漢服の世界

流行中の伝統服・漢服

歩くと裾やスカートがふんわりと揺れる、古風でおしとやかな雰囲気が魅力の「漢服」。最近は、これを着て花見や街歩きを楽しむ中国人が増えており、今年は建国70周年ということもあって、愛国心をくすぐるこの伝統衣装が流行した。

漢民族の民族服で、日本の和服や韓国の韓服にも大きな影響を与えた漢服。4000年の長きに渡って着用されてきた伝統ある衣装だが、現在は簡単に着用できる、可愛らしいデザインが続々と登場。中にはチャイナドレス風やワンピース型にアレンジされたものもあり、どんどんオシャレに進化している。

タイプは25種類以上

女性の漢服は、上下で服が分かれた「上衣下裳」が最も歴史ある衣装とされている。さらに細かく見ると、襟は日本の着物のような合わせ襟と、交差せず真っすぐ下りる襟、スカートは腰までのものと、胸までのハイウエストなものに分類。どれを選ぶかによって微妙に印象が異なるが、ふんわりとしたシルエットが体型をカバーしてくれるのがうれしい(笑)。ほかに、衣服が上下で分かれず、着物のように腰の部分で帯を結ぶ「深衣」、その派生で、スカート部分がらせん状に切り替わる「曲裙」などがある。さらに袖やスカートの形まで含めると、女性の漢服は全部で25種類以上にも。どれも年齢問わず着られるので、好みのものを選ぶといいだろう。

一方男性の漢服は「深衣」タイプのものがほとんど。こちらも、ゆったりとしたシルエットが特徴だ。袖がたっぷりしたものを選ぶと優雅で、細いものを選ぶと爽やかな印象に。

それでは早速、次のページから漢服着付け体験の様子を紹介しよう。

1日98元でレンタルOK

かわいい漢服を着てみた~いと、集まった日本人美女4人がやって来たのは、漢服レンタル・販売店「臻翠(ジェンツゥイ)漢服」。ほかの漢服レンタル店が1日レンタルで150~250元ほどするなか、ここは98元と破格の値段だったことから、編集班が目を付けた一店だ。

予約なしで来店OKとのことで、当日集まった4人。店はオフィスビルの15階にあり、ちょっと場違いな気がしたが、オーナーの女性が感じよく迎え入れてくれた。

小さな店内の壁一面に掛けられた漢服に、テンションが上がる一行。全体の約半分、約20着がレンタル用とのことで、さっそく物色する。服のタイプは、ほとんどが先ページで紹介した「上衣下裳」で、男性用漢服も数着用意。各々好みの漢服を見つけ、さっそく着付けへ。

古代美女に大変身☆

着替えは奥の給湯室で行い、オーナーが手伝ってくれる。といっても、基本は上着を着て、スカートを履き、腰の部分を紐や帯で締めるだけ。1人でもできそうだ。

淡い色合いで、胸の高さまであるスカートを選んだKちゃんは、まるで乙姫様のような雰囲気に変身。腕に掛けているのは「被はく」という薄い布。唐代の女性がショールのように羽織っていたとされる。

編集班Yはサーモンピンクの漢服に挑戦。腰回りの贅肉が邪魔で、チャイナドレスだと腰がパンパン、胸スカスカになるYだが…漢服のスカートはゴムウエストで安心、さらにふわふわのシルエットが体型をカバーし満足。メイクの仕上げに、赤い花鈿(かでん)のシールを貼れば、気分はすっかり古代美人。

またナイスバディのSちゃんは、直線襟の漢服を見事に着こなす。「赤と黒って、なんだか悪役っぽくないですか…」と言うも、周囲からそれが一番似合う、と押し切られたSちゃんだった。最後のMちゃんは、黒字に赤ライン深衣をカッコよく着こなす一方、ヘアスタイルは編み込み&リボンでキュートに仕上がった。

着替えとヘアセット、メイクで所要時間は30分ほど。ただしすべてオーナーさん1人が担当するため、複数人で行くと待ち時間ができるのでご注意を。

隣の公園で撮影タイム

ではいざ、街歩きへ。今回は店のすぐ近くにある「長寿公園」で写真撮影大会をすることに。店を出て、エレベーターに乗ると早速注目を浴びる4人。子どもにまじまじと見つめられ、ちょっと恥ずかしい…。

漢服はとても動きやすいが、胸まであるハイウエストのスカートはずり落ちてくることがあるため、紐をしっかり締めておこう。「長寿公園」に到着し、撮影できそうなスポットを探す。現代的なオブジェが入ったり、背景にマンション群が入ったりするとミスマッチな雰囲気になり、なかなか場所の選定が難しい! 橋の上や池の中央、緑の小道など自然が多いところを選び、パシャリ。歴史ドラマの登場人物のごとく、ポーズを決めていく。ノリノリで撮影を進めていくうちに、私たちを眺めるギャラリーや、スマホで撮り出すおばさんまで現れた。

特別な思い出作りに

オーナーさんによると、漢服は子どもから中高年女性まで幅広い世代が楽しめる服装で、今回のような友人同士で街歩きをしたり、イベントに参加したりするときに着用する人が多いという。非日常感を楽しめる漢服、思い出作りに、ぜひトライしてみてほしい。

~上海ジャピオン2019年11月29日発行号

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