秋の日帰りハイキング

市郊外に構える巨大公園

市内中心部にも大小様々な公園が点在するが、郊外に一歩足をのばしてみると、その倍以上の面積を誇る〝郊野公園〟がある。これは、英語で「country park」と言い、都市開発の一環として住民が文化やスポーツを楽しめるよう各種施設を整備したエリアを指す。

11号線「嘉定西」駅からタクシーやバスで10分ほどの場所に構える「嘉北郊野公園」。敷地面積は14平方㌔メートルで、これは東京ドーム3個分、浦東新区の「世紀公園」(約8000平方㍍)と比べるとなんと1750倍!! もはや公園ではなく、一つの村と呼ぶべきか迷ってしまうほどの広さだ。

テントを持参する家族も

入場は無料だが、同園の微信公式アカウントに登録する必要があるので気を付けて。そのほか園内周遊車やミニボートに乗る有料プランもあり、1人20~50元ほどで、6人以上であれば食材付き「バーベキュー3時間」(200元/人)のプランも用意。

入ってすぐ目に飛び込むのが、一面に広がる花畑! 取材をした11月頭時点では、バーベナの一種「柳葉馬鞭草(和名:ヤナギハナガサ)」やキクの一種「百日菊(和名:ヒャクニチソウ)」が咲き誇っており、カラフルな花畑を背景に〝自撮り〟に励む女性たちが数多く見受けられた。

さらに奥に進むと、雑木林と芝生が広がるスペースが見えるのだが、この雑木林はハンモックを設置するのにピッタリ! 持参したハンモックをセッティングすれば、子どもがはしゃぐこと間違いなし。芝生にはテントを組み立てて、お母さんはテントの中でゆっくり休み、お父さんと子どもはフリスビーやバドミントン、サッカーなどのアクティビティを楽しむ姿もあった。

3㍍級の巨大わらアート

公園の奥には、見渡す限りの田んぼが広がり、ちょうど秋の収穫時期で、イネがグーンと背を伸ばしている。夕暮れ時ともなれば、夕焼けの空にイネの黄色が映え、田舎のキレイな景色にうっとりしてしまう。またコメの収穫後、残った稲わらを使ったミニアートを展示。高さ3㍍はある恐竜やキングコングをはじめ、等身大の農民人形、十二支の動物など、大小十数点があるので、好きなポーズを取って写真撮影をエンジョイしよう。

また団体向けに、レクリエーションやサバイバルゲームを行うスペースも設置。小中学生のスポーツクラブや、仲のいい友だち同士で、はしゃぎ倒したり、大人も缶蹴りやケイドロなどの昔ながらの遊びに興じたりするのも◎。

1日中遊べるスペース多数

ほかカップルにオススメのブランコや、運動好き向けにサッカーボールを用意するなど、朝から夕方まで遊び尽くせるエリアが目白押し。園内には、整備されたトイレや小規模な売店も設置されているため、一日中楽しめるスポットだ。

取材時は、休日の14時前に同園に着いて周ったが、園内が広大すぎるため、午後の3時間では園内を回るのには足らず、所要時間は丸一日を見た方がいいだろう。移動手段に有料の自転車や遊覧車両もあり、そういった足を利用して、効率的に園内全エリアを周ってピクニックをしてみよう。

ただし、帰り道はちゃんと地図で確認しておかないと、道に迷ってしまうこともあるので注意して。

100㍍と登りやすい山

佘山の少し奥にある「天馬山」は海抜99・8㍍と、佘山(100・4㍍)とほぼ同じで、気軽に登れる高さだ。入山料は1人10元だが、使えるのは現金のみなので気を付けて。また周辺にはコンビニや小売店がなく、飲食物は持参か、最寄駅の9号線「洞径」駅前などで購入しておこう。

高さ100㍍の小山のため、シャツとスニーカーなど歩きやすいスタイルでOK。山道には基本的に石の階段が整備され、ところどころに手すりもあり、登りやすい。が、普段ほとんど運動しない人にとっては、足腰に結構こたえるかも…。

洞窟で子どもがワクワク

ゆっくり登りながらふと空を見上げると、赤色や黄色、茶色に染まり始めた葉から漏れる日の光がまぶしい! 上海では11月末~12月頭に掛け、本格的に紅葉シーズンを迎え、心が和む季節だ。

前に進んでいくと、なんと洞窟を発見。入口は、成人男性がかがんで入れる高さで、中は当然真っ暗。スマホの明かりを頼りに奥に進んでこう。洞窟内の距離は20~30㍍と短いが、子どもは大はしゃぎするはず。洞窟を抜け、もう少し上に進んでいくと、山頂に到着。石のイスに座り、軽食や食事を楽しもう。西南門の入山門に向って下っていくと、斜塔が目に入る。辺りには枯葉が所狭しと散らばっており、静かな時間が流れる。歩くペースにもよるが、90~120分あれば十分回れる。数千㍍級の山登りはちょっと…という小さな子連れ家族にピッタリだ。

昨年オープンの遺跡公園

最後に、昨年オープンした遺跡公園「広富林遺址」をご紹介。この墳墓は、1959年に現地農民によって発見。今から4500~5300年前に、太湖流域や銭塘江流域で栄えた「良渚文化」式の墓や井戸などの遺跡が300カ所出土されており、現時点で長三角エリア最大規模の文化遺跡だという。同スポットはこの文化施設や田んぼなど、約15平方㌔メートルの広さを誇る。ほか、すぐ隣には「広富林郊野公園」(入場無料)も構えている。

遺跡施設は、南門から入って右手側にあり、丸い屋根が目印の建物から地下に進んでいく。当初の遺跡発掘の様子が人形とともに再現され、心なしかおごそかな雰囲気が漂い、ひんやりとしている。奥に進むにつれ現代にさかのぼる形となっているのだが、展示内容を見ていると、大都会・上海が数百年前までは、ただの農村・漁村でしかなかったことに改めて驚かされる。遺跡エリアは、30分程度でタイムトラベルを終える。

ハイキングスポットが多数

敷地内にはほかにも、古き良き中国文化を再現した建物や橋などが多くあり、漢服に身を包んだ若者が写真撮影に励み、見た目に楽しい場所が多い。無料の観覧車両も走っているため、子どもが歩き疲れた時に利用しよう。

松江区には「広富林遺址」や「天馬山」、「佘山」など、ハイキング・ピクニックにピッタリのスポットが多数。今週末の予定は、これで決まりだ。

~上海ジャピオン2019年11月22日発行号

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