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中国鉄道食事事情

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食事提供時間に食堂車へ

長時間乗車をするなら一度は体験してみたい〝食堂車での鉄メシ〟。車窓から景色を眺めながらの食事は、〝鉄道で旅している〟という気分に浸れます。食堂車は中国語で「餐車(can1 che1)」。中国の列車編成は18両前後と長いですが、食堂車は大抵、一等寝台席のある「軟臥車」の隣にあります。営業時間は朝7時~9時、昼11時~13時半、夜は18時~20時半で、時間外は乗務員の食事タイムになります。メニューは運行路線によって異なりますが、定番は中国全土で食べられている家庭料理であることが多く、「西紅柿鶏蛋(トマトと玉子の炒め物)」や「木須肉(ブタ肉とキクラゲの炒め物)」などがよく見られますね。

利用方法は、まず食堂車で空いている席に座り、メニューをもらって注文。肉系のおかずは30~40元前後かな。白飯は1碗2~5元で、列車によってはおかわりが自由なので、大食漢の僕としてはうれしいかぎり♪

日本で食堂車は絶滅寸前

日本ではめったにお目にかかれなくなった食堂車。JR東日本の寝台列車「カシオペア」に乗ろうとしたら約18~36万円で、まるでホテルのような内装の「ダイニングカー」で食べたらお値段もそれなり。しかし中国の列車ではまだまだ安くておいしい食堂車メシが健在なのです。時期は国慶節が終わってから新年明けまでと、春節連休のど真ん中が穴場かな。

ちなみに僕のオススメ食堂車は「成都局管轄の列車」。古い車両が多い地方では石炭を利用する「石炭コンロ」で調理するので、街の食堂と変わらない火力で調理できるんです。これが新型車両になると電気調理器具や電子レンジで加熱するだけになるので、味の面では劣るんですね。

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簡単・便利な鉄道アプリ

近年、中国のデリバリー市場は成長著しいものがありますが、その波がなんと鉄メシにまで及ぶとは驚き。乗車する列車の乗車駅や途中停車駅に配送された注文弁当が、車両に乗せられ、乗務員が座席まで届けてくれる時代がやってきたのです。こうなると、自分が通過するルート沿いのご当地グルメを、列車を降りずして味わえるということになります。いや、すごい時代になりましたね。

日本の駅弁と違うのは、料理が作りたての状態で届けられるということ。配送時間に合わせて調理に取り掛かるわけですね。食事は温かいものを温かいうちに食べる、という食文化を大切にする国なんだな、とつくづく思います。

「12306」を活用する

さて、鉄道アプリ「12306」を使っての予約注文ですが、まずは「12306」に自分のアカウントを作成しましょう。公的証明書が日本のパスポートであれば、氏名欄はローマ字表記で入力することを忘れずに。ケータイでの操作より、パソコンからウェブ版「12306」を開き、登録したほうが手続きがスムーズにできます。このアプリは列車時刻表や遅延情報にすばやくアクセスできるほか、列車乗車券の予約も可能という便利なものなので、乗車頻度が高い人にはオススメですよ。では実際に使ってみましょう。

予約注文から受け取りまで

まずはトップ画面にある黄緑色のアイコン「餐飲・特産」を選択(写真①)。次の画面で乗車日・列車番号を入力すると、〝乗車時間内に配送が可能な店舗〟が存在する駅の一覧が表示されます(写真②)。この画面では〝鉄道系列店で販売する弁当を受け取る〟か〝停車駅周辺にある提携店舗からデリバリーで受け取る〟の、2つの方法から選択できます。つまり、「西安」駅に停車する列車に乗車するならば、西安グルメが味わえるということですね。

デリバリーしてもらいたい店舗を選択し、メニューから商品を選択(写真③)。ご当地店は駅近の立地が多いですが、マクドナルドやケンタッキーをはじめ、永和大王など、中華系のファーストフード店も意外と充実しているので、メニュー選びは飽きませんね、食べたいものがいっぱい(写真④)。

注文を確定したら次の画面で氏名、車両番号、座席番号、携帯電話番号を入力し(写真⑤)、代金は「微信」や「支付宝」を利用したオンライン決済で支払い。これで注文予約が完了します。あとは座席に座って弁当の到着を待つだけですよ。

事前注文のメリットとは

乗車前に食事を購入する時間がない場合や、乗車時間ギリギリまで観光などに時間を割きたい時など、座席デリバリーには様々なニーズがあるはず。時間が有効に使えますよね。せっかくの列車旅だし、出来立ての熱々を届けてくれるので、途中の停車駅からご当地メニューを選択してみてはいかがでしょうか。グルメツアーの一歩先を行く〝乗り鉄と食べ鉄の一挙両得〟ですよ。さらに、会社や自宅で頼む時と同じように、料理によってトウガラシ抜きや濃いめ、薄めなど味の好みまで選択できちゃう。じっくりと下準備ができるところ、事前予約アプリの便利なところかなと。もちろん弁当だけではなく、ほかにも地域の特産品などを取り扱う店舗が見つかれば、様々なものを届けてもらうことができますよ。

なお、デリバリーの予約は乗車時刻の1時間前まで受け付けているので、その日の気分で選んでください。

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車内販売メニューは充実

列車が出発するとやがて通路に現れるのが、車内販売の乗務員。カートに軽食やフルーツを乗せ、「奶茶(大抵は甘いミルクティー)、饼干(クッキー)、鸡肉(鶏モモ肉の照り焼き)はいかかですか?」と売りに来ます。この最後の鶏の照り焼きが何とも気になりますよね。真空パックで販売されているのかと思いきや、実は出来立て熱々のふっくらジューシーな鶏モモ肉が出て来ることが多いんです。ほかにも蒸したトウモロコシやマントウなど、出来立て料理が充実。遭遇したらぜひ食べてみてくださいね。

また、その場で気軽に食べられる食事といえばカップラーメン。中国人は茶や白湯を飲む習慣がありますから、各車両には必ずといっていいほど〝熱湯給湯器〟が設置されています。乗車前にカップ焼きそばを購入される方、お湯は洗面所に捨てても大丈夫ですよ。

弁当は食堂車でも購入可

食堂車まで移動すると、列車によっては売店があり、カウンターで飲み物やおやつ、弁当などを購入することができます。軽食は10~30元、簡単な丼ものは35~45元、肉や海鮮などのおかずが数種類入った弁当は、60~100元で販売。ここにも地域の特色が大きく反映され、路線によって様々な中華料理を味わえます。

乗車回数を重ねるたびに、新たな魅力が見えてくる中国鉄道。食事に関しては、場合によってはアプリ「12306」で10元前後の配送料が掛かったり、車内販売がコンビニの価格より高かったりと、多少の割高感が否めません。ただ、そこに付加価値を見出すには、やはり長距離列車の旅を心から楽しむことに尽きるのではないでしょうか。

 

~上海ジャピオン2018年9月21日発行号

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