中国株投資はじめの一歩

中国A株とは何ぞや?

さてさて、まずはA株とは何か? という説明をいたしましょう。A株は正式には「人民元普通株」と呼びまして、人民元建てで取引されている株式です。上海証券取引所と、深セン証券取引所に上場しております。もうひとつB株がありますが、こちらは外資建て株式。今まで私たち外国人はB株しか取引できなかったのですが、昨年9月から、A株も売買ができるようになり、扱える銘柄がグーンと増えました。大雑把に言うと、中国人と同じ感覚・フィールドで、中国の株式取引ができるようになったというワケです。

次に株の売買手数料ですが、購入・売却の際にそれぞれ発生する手数料は上記の通り。取引手数料(中国語:交易傭金)は証券会社によって異なるので、口座開設前に調べてみるとよいでしょう。大体の会社は取引額の0・3%で、安さを謳っている会社は0・25%に設定していることが多いです。

株式優待は日本より手薄

株の売買は平日の午前・午後に行われ、中国の証券取引所では、約定日の翌日が決済日となる「T+1」方式を取っております。超簡単に言うと、今日買った株は明日以降にしか売れないということ。株の購入単位は100株~ですが、安い銘柄ですと1株5元ほどなので、500元あれば購入できます。

ところで日本ですと、投資目的ではなく、株主優待を受けるために株を購入する人も多いですよね。中国の株主優待を調べてみましたが、残念ながら日本ほど充実しておりません。最近はオンラインショップ「蘇寧易購」が、100元購入で10元オフ券を配るなどしているようですが、うーん、あんまりパッとしないですねぇ。

とは言え、色んなチャンスが転がっている中国株式市場。次のページで、証券口座の作り方を説明しましょう。

必要書類を揃えよう

ではいよいよ、証券口座の開設を。今回、私つなガリ勉は、中国大手企業「中国平安保険」傘下の「平安証券」に口座を作ってみようと思います。

口座開設に必要なのは、上記の6点。③~⑤は勤めている会社で用意できますが、少し手間なのが⑤の納税証明書です。外国人は、税を納めている区の税務局に赴き、書類を発行してもらう必要があります。本人がパスポートを持って行くか、代理人がパスポートのコピーと委任状を持って行き手続きしてください。すぐ発行してもらえます。

また同時に、一度証券会社へ訪問しておくのがオススメ。必要書類が間違っていないかなどを、事前に確認しておくと安心です。私も一度、常熟路にある「平安証券」上海本部へ足を運び、担当の方と連絡先を交換しました。

口座開設に2時間半

そして口座開設当日。窓口で書類を渡し、手続きスタートです。途中、投資に関するアンケートや、リスク許容調査表を記入します。私の場合、月収や婚姻状況はもちろん、趣味や通勤手段まで聞かれましたが、はたして投資に必要な情報だったのでしょうか…? リスク調査は、中レベルの穏健型と判断されました。

さらに、間違いなく本人が口座開設に来たという記録を残すため、顔写真を撮影。最後に、本社がテレビ電話にて、本人確認とパスポートの照合をした後、審査が下りれば、終了となります。

私の場合、パスポートがよく見えなかった、記入した情報が間違っているなど、本部の審査に二度も引っ掛かり…。朝9時半から始めて、終わったのはなんと12時。いやはや、大変。中国人ですと、スマホからポンと手続きできるというのに…。とにもかくにも、晴れて投資への道は開けました。あとは平安証券のアプリをダウンロードし、口座番号でログインすれば、私も投資家デビューです。

シミュレーションで練習

実際に株を買う前に、シミュレーションで売買に慣れてみましょう。オンライン決済システム「支付宝(アリペイ)」では、株のシミュレーション「模擬炒股」を使うことができます。

ここで用意されている架空の資金は50万元。結構な金額ですね。この疑似マネーを使って、好きな株を売買します。私はそうですね…とりあえず、自分の好きな食品会社「来伊份」の株を買ってみました。

「来伊份」の株価は現在、11・74元。このままの価格で買い注文を出すこともできますし、値段を指定して注文もできます。下の「五档盤口」には、株購入・売買でそれぞれ多い注文価格と注文数が表示されているので、参考にしてください。

このシミュレーションでは株の値動きを追えるのはもちろん、会社の基本情報や動向、関連ニュースまで確認することができます。ここでじっくり研究し、いい成果が出せるようになると自信が付きますね。

結果を出せばご褒美も

また、このシミュレーションで収益を上げると「紅包」がもらえちゃいます。1日の収益が資金の2%を超えるか、3日連続で収益を上げるのが条件。私は3日連続黒字を出し、紅包をゲットしました。ほんの少しの金額でしたが、ご褒美があるとうれしいものです(笑)。

一週間、「来伊份」のほかにも様々な株を買ったり、売ったりしてみて、基本的な注文の仕方や、数字の見方などが理解できました。支付宝ではもっと詳しく株を研究したい人のために、専門家による講座や、経済ニュースなどをまとめております。次のページに少し紹介していますので、チェックしてください。ほか、会員ポイントを使ってよい株の組み合わせを見つけたり、自分に合った銘柄を探したりできるようですが、う~ん、自分にはまだまだ使えこなせそうにはありません。コツコツ精進してまいります!

~上海ジャピオン2019年3月29日発行号

最新号のデジタル版はこちらから




PAGE TOP