ぶらり休日♪プチ旅プラン

レスリー主演映画のロケ地

来海してしばらく経つのに、国内旅行を全然していないという人は多いはず。これから春にかけて、水面に映る景色が幻想的な水郷を巡る旅をしてみては? これから紹介する各スポットは、映画のロケ地や名曲誕生の地にもなっており、美しい景観で知られる。

まずは、運河が張り巡らされた水の都、江蘇省蘇州市の「同里」へ。ここは、今は亡き中国香港の名優、レスリー・チャン(張国栄)主演の映画『花の影』(1996年公開)のロケ地でもある。20年代の上海と蘇州を舞台に、男女の破滅的な愛を描いた作品で、ジゴロ役をレスリー・チャンが、良家の子女役をコン・リー(鞏俐)が熱演。世界遺産にも指定されている古典庭園「退思園」は、ロケ地の一つだ。当時の面影が残る同里は、古い街並みに流るる水路を挟み、茶屋が並ぶ。そこはかとなくノスタルジックな雰囲気が漂い、旅情をそそるのだ。

水の蘇州の花散る春を満喫

李香蘭が歌う『蘇州夜曲』が現代まで歌い継がれるように、水辺は慕情を感じるところである。しかし、こうして感傷に浸りながら明清街を散策していると、名物料理である「状元蹄」のおいしそうな香りがしてくる。状元蹄とは、1~1・3㌔ほどの骨付き豚足を、鉄製の鍋を用い、クローブなど18種類の生薬とともに甘辛く醤油で煮込んだもの。真空パックで持ち帰ることも可能で、最近は観光客にも受け入れられるように、甘みが軽く、塩気が勝る味付けに変化してきていると言う。甘みの強い「紅焼肉」より、比較的抵抗なく食べられるだろう。

生きている千年古鎮「西塘

西塘は上海と杭州の中ほどに位置する、江南地方の典型的な水郷だ。〝生きる千年古鎮〟の別称を持ち、元の時代から川沿いに沿って現在のような街があったと言われている。明朝や清朝の時代には、江南の商業中心地として発展。大小8本の川が走り、古くから船による水上路が発達して栄えてきた。周辺には高いビルも少なく、水辺特有の静けさに包まれ、石造りの長屋が独特の雰囲気を醸し出している。

また見所の一つとして、西街を入って環秀橋を渡り、道が交差するところに石畳が続く細い通路「石皮弄」がある。幅1㍍弱の路地は、人とすれ違うのも困難だ。2006年公開のスパイアクション映画『ミッション:インポッシブルⅢ』では、諜報組織のエージェント・イーサンを演じるトム・クルーズが、まさにこの路地を駆け抜けるシーンがある。

情緒ある雨除けの瓦葺屋根

そのほか「煙雨長廊」と呼ばれる瓦葺きのアーケードがあり、雨の日も濡れずに観光できる。この地方は雨が多く、客が濡れないようにと自分の店に屋根を付けた人がいて、この店を皮切りに全長1㌔以上に渡ってひさしが付けられることとなった。なお「煙雨」とは霧雨のことを指す。

街路のベンチに座って川を眺めると、古びた家屋に雨に濡れた柳の緑が映え、大変風情がある。界隈には「過街楼」と呼ばれる、建物の2階部分を繋ぐ渡り廊下や、橋を利用した部屋が多く見られ、その複雑さはさながら要塞に迷い込んだかのようにも感じた。

広大な敷地を有する水郷

「烏鎮」という地名は、唐代の烏賛将軍を記念して付けられたと言う。数年前より観光地としてかなり整備された感じは受けるが、中国各地や日本から観光に来た人をアテンドする時に、江南一オススメの水郷と言っても過言ではない。特に夕暮れから夜にかけては、まるで鏡のように水面に映る景色が美しい。

観光エリアは西柵と東柵に分かれており、西柵の方が広く、水郷のほかにもホテル、民宿や博物館などが点在していて、すべてを回るに丸一日は必要だ。東柵の方はこぢんまりとした水郷で、観光シーズンで人が多いと歩きにくいこともある。また西柵と東柵は約1・5㌔ほど離れた場所にあるので、西柵だけの観光でも十分だろう。川沿いに浮かぶ水上楼閣を眺めながら、数々の橋をくぐる優雅な流し船(60元/人)にも乗船してみて。

ノスタルジー溢れる景色

鎮内では全長約1・2㌔にも及ぶ中国最大級の小さな水路が、まるで迷路のように細かく分かれながら入り組んでいる。リゾート化された同エリアは外国人にも人気。ここもまたロケ地として様々な作品に登場している。2002年公開の映画『北京ヴァイオリン』では、主人公の男の子の故郷という設定であった。父子の絆をつづったヒューマンドラマで、郷愁を感じる烏鎮の景観にピッタリと溶け込んだ。特産品である飴「麦芽糖」は、ほんのり甘く、子どもの頃に食べたようなやさしい味がする。

生活感溢れるレトロな街

どことなく日本の昭和を感じさせるレトロな新場古鎮は、市中心からのアクセスが便利な浦東新区に位置する。かつては製塩所として栄えた明から清代の建物が現存しており、往時の面影を色濃く残したまま、今でも人々が暮らしている。ほかの古鎮と比べて観光地化されていないので、住民の生活感がダイレクトに感じられるのだ。古鎮の規模は大きくないが、重厚感溢れる瓦屋根や水路にかかる石造橋は見応えがある。

また、2007年公開の官能サスペンス映画『ラスト、コーション』のロケ地となったのが、古鎮入り口近くの店舗だ。物語終盤でタン・ウェイ(湯唯)演じる女スパイが、敵の特務機関員であるトニー・レオン(梁朝偉)に宝石を手渡されるシーンで、記憶に残る人もいるだろう。中国香港や上海を舞台にした同作は、激しいラブシーンが公開当時話題となった。

人々を魅了する水郷古鎮

新場は自然的な要素に富み、景観を保持している地域に与えられる「風致地区」に指定されている。都市部において歴史的価値がある街並みを享受できる場所だ。

数々の映画のロケ地に選ばれ、芸術的なシーンや名曲が生み出された古鎮。その背景には、現在まで大切にされてきた水辺との共存があることを忘れてはならない。ここで生み出された作品には、人々が惹かれた水郷の魅力が見事に表現されている。ふと思い立って覗いた場所からも、美しい情景が見えてくるはずだ。

~上海ジャピオン2019年3月1日発行号

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