上海ジャピオンの特集 記事

この中国アニメがすごい!

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古代思想が絡んだ深いテーマ

2004年、自主制作の短編アニメ動画を基に、長編アニメーションに初挑戦した2人の若者。資金難などの危機も訪れたが、クラウドファンディングの成功と製作陣の「人々の心を打つアニメ映画を作りたい!」という情熱のもと、ついに12年後の2016年、『大魚海棠』の劇場公開へと漕ぎつけた。

中国古代の思想家・荘子の「北冥に魚あり、其の名を鯤(クン)と為す」。をストーリーのベースに据え、各種古書や神話・伝説の要素も融合された中華テイスト満載の作品だ。土楼風建築、提灯、中華服、麻雀…。中国の伝統文化、歴史、そして仏教的輪廻転生の思想。舞台設定と中国特有の民族文化が絶妙に絡まり、ミステリアスかつ魅力的な映像美を見せた。灯りの色彩、風景の荘厳さ、そして冒頭の海と魚のなめらかさは、息を呑む美しさだ。

目を奪われる映像と色彩美

海の下に広がるもう一つの世界。そこに住む少女椿(チュン)は、16歳で成人儀式を迎え、イルカに姿を変え人間の世界へと赴く。そこで出会った人間の少年は、椿を救う代わりに、自らの命を落としてしまう。その後、危険を顧みず何とか少年を生き返らせようと決意する椿だが、それは神の禁忌を犯すことだった。椿の幼馴染の湫(チウ)の想いも絡まり、事態は思わぬ方向へと進んでいく…。

原題である大魚海棠の「大魚」は少年と自由を象徴し、「海棠」は少女と想いを象徴しているそう。全体を通して人間の心が持つ〝強さと柔らかさ〟という二面性を表したものとなっている。

音楽部門では日本人の吉田潔が参加。物語の持つ悲哀と切なさを豊かに表現し、幻想的なファンタジーに深みを与えた。

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青春オムニバスの傑作

『君の名は。』など新海誠作品をはじめとした、鮮麗な映像美と心震わせる作品作りで知られるコミックス・ウェーブ・フィルムに、中国のアニメ業界をリードするハオライナーズが熱いラブコールを送り続け、実現した日中合作作品。中国各都市を舞台に、次世代の監督たちが自らの生まれ育った故郷への想いと重ね合わせ描くのは、日常の何気ない思い出だ。

失われていくものへの郷愁

3人の監督による短編を繋ぎ合わせた本作品。第一話はアニメ初挑戦の実写映画監督易小星が、出身地の湖南名物・三鮮米粉の懐かしい味に、温かな郷愁を寄せて制作した『陽だまりの朝食』。おいしそうなアツアツ米粉の描写は、ネット上で〝飯テロ〟アニメと称す声が多々上がっているほど。

続く第二話は長年に渡りCGチーフとして新海作品を支え続けてきた竹内良貴が挑む、広州市を舞台に支えあう姉妹の姿を描いた『小さなファッションショー』。光と影、挫折と再生をやさしいタッチで描いた。

第三話目は、李豪凌が自らの故郷・上海市の石庫門を舞台に、少年少女のすれ違う淡い初恋を瑞々しく描いた『上海恋』。『秒速5センチメートル』へのオマージュ作品となっており、随所に新海テイストを感じさせ、美しさと切なさが垣間見える。まとまりよく清々しいラストを飾った。

急速な経済発展を遂げ、移ろいゆく実際の街並みや日々の様子を丁寧に描き込むことで、過去や故郷、大切な人へのセンチメンタルな感傷にグッとフォーカス。それぞれの地域の方言をふんだんに盛り込んだことで地に足のついた物語となった。さぁ、アナタはどの監督の感性を気に入るだろうか?

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新生・孫悟空が大暴れ

孫悟空のイメージと存在感はそのまま残しつつ、全く新しいストーリーで天下の荒くれ者が真のヒーローへと成長する姿を圧巻のCG技術で描写。空前の大ヒットを巻き起こしたアニメ作品『大聖帰来』。中国国内にて9憶5000万元(約162億円)の興行収入を叩き出し、中国アニメ映画の歴史を塗り替えたほか、カンヌ国際映画祭でも過去最高の販売額を記録した。

また東京アニメワードフェスティバル2016では長編アニメーション優秀賞を獲得、宮崎吾朗が日本語訳を監修し話題に。ほかソニー・インタラクティブエンタテインメントは同作を原作とするプレイステーション4のアクションゲームを来年内に発売すると発表し、未だ留まることの知らぬ快進撃を続けている。

 「成長」がテーマのアクション

ストーリーの舞台は唐時代の中国。孫悟空(斉天大聖)が釈迦によって五行山の洞窟に封じ込められて500年。長安には妖怪が現れ、子ども達を拐う事件が頻発していた。師匠様のもとで修業する少年・リュウアーは赤ん坊を助けようとする中で孫悟空と運命の出会いを果たし…。

手に汗握るド迫力アクションの連続で、スピード感溢れる戦闘シーンには度肝を抜かれる。リュウアーが孫悟空へ向ける一途な尊敬の眼差しが、とてつもなくかわいい! また、孫悟空も自分と正義を信じてくれる少年のため、敵わぬと知っている相手に立ち向かう勇気と男気を見せ、魅力的だ。ユーモアが効いた場面も多々あり、大人も子どもも楽しめる極上エンターテイメントに仕上がっている。

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~上海ジャピオン2019年1月4日発行号

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