上海ジャピオンの特集 記事

春のホーストレッキング

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春のレジャー・乗馬

上海の中心にある人民広場はその昔、競馬場だったのをご存知だろうか? あらゆる賭博が禁止された現在、かつての馬好きたちは乗馬に趣味を転向し…たのかどうかは不明だが、乗馬が絶大な人気を誇るのは事実。上海には郊外にいくつもの馬術クラブがあり、欧米人を中心にレジャーとして親しまれている。特にこの時期、春になると、草花の芽吹きを馬上から眺めるのが格別と、来園者数が増加。ならば我々もぜひ、と取材班はとある春の休日、郊外へ出かけることにした。

ベテラン選手とド素人

今回取材班が訪れたのは、上海の南の果てにある「濱海森林公園」内の馬術クラブ。なんでも、今回のナビゲーターを買って出てくれたベテランホースマン・カッキーが、友人のツテで紹介されたのだとか。カッキーは上記の通り筋金入りの馬ライダーで、休みの度に市内や近郊へ乗馬に出かけている。

一方、カッキーに連れられてやってきたオダッチは、今回が初の乗馬体験というド素人。「馬は人の気持ちを感じ取るってカッキーさんが言ってましたからね、オレのこの、海のように凪いだ心が伝われば、うまく乗れるはずです」と根拠のない自信をチラつかせ、公園の門をくぐる。

 

 

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 初心者もカウボーイに?

 今回は、ホース・トレッキング1時間に公園の入園料込みで350元、という破格のキャンペーン中だったので、入園チケットを購入せず馬術クラブのスタッフに電話をかけ、門まで迎えに来てもらうことに。…と、オダッチが何やら掲示物に食い入っている。1月に行われた馬術大会のポスターのようだ。オダッチは、荒らくれ馬に跨り縄を投げるカウボーイの写真を指差し「オレ、今日でこのくらい行きますよ」と、まさかの宣言。改めて確認するが、オダッチ、今回が初めての乗馬体験である。「身の程知らず」という言葉が取材班の脳裏を過ぎるが、彼の天真爛漫な笑顔の前に誰も口に出すことはできないのだった。

注意をしっかり押さえる

ようやくスタッフが現れ、園内用のカートで馬術クラブへ向かう。走ること数分、獣臭い匂いを感じ始めた頃、馬の姿が見えてきた! カートを下りて馬場のすぐそばに建つ小屋へ入り、予約の確認をして用具を借りる。全員がボディ・プロテクターとゲートル、ヘルメットにグローブを身に付け、いざ出陣! 馬場の中へ入る。

本日我々の面倒を見てくれるのは、馬さん。馬術クラブの馬さん、心の中でこっそり「ミスター・ホースマン」と呼びつつ、挨拶を交わす。

「你們有没有騎過?」馬さんに乗馬経験の有無を尋ねられ、カッキーは「有」、オダッチは「没有」、そのほかは「一点」と返す。慣れた人向けの馬が充てがわれると、カッキーはひょいっと乗り、颯爽と馬場を走り始めた。残りの4人は初心者向けの馬を借りるが、先に馬さんから注意点の説明を受ける。馬上で頭と腰、カカトが地面と垂直になるように、あぶみには、足先3分の1程度を掛けること、手綱はピンと張り、馬の口にかませたハミから肘までが真っ直ぐになるよう持つこと、停まりたい時は手綱を引く、右左折はその側の手綱を引くが、決して力いっぱい引かないこと…などなど、我が身が心配な取材班は熱心に耳を傾ける。

ナメられてストップ

一人ずつ、馬さんのサポートを受けて馬上へ。自由に馬場を歩いてきて、と言われるも、取材班のうち2人が乗る馬は一向に動いてくれない。「ああ、それはすっかりナメられてますね」とカッキー。ええっ、そうなの? 一体どうすれば…「馬っていう生き物はですね、非常に聴覚が優れていて、人の心拍音まで聴こえると言われてるんです。ビクビクしてるとバレちゃうんですよ」。なるほど…なんて言われたって、どうにかなるかーい! 半ばヤケッパチで馬のお腹をどかんと蹴ってみても、ほんの2~3歩進むだけでぴたりと停止する。見かねた馬さんが「えーいっ」と声を上げピシャッとムチを鳴らすと、今度は急に駆け出した! といっても駆け足程度なので、またストップ。

いきなりの全力疾走

そうこうしているうち、順調な動きを見せるカッキーとオダッチから路上へ出ることに。慌てて残りの馬も後に続き、なんとか園内のトレッキングがスタートする。

馬場ではそれなりに安定していたオダッチの馬が、路上に出てからおかしな動きを見せ始めた。やたら道の脇を歩いて、「側溝に落ちそう~」とヒヤヒヤするオダッチ。また木の枝をひょいと避け、オダッチの顔面に直撃させたり、二股でみんなと違う方向に頭を向けたり、果ては林の中へ入りかけたりと意地悪三昧だ。みんなはそんなオダッチを笑いつつ、穏やかにトレッキングを楽しんでいる。…とその時、最後尾にいたオダッチの悲鳴が響き渡る。「ぎゃあ~カッキ~~~」。

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カッキーはケンタウロス

オダッチの馬、いきなりの全力疾走。馬さんがその行く手を遮るようにして「ユィ~」と声を掛け、馬をなだめる。情けないオダッチの姿に、カッキーを始め取材班は苦笑するばかりだが、本人はすっかり心神喪失状態。その後カッキーが「写真撮るよ~」、「桜キレイだよ~」といくら声を掛けても「そっち見る余裕ない…」と返すばかりに。

他方、カッキーは馬さんに「ちょっと走ってくるね」と告げたかと思うと、一気に飛び出した。自由自在に操るどころか、腰から下が馬にくっついてんじゃないか? と思われるほどの身のこなしに、馬さんも「あの子は何者だ…ありゃあ大したもんだ~」とあんぐりする。

 翌日の筋肉痛に備えて

1時間のトレッキングもあっという間、園内の湖をぐるっと回って馬場まで帰還する。馬に乗ったまま、林をバックに記念写真を撮ってもらって今日の体験が終了。

オダッチは「ヒザがわくわくする…」と呟きながらよろよろと馬を降り、疲れた笑みを浮かべている。完全に馬に遊ばれて終わったトレッキング、オダッチの心にはちょっとばかり深い傷が残ってしまったようだ。そんなオダッチにカッキーが「カウボーイになり損ねたね」と傷口に塩を塗る発言を浴びせるも、オダッチは反論する気力も残っていない様子。

カッキーの経歴を聞きに出てきた馬さん「そりゃあすごい、老師って呼ばないといけねえなあ」。照れながらカッキーもお礼を言い、今日はこれでお別れ。「みなさん、今夜は股関節付近の筋肉をよくほぐしてくださいね、さもないと…」翌日、取材班全員が筋肉痛に襲われ、動けなくなったのは言うまでもない。

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~上海ジャピオン2016年04月01日発行号

 

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