中華料理のカロリー HIGH &LOW

特集-P1-1

 

生煎(シェンジェン) : 炭水化物と油のダブルパンチ

特集-P1-2

フワフワの生地に包まれたジューシーな肉と、カリッとしたおこげ部分が食欲をそそる焼き小龍包(ショウロンポウ)、生煎。上海では朝ご飯に食べる人も少なくないが、実はコレ、かなり高いカロリー値を叩き出す、ダイエット中の人には要注意な食べ物。100㌘当たり295キロ㌍で、オーダーは一般的に500㌘単位、約6個からなので、1皿食べればあっと言う間に1500キロ㌍に到達してしまう。

高カロリーの原因は、分厚い生地の炭水化物と、焼く時に使う大量の油。極め付けは餡に入っている、脂身が多いブタ肉だ。

油や脂質が多い料理には、烏龍茶や普洱茶を組み合わせよう。脂質の吸収を緩やかにしてくれる。

 

涼皮(リャンピー) : 暑い夏にサッパリ、ツルン

特集-P1-3

プルンとした独特の弾力がある米粉の麺に、黒酢やキュウリ、ネギ、ピーナッツ、キクラゲなどをあえて食べる涼皮。元々は陝西省の名物だが、その名の通りサッパリ涼しげ、ツルンと食べられる料理で、暑い季節には朝晩、涼皮を売る屋台が登場し人気を集めている。値段も6元~とリーズナブル。

カロリーも値段も控えめ、さらに黒酢は食欲不振を改善するとされているので、まさに夏バテ時の救世主になってくれそう。ただし空腹時の黒酢は、胃が荒れる原因になるので注意しよう。またピーナッツは脂質が多いので、調子に乗って食べ過ぎると思いがけずカロリーが嵩んでしまう。

 

鱼香茄子(ユーシャンチエズ) : 野菜の油の吸収率に注目

特集-P2-1

中華料理屋に入れば必ず1皿はオーダーするであろう、野菜炒め。炒めもののカロリーは、食材が油を吸いやすいかどうかで高低が決まる。

鱼香茄子は日本で「マーボーナス」として知られ、中華料理では定番の1品。ナスはヘルシーかと思いきや、意外や意外、油をよく吸うので、かなりの高カロリーとなっている。

確かに鱼香茄子のナスを摘み上げると、ズシリと重い。ナスは素揚げをした場合、吸油率が約14%にも上るんだとか。そのほかキャベツやチンゲンサイなど水分を多く含む野菜も、炒める際、水分が蒸発する代わりに、油が浸み込んでしまう。油は1㌘当たり約9キロ㌍。野菜と一緒にどれだけの油を摂取するかに気を付けたい。

 

干鍋花菜(ガングオファーツァイ) : 栄養満点カリフラワー

特集-P2-2

さっくりとした歯ざわりが特長のカリフラワーの炒めもの、干鍋花菜のカロリーは、上記の魚香茄子の約半分。カリフラワーは食物繊維が豊富で油を吸いにくいうえに、ビタミンCや葉酸、カリウムなどの栄養素が豊富。貧血や便秘、身体のむくみが気になる女性にオススメの野菜だ。海外ではダイエットの際、白米やイモなど炭水化物の多い食物の代替としてカリフラワーを食べるのが流行っているそう。

干鍋花菜はカリフラワーをブタ肉やピーマンなどと一緒に炒めた後、食卓でも鍋の下に火を置き、アツアツの状態で提供される。ジュウジュウと油が跳ねている様子は一見脂っこそうだが、実は身体にうれしい料理なのだ。

 

紅焼肉(ホンシャオロウ) : 食べ方工夫でカロリーオフ

特集-P2-3

甘じょっぱくて濃厚なブタの角煮、紅焼肉は上海人が愛して止まない料理の1つ。その一方で〝太る〟料理としても有名だ。そのカロリー、なんと100㌘当たり478キロ。なかなかのインパクトだ。それでもおいしい紅焼肉、心行くまで食べたいところ。少しでもヘルシーにいただくために、まず着目したいのが肉のプルプルとした脂身部分。ここは脂質の塊なので、食べないに越したことはない。

次に着目したいのは食べ合わせ。紅焼肉には煮玉子が添えられていることが多いが、実は食べ合わせとしてはNG。煮玉子はタンパク質、脂質が多く、カロリーを上乗せしてしまう。ダイコンやタケノコなど食物繊維が多い野菜と一緒に食べるのがオススメだ。

 

蟹粉豆腐(シエフェンドウフ) : 魅惑の濃厚カニソース

特集-P2-4

ローカロリーフードの代表格である豆腐に、上海名物の上海蟹のソースを絡めた蟹粉豆腐。味付けが濃く、どうしてもカロリーが跳ね上がりがちな上海料理の中で、ヘルシーに食べられる稀少な一品だ。

ただしお店によって、ソースや味付けが変わってくるので、それによりカロリーも変動。上海蟹をたっぷりと使い、濃厚に仕上げたソースは魅力的だが、一方で上海蟹は身体を冷やす作用があるとされ、食べ過ぎると体調を崩す原因にも。1日1杯が目安で、食べる時はショウガや紹興酒など身体を温めるものを一緒に摂ることが推奨されている。同じく身体を冷やす黒酢に付けて食べる場合は、特に冷えに注意したい。

 

両面黄(リャンミェンホワァン) : パリパリ麺に潜むカロリー

特集-P3-1

麺を油でパリッと黄金色に揚げた、江蘇省名物、両面黄。日本でも「かた焼きそば」の名前で人気の中華メニューだ。本場江蘇省では調理方法が2種類あり、生麺をそのまま素揚げするものを硬両面黄、いったん茹でた麺を、水分を飛ばしてから揚げるものを軟両面黄と呼ぶ。

麺と油のコラボでカロリーが高いのは言うまでもないが、曲者なのが麺の上にかける「あんかけ」。片栗粉のとろみが、調味料や油を余すことなく絡め取り、本来なら調理過程や、小皿に取る時に落ちているはずの余計なカロリーまで口に運んでくる。とろみの味が濃すぎると思ったら、摂り過ぎないよう注意しよう。

しかし、海鮮や野菜がたっぷりで栄養満点なのが両面黄のいいところ。夏バテ予防にガツンと食したい。

 

桂林米粉(グイリンミーフェン) : さっぱり薄味のスープ

特集-P3-2

ツルッとしたのどごしがうれしい米粉。米の粉から作られ、うどんのように切り口が丸くて太く、ビーフンよりもボリュームがあるのが特長だ。

その米粉を茹で、レタスやパクチー、ピーナッツに、牛肉や魚のすり身を入れた料理が桂林米粉。その名の通り桂林省の名産だが、米粉は中国で紀元前に誕生した料理とされており、各地で様々な味付けや調理方法で食べられている。

米粉自体カロリー控えめの食べ物なのだが、やさしい味のスープもヘルシー。スープに食欲不振を改善するという陳皮や、胃を温める桂皮、小茴香などの漢方成分を煮詰めた調味料が入っているので、胃腸の調子を整えてくれる。

 

芝麻糖片(ジーマータンピェン) : ハイカロリーな組み合わせ

特集-P3-3

芝麻糖片は、水飴に黒ゴマを練り込んで薄く延ばし、細長く切った昔ながらの菓子。中国の観光地など、店先で作りたてが売られている。黒ゴマは貧血予防や便秘解消に役立つ食品として有名で、だからこの黒ゴマをたっぷり使った芝麻糖片も、身体にいいに違いない…とボリボリ食べると、後悔すること間違いなし。そのカロリー100㌘当たり503㌔。

芝麻糖片は薄くて食べやすく、また芳ばしいゴマの香りとプチプチとした食感が面白く、ついつい手が伸びてしまう。ところがゴマ自体の主成分が脂肪で、100㌘500㌔カロリーとハイカロリーなうえ、加えて砂糖と麦芽糖のダブルパンチ。あくまで息抜きのおやつとして楽しむのがベター。

 

杏仁豆腐(シンレンドウフ) : ヘルシー&のどスッキリ

特集-P3-4

独特の香りとほのかな甘さがクセになる杏仁豆腐。日本ではアンニンドウフと呼ぶのが一般的だが、中国語読みはシンレンドウフ。因みに余談だが、上海語でも日本と同じ、アンニンドウフ、と発音するそうだ。

このデザートは元々、咳止めや喘息によいとされる漢方で、アンズ類の種の中の仁を粉末である「杏仁霜」に、甘みをつけて食べやすくした料理。なるほど、低カロリーなのもうなずける。よって、ダイエットにいいと思うかもしれないが、杏仁には微量の毒性があるので、食べ過ぎは禁物。また最近では、この杏仁霜の替わりに、アーモンドエッセンスを使った杏仁豆腐も登場し、日本ではこちらの方がメジャーなのだとか。

 

~上海ジャピオン2016年05月20日号

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