⑬とか、刺身みたいに醤油につけて食べる白切羊肉とか、いろんな食べ方があって、それで…」

女「じゃあそれに決まり! あなたのくどい説明聞いてたらもうお腹が空いてきたわ」

男「それ褒めてるの? ほかにも長江で捕れる魚を煮込んだ長江支魚⑭と、もち米で作ったお菓子の崇明糕が食べたいな⑯。甘口でやわらかいから、この子でも食べられるね。それに崇明白酒も頼んで、旅の成功に乾杯しよう」

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~上海ジャピオン2015年6月5日発行号

 

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