ホームパーティ入門①

ホームパーティ入門


◆成功のための3カ条◆

1・男女の割合を同じにする
2・イベントを用意する
3・ホストは〝ハブ〟になる


レストランにも行き尽くし、上海にも飽きてきたと思ったら……
趣向を変え、自分の部屋をパーティ会場にしてはどうだろう。
華やかな空間を創る楽しさは、外食に飽きた人にも新鮮な感動があるはずだ。
ホームパーティをよく企画するという日本人に、楽しむためのコツを聞いた。


人数と予算を見積もる

 高村寛さんは、日本では月に1度は開いていたという自称〝ホームパーティ通〟。その経験によれば、準備開始は4週間前が理想とのこと。
 「その時点で参加者をリストアップし、3週間前にはメールで招待状を出します。出席率は半分くらいと見積もり、多めに告知しておくのがポイント」と高村さん。参加希望者へは、パーティの前日にリマインダー(通知メール)を送っておけば安心だ。
 仕事で知り合った友人とホームパーティをよく開く岡田幹司さんは、ひとりあたりの予算を50~100元と見積もっている。「ワインなどは費用がかさむので、お酒はビール中心。ひとり50元以下に抑え、お酒は持ち寄りにするのも手です」と岡田さん。もちろん予算は、食事をデリバリーなどで買うのか、自分たちで作るのかによっても変わる。
 なお、実は重要なのがゲストの男女比率。「目的にもよりますが、盛り上げるコツは、男女の割合を同じくらいにしておくことです」(高村さん)。

ゲストが楽しめる工夫を

 パーティと言えばイベントが定石。数人規模ならトランプでも充分だが、10人以上が集まる席では、卓上ゲームに熱くなるのも考えもの。
 「ゲームにこだわらなくても、服装や持参品を指定するなど、参加ルールを決めておけば、それだけで充分盛り上がります。要は、初対面でも会話を楽しめるような、共通の話題を作ること」(高村さん)。一番簡単な方法はプレゼント交換だそうだ。
 岡田さんは、パーティをオープン式にすることが多い。これは、例えば「19時~21時の間にご来場ください」と通知し、開場時間に幅を持たせる方式。こうすればゲストも来やすくなり、人数が少しずつ増えるので仲良くなりやすい。ホストにとっても、料理を少しずつ用意すればいいので負担が軽くなる。
 「この場合、ホストはゲストをうまくグループ分けしましょう。ひとつの会話グループが10人にもなれば、かえって盛り上がりません。そうなったら5人ずつに、ゲストが20人になれば7、7、6人くらいのグループに、うまく誘導します。グループにひとり、会話を弾ませてくれる人が入ればベスト」(岡田さん)。
 ホストは〝ハブ〟、つまりゲスト間をつなぐ役割になれと言う岡田さん。このほかにも、ひとりのゲストにはすぐ2~3人を紹介するなど、気をつける点は多い。うまく役割をこなしながら、楽しいパーティを演出しよう。

ケース別・押さえておきたいポイント


「一番重要なのは、〝盛り上げてくれる人〟を招待すること。ここさえクリアすれば、後の問題なんてちっぽけなものです(笑)」そう語るのは、上海の日本人留学生協会「JSAS」の会頭を務める松島慶太さん。自身も留学生だった頃に何度も企画し、ホームパーティ最大のポイントは人だと思うようになった。
 準備の際も、人それぞれの特技を活かしたい。「厨房バイトの経験者は、から揚げや揚げだし豆腐を作ってくれたりと重宝します」と松島さん。
 また、学生といえばゲームや芸が重要。ひとりひとつはモノマネ芸を仕込んでおくべき、という松島さんだが、イチ押しはチーム戦で行う〝○×ゲーム〟とのこと。「チーム内で仲良くなれますし、○×問題を参加者の個人ネタにすることで、親近感もわきます」(松島さん)。その場で参加者から話を聞けば、準備する必要もない。〝誰々は先月、3年つきあった彼女と別れた。○か×か?〟など、自虐的な問題作りがコツだそう。
 最後に、留学生同士の場合、中国人や他国の留学生と一緒にパーティを開く機会も多い。この場合、もし言葉が通じない人がいれば、きちんと通訳をつけてあげるという。


 自宅で友人たちとお茶を飲む機会も多い宮本亜紀子さん。太太でホームパーティをする時のポイントは、料理に力をかけ過ぎないことだと言う。
 「ホストが料理にかかりきりではゲストも気になります。前日に準備できるレシピにしたり、デリバリーを使ったりして、当日の負担を減らしましょう」と宮本さん。料理はむしろ、盛り付けの工夫が楽しいそうだ。色紙などで食器を飾るのも○。あと、大事なのはデザートで、「食事が終わる頃にどーんと出すと盛り上がりますよ」とのこと。
 飾り付けは、キャンドルや花の一輪挿しなど手軽なものでいいが、テーマを決めるのがコツだ。「テーマになる色や模様を決め、招待状なども統一すれば楽しくなります。テーブルクロスやランチョンマット、紙ナプキンを揃えるだけで、雰囲気は、ずいぶん変わりますよ」(宮本さん)。
 最後に、子どもが参加する場合。ハンバーグなどの子供向け料理を作るほか、「割る危険がない紙コップを使います。名前も書けるから、持ち主がごっちゃにならないですし」と宮本さん。子どもが多いとトイレもよく使われるので、タオルを変えるなど、トイレの清潔さも意識すると言う。

~上海ジャピオン9月22日発行号より

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