2015年上半期 中国“びっくり仰天”ニュース

P1-1

個人が発する社会ニュース

早くも後半に差し掛かった2015年、さまざまな社会ニュースが中国全土を駆け抜け、話題を振りまいた。

近年のニュースの傾向として、1つは、個人が発信した情報が社会問題へと発展するケースが目立っている。

「ウェイボ(微博)」や「ウェイシン(微信、WeChat)」などのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に端を発し、

ネット上での転載によって瞬く間に伝播、CCTVなどで社会ニュースとして大々的に報道されるまでに至る、という展開だ。

「01」のニュースは、その典型といえる。

もう1つは、少年犯罪の低年齢化だ。「02」や「06」のニュースのように、一見、犯罪とは無縁の子どもによる痛ましい事件が世間を震撼させている。

同時に、中学生や高校生によるいじめや暴行事件も多発しており、深刻な社会問題に発展するケースも。

ニュースは、いつの時代も社会を映す鏡だ。

多発化する凶悪事件・犯罪

今回、ピックアップして紹介した社会ニュースは、あくまでも氷山の一角にすぎない。

今回はあえて触れなかったが、無差別殺傷事件や幼児虐待事件などのショッキングな事件や、悪質かつ凶悪な犯罪は頻発しているのが現状だ。

実際、中国現代社会が抱える諸問題は日本との共通点も多く、対岸の火事ではない。社会情勢とともに、社会ニュースにも注目しておきたい。

さて、今年後半には、どんな〝びっくり仰天〟ニュースが待ち受けているのだろうか。

P1-3

01

From北京 芸術かわいせつか、故宮ヌード撮影

ネット上で5月17日(日)、カメラマンが女性のヌードを撮影している写真がアップされ、騒然となった。

撮影場所は、世界遺産である故宮博物院。写真のうちの1枚は、全裸で石像に跨るといった挑発的なポーズ。

ネット上では、〝芸術か、わいせつか〟の議論が交わされた。

写真をウェイボ(微博)にアップしたのは、ハンドルネーム〝WANIMAL〟と名乗るカメラマン張本人。

当人は騒ぎに対し「自分の創作を行っただけで誰にも迷惑はかけてない」と主張している。

一方、「治安管理処罰法」の規定によると、公共の場所でわいせつまたは故意に裸体を晒すのは違法行為だが、悪質ではなく、

他人に目撃されていない限り法には触れない。

ヌード撮影現場の写真には一般観客も写りこんでいるものの、故宮側からのお咎めはなかったのだろうか。

現在、1日8万人の入場制限を行うほど観光客があふれかえり、警備員が目を光らせる中、

堂々と全裸で撮影を行ったモデルとカメラマンの大胆さには舌を巻くしかない。

P1-2

02

From 湖南省 12歳少女による計画的毒殺事件

衡陽市衡陽県で6月10日(水)、12歳の少女が友人を毒殺するという事件が勃発、住民を震撼させた。

警察の調べによると、加害者の少女はコーラにネズミ駆除剤を混ぜ、被害者の少女に飲ませた。

さらに、被害者の妹が偶然にも同じコーラを飲み死亡している。

加害者の家庭環境は複雑で、母親は彼女が8歳の時に失踪、父親は出稼ぎで常時不在、祖父母と2人の妹と暮らしていた。

加害者は人見知りでおとなしく、極端に口数の少ない子だったという。動機について少女は、「たった一人の友だちが自分を裏切った」と話しており

警察側は被害者の少女とケンカになった際、被害者が知的障害のある母親に助けを求め、

その母親に耳を強く抓られるなど体罰を加えられたことが原因ではないかと見ている。

本人の供述によると、20日以上前から犯行を計画、ネズミ駆除剤を購入し、隠し持っていたようだ。

取り調べの中で両親に話が及ぶと、少女は激しく動揺し、父と母を恨んでいると訴えたという。

P2-1

03

From 江蘇省 赤ちゃんのお腹に赤ちゃん発見!?

常州市金壇区の病院で5月、3000㌘の女の赤ちゃんが誕生した。

ところが、生まれた赤ちゃんの腹部が異常に大きく、異変を察知した病院側が検査を行ったところ、お腹の中にもう1人の胎児がいることが発覚した。

この現象は、〝寄生胎〟と呼ばれる先天性の奇形で、発生率は50万分の1という稀有なもの。

中国の遺伝学上では、通称〝胎内胎〟とも呼ばれるという。胎内の胎児は正常に発育していないことも多く、いずれも早期摘出が必要となる。

発覚後、病院側は生後8日の赤ちゃんの腹部開口手術を決行、2時間に及ぶ手術の結果、無事0・9㌘の胎児を取り出した。

なお、摘出された胎児には頭髪が生えていたものの、心臓や肺などの器官は備わっておらず、生存は不可能だった。

同病院の外科主任によると、寄生胎が起こる要因として、1つは近親婚、もう1つは母親の妊娠中の中毒症、

または発がん性の食物を摂取した可能性を指摘している。

P2-2

04 

From 湖北省 助教授、新ドラッグ密造で大儲け

武漢市税関は6月19日(金)、麻薬案件で武漢某大学化学科の助教授らを逮捕した。

調べによると、同助教授とその仲間は一部の国で向精神薬のニーズがあることを知り、医薬品の研究生産会社を設立しメチロンを製造、

国外で販売していた。メチロンは昨年、中国国内でも規制の対象となった幻覚性の強い新型ドラッグで、

エフェドリンやアンフェタミンに類似するという。

なお、違法に製造されたメチロンは、カナダ、米国、欧州などで販売、毎月の売上げは約60万㌦(約7400万円)に達していた。

05

From 深セン 1平米38万元の億ションが出現

深セン市宝安新安街道の中洲中央公寓E―CLASS39階のマンションが5月25日(月)、

1平米当たり37・6万元の〝破格〟で売り出され、話題を呼んだ。

同マンションは、1平米当たり4~7万元が相場。その後、事態を重くみた市計画国土資源委員会は開発商に交渉、

6月2日(火)には約半額の1平米17・6万元まで引き下げられた。

業界内関係者によると、これは超高級マンションのイメージを植えつける営業手段で、このような情報操作に騙されないよう注意を喚起している。

06

From 甘粛省 8歳児による4歳児傷害事件

隴南市武都区の漢王鎮羅寨村で6月10日(水)、傷害事件が発生。加害者は8歳の男児、被害者は4歳男児で、2人は同じ幼稚園に通っていた。

事件は幼稚園からの帰途、加害者がハサミで被害者を刺した。被害者の姉の知らせを受けて祖父が駆けつけた際、

被害者は幼稚園にほど近い小道に倒れており、救急車で病院に搬送されたものの、すでに息はなかった。

死因はのど元の大動脈破裂による出血多量だった。

加害者男児は、本来小学生であるはずのところ、非常に腕白で退学処分となり、仕方なく幼稚園に通っていたという。

07

From 安徽省 患者の遺体で事故を演出した医者

宿州市公安局は5月、4カ月に渡る捜査の末、保険金詐欺集団7人を逮捕した。

そのうちの3人は医者で、死亡した患者の遺体を詐欺行為に利用していた。

調べによると、容疑者の医者のうちの1人は、末期がんで入院中の患者が複数の保険会社に

多額の傷害保険をかけているという情報を共謀者に提供。患者が病死した後、交通事故に見せかけて偽の死亡診断書を作成し、

保険金を請求していた。保険会社への保険金請求は42件に上り、合計約140万元を騙し取っていた。

08

From 安徽省 湖水汚染で1000㌧の魚が大量死

蚌埠市五河県、固鎮県にて6月、大量の水産品が死滅する事件が発生。被害額は五河県だけで1・9億元に達した。

五河県では6月末に大雨が降り、翌朝、大量の死んだ魚で湖面が埋め尽くされていた。

固鎮県でも同様の現象が見られ、死んだ魚約100㌧の運搬に小型トラック10数台が必要だったとしている。

五河県によると、大雨の影響で田畑の農薬、肥料、ゴミが流れ出し、湖水の過マンガン酸指数などが基準値を超過、湖水汚染に繋がったとみている。

湖からは異臭がし、水は醤油色に染まっていた。

09

From 湖北省 バスの乗客が震え上がった〝同乗客〟

湖北高速交通警察興山大隊の民警は6月2日(火)、神農溪省ETC料金所に入ってきた大型バスの運転手に荷物検査のため

トランクルームを開けるよう要求した。トランクルームの中には発泡スチロールの箱とズタ袋がぎっしりと詰め込まれており、袋はモソモソと動いていた。

民警が袋を開けたところ、袋からは青色の大蛇とガマが、箱からは大ネズミが発見された。総量は350㌔に及んだという。

何も知らずに乗車していた53人の乗客は、約200㌔同行していた〝同乗客〟を一目見るなり、驚いて逃げ出した。

10

From 北京 男なのに健康診断で「子宮に問題」

北京在住の男性が6月24日(水)、民航総医院で受診した健康診断の検査結果を見て絶句。検査報告によると、

男性は婦人科系の〝子宮内膜炎〟と診断され、医者からは「定期的に検査を受けるように」とのメッセージが添えられていた。

この男性は体調不良のため、同病院で約3000元を支払い健康診断を受けていた。子宮内膜炎をネットで調べた男性は、

「俺は男だ!  大金はたいてこのいい加減さは何だ!」と憤慨しているという。

病院側は返金及び謝罪した上で、おそらく情報処理システムのミスだと説明している。

11

From 河南省 実子6人を売買し、全額を散財

周口市太康県公安局は6月21日(日)、幼児誘拐売買の罪で男を逮捕した。

容疑者は精神障害のある女性に自分の子どもを7人産ませ、そのうち6人を売買していた。

容疑者は農業で生計を立てていたが、今年5月中旬、突然、金遣いが荒くなった。

不審に思った村民は派出所に調査を依頼、調査の結果、実子6人を売買していたことが発覚した。

今年5月には産まれて5日目の息子を売買し、4万元を得ていた。

容疑者は子どもを売って得た大金は、自分ですべて使い果たしたと供述している。

P3-1

北京

ヘベレケの代行が飲酒運転で事故

飲酒後に運転を依頼された代行業者が追突事故を起こした。依頼者を含む乗客3人は泥酔していたため気付かなかったが、代行スタッフも相当量の酒を飲んでおり、ハンドルに突っ伏した状態で運転していた模様。

 

浙江省

Cカップ男子、美容整形で胸を縮小

温州市の大学病院美容整形科で、男性が胸の縮小手術を受けた。男性は過食で、特に鶏の足や手羽先を好んだため体内のホルモンバランスが崩れ、乳腺が異常に発達。Cカップの胸が恥ずかしく、外出もできなかった。

 

広州

安全検査で一気飲み兄弟

白雲空港の手荷物安全検査場で、2人の男性が検査員の制止を振り切り、持ち込み不可を言い渡された高級壮陽酒(白酒の1種)を飲み干した。周囲には酒の臭いがたちこめ、旅客はあんぐりと口を開けて眺めていた。

 

山東省

マヌケな泥棒、盗んだ金は偽札

威海経済技術開発区の派出所で、空き巣狙いが逮捕された。盗まれたのは被害者宅のテーブルに置いてあった71元で、そのうち50元札は偽札だった。犯人には前科があり、昨年8月に出所したばかりだった。

 

四川省

「めんどくさい」とタクシーが階段を暴走

成都市の四川城市職業学院で1台のタクシーが階段を走行する写真がネット上にアップされた。強引な走行によりタクシーの前後のバンパーは外れ、階段も破損。運転手曰く、道もわからないし面倒だったとのこと…。

 

安徽省

富二代の夫、実は〝夫〟じゃなかった!?

蚌埠市懐遠県の女性が自称〝富二代(富豪の御曹司)〟と結婚、玉の輿をゲットした。ところが2年後、結婚は詐欺で、しかも夫は女性だったことが判明。不動産証書も結婚証明書もすべて偽物だったという。

 

安徽省

〝エイリアン怪魚〟にギョギョッ!

巣湖市にある巣湖で、漁民の網に大量の怪魚がかかった。怪魚の正体はハゼ科の「ワラスボ」。目は退化、大きな口には牙が並び映画に出てくるエイリアンそっくり。小魚やエビを捕食するため、深刻な被害を及ぼしている。

 

黒龍江省

巨大スクリーンにわいせつ画像

牡丹江市の屋外に設置された巨大スクリーンに突如としてわいせつ動画が流れ、約10に渡り道行く人を釘付けにした。動画を流した容疑者は、公共場所わいせつ動画放映の罪によって即刻、お縄となった。

 

~上海ジャピオン7月31日発行号

最新号のデジタル版はこちらから




PAGE TOP