上海ジャピオンの特集 記事

中国おめでた日記

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出産はどの病院でする?公立と私立病院の違い

妊娠が発覚したらまず悩むのが、定期検診や出産をする病院選び。そもそも、上海での検診・出産ってどのくらいの費用が掛かるの? 上海市内の病院を例に見てみよう。

まず市の病院は、公立病院と私立病院に分かれる。市民の多くは、費用の面などから公立病院を選択。産婦人科では楊浦・黄浦区にある「復旦大学附属婦産医院(上海紅房子医院)」や長寧区の「上海交通大学医学院附属同仁医院」、静安・浦東新区にある「上海市第一婦嬰保健院」などが有名だ。こういった病院は一般診察のほか、診察料にプラス200元ほどで検査の待ち時間を大幅に短縮できる「VIP診察」などのサービスも用意。公立病院は規模が大きく、設備が整っているところを選ぶのがベターだ。日系の私立病院でオススメを聞いてみるのもいいだろう。

一方、私立病院は日本語が通じたり、待ち時間がなかったり、夫や家族同伴で診察が受けられたりと丁寧なサービスを受けられるのが利点だが、値段もその分高め。妊娠に関する検査は海外保険の適応外であることが多いため、日本人の場合、公立・私立どちらの病院でも自己負担で診察を受けることになる。

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検診・出産に掛かる費用は 上海では帝王切開が多い?

さて、本題の検診・出産費用の話に移ろう。「復旦大学附属婦産医院」の場合、初診で3000元、その後の検診で1回当たり30~600元。出産は、自然分娩の場合5000~7000元、帝王切開の場合8000~9000元ほどだと言う。入院費は4人部屋で1日45元、個室が1000元、家族同伴個室が2000元、VIPルームが3800元。ざっと計算すると、検診~出産で合計1万2000~2万元掛かることになる。日本では40~50万円と言われているので、それと比べると比較的安めだ。なお海外での出産に、日本の手当金「出産育児一時金」が適応されるかどうかは、加入している公的医療保険や地方公共団体によって判断が分かれるので、一度役所に問い合わせを。

もう一つ気になるのが、〝中国は帝王切開が多い〟という事実だ。国家衛生健康委員会が2016年に発表した報告によると、15年に中国で出産した女性で、帝王切開だったのは全体の34・3%。都市部ではさらに高く、上海市では妊婦の実に50%が帝王切開を選んでいる。こうなると「自然分娩にしたいけど、病院で帝王切開を勧められるのでは」と心配する人もいるかもしれないが、ご安心を。近年では第2子を望む女性も増えたこともあり、市では自然分娩や母乳育児を推進しているんだとか。

では次のページから、実際に中国で出産するまでのステップや手続きを見ていこう。

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朝8時から検診を開始

妊婦検診は個別に診察時間を指定され、最も早くて平日朝8時から開始。受付は7時半~なので、検診の日は早起きして病院に赴く。

最初に受付で診察料の支払いを済ませ、病院が保管しているカルテを取りに行く。その後、各検査室で整理券を受け取り、検査を受けるために並ぶのだが…大きな病院だととにかく人が多く、100人待ちなんてことも珍しくない。また広い院内を、各検査を受けるために歩き回らなければならず、つわりに悩んでいたり、お腹が大きかったりする妊婦は一苦労。それぞれの検査室で整理券を受け取り、順番を待つ必要があるので、検診に慣れた妊婦は最初に複数箇所の整理券を確保し要領よく検査を受けている。

淡々と進む検査にビックリ

各検査室では、検査技師が淡々と検査を実施。異常がある場合もない場合も、その場で妊婦に知らせることはなく、最後の問診でその日の結果をまとめて知らされる。非常にシステマチックな対応なので「赤ちゃん元気ですよ~」などの心温まる交流を期待していくと、ガッカリするかも。

すべての検査が終わり、結果を受け取ったら、最後に医師の問診を受ける。ここで検査に問題があればその説明を受けるほか、体調や体重、胎動についての質問がされる。何でも丁寧に答えてくれるので、不安なことはここで相談しよう。また血液検査などの結果から栄養が足りていないと判断された場合、サプリメントが処方されることも。その後、次の検診についての説明と日時を指定されて終了だ。

最後に次回検診料を支払い、カルテを返却して帰宅する。料金の支払いは院内に多数設置されているオンライン決済機器で済ませることができ便利。毎回の検査は約3~5時間。これを妊娠8カ月までは月に1度、8~9カ月までは月に2度、9カ月以降は週に1度行うことになる。

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初診までの道のりは長く

めでたく妊娠が判明! 早速病院へ検診に…と行きたいところだが、子が上海の戸籍を取得する場合、病院に掛かる前に色々な手続きが必要だ。

まず上海市では、検診を受ける前に、子どもを生む〝許可証〟である「計劃生育服務証(准生証)」の発行が必要になる。これは中国の人口政策に関連したもので、この証明証がないと子どもの戸籍取得が難しくなってくる。この書類の有効期限は1年間。結婚手続きをする際に、併せて発行してもらう夫婦も多いようだ。ただしほかの都市ではすでに発行を停止している場合が多数。

次に「計劃生育服務証(准生証)」を持って、妻(夫)の住所があるエリアの衛生服務中心へ。ここで血液検査、尿検査などの基本的な身体検査を経た後、中国版母子手帳である「上海市孕産婦健康手冊」をもらう。また同時にアプリ「孕期伴侶」の登録を勧められることも。このアプリでは妊婦の食事・体重管理や胎児の胎動チェックなど、出産までの生活をアシストしてくれる機能が盛りだくさんだ。

2つの病院がサポート

さて「上海市孕産婦健康手冊」をもらったら、いよいよ検査機械や入院設備が整った病院で初診を受け、カルテを作ってもらう。その後はこのカルテをもとに、出産までの検診を進めていく。

以後、妊婦は出産予定の病院と、衛生服務中心の2つの病院のサポートを受けることになる。検診や大きなトラブルは出産予定の病院が対応するが、妊婦のマイナートラブルの相談や、定期的な投薬治療などのきめ細やかなケアは衛生服務中心が担当。また出産方法や乳児の育児について学ぶ母親学級もそれぞれの病院が開催しており、どちらに参加してもOKだ。

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子どもの性別はヒミツ

中国と日本の検診で一番大きな違いと言えば〝子の性別を教えてもらえない〟ことだろう。これは、中国の法律で胎児の性別鑑定が禁じられているから。よって、超音波検査時のエコー画像や写真も見せてもらえず、検査結果は胎児や胎盤の大きさ、状態などが羅列された紙1枚で渡されるのみ。子の成長を自分の目で確かめられないのは、少し寂しい…。ただし外国人だから、ちょっぴりヒントをもらいました、なんて言う日本人ママもいるので、どうしても知りたい人は先輩ママにコツを聞いてみるといいかも。

また日本では任意の検査であり、希望して初めて受けられる出生前検査が、検診項目に組み込まれていることも驚きだ。すべての病院で実施されているのかは定かではないが、中国では出生前検査を受診するのが普通のよう。法律で産める人数が制限されていることが、背景にあるのだろうか。

家族が妊婦をサポート

さて、大きな病院はいつも人でごった返しているが、それは妊婦に付き添う人が多いから。夫はもちろん妊婦の母や親戚が付き添いで来院し、荷物持ちや順番待ちをサポートする。ところが、ほとんどの公立病院では検査室に同伴者が入室することを禁じており、肝心の検査や問診は妊婦1人で臨まなければならない。なお出産時の家族の立ち会いは、オプションで助産師にヘルプをお願いすれば可能。入院時は部屋のタイプにより付き添える人数が決まっているので、事前に調べておこう。

こうして日本とは少し異なる、中国の妊婦検診は約半年間続く。やがて出産予定日が近い妊婦と顔見知りになるなど、大変なことも多いが楽しいこともある検診。外国だからと心配しすぎず、中国ならではのマタニティライフを楽しもう。

~上海ジャピオン2018年11月30日発行号

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