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乗るなら最新地下鉄
旧屠畜場が大変身？

女「私たち完全帰国になってから、もう１年くらい経つのね」
男「そうだな。上海じゃ地下鉄どんどん開通して、ビックリだね。どれか乗ってみたいな」
女「どうせ乗るなら一番新しいのが良いわよね。
ということで、４月10日に開通したばかりの10号線で決定！」
男「勝手に決めるなよ。新しけりゃ良いってもんじゃないだろ」
女「新しいだけじゃないわ。私たち古北に住んでたじゃない。
今まで疎遠だった五角場へ、10号線だとぴゅーっと直通なのよ」
男「五角場って、市内北東にある復旦大学近くのあれか？」
女「そうそう。話によると、デパート林立で地下街も広がって、ショッピング天国らしいわ」
男「へえ。10年前行ったきりだから、ＣＤとか洋服売る露店が並んでるイメージしかないな」
女「あなたが行ったら、きっと浦島太郎になるわね」
男「じゃあ、君は亀だね。亀さん、竜宮城に連れてってよ」
女「フン、何が亀さんよ。なら屠畜場に連れてってあげるわ。あなたをさばいてもらおっ♪」
男「君が言うと冗談に聞こえないんだよなあ。でも屠畜場なんて市内にあるの？」
女「あるわ。海倫路駅から程近い〝１９３３老場坊〟よ。
今はもう屠殺場じゃなくて、トレンドスポットに変身してるけど」
男「何だ、そういうことかよ」
女「そこって可愛い小物売ってるみたいだし、
それに入り組んだ立体構造がラビリンスのようで魅力的なのよ。さまよえる姫を助けてね、ダーリン♪」
男「調子いいなあ」
女「助けてくれたら、龍柏新村駅周辺に広がる韓国街に連れてって。韓国料理も食べたいわ」
男「やれやれ。食い意地の張った姫には困った困った」

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バザールで食べる羊肉串
駅跡に感じるもののあわれ

男「新しい地下鉄乗って、美味いもの食べに行こうよ」
女「そうね。上海蟹がいいわね」
男「時期じゃないだろ。蟹より美味い、中国名物あるじゃん」
女「何？　北京ダック？」
男「それは日本の中華街で普通に食べられるだろ。僕が言いたいのは羊肉串。シシケバブ！」
女「あ～、あなたよく羊肉串食べてたわね。一気に20本とか」
男「だって好きなんだもん」
女「私、羊肉あんまり好きじゃないのよね。羊肉串やめない？」
男「なら、君が他のことでも楽しめるところに連れてくよ」
女「どこどこ？」
男「７号線長寿路駅から北に行ったところにイスラム寺院があって、
毎週金曜日にバザールが開かれるんだって。そこなら羊肉串以外でもいろいろあるし」
女「バザール？　なんかエキゾチックな響きね～。で、羊料理以外に何が楽しめるの？」
男「アラビア語のＣＤとか、イスラム系のお菓子とか小物かな。
中東系のイケメン留学生も礼拝に来るらしいよ」
女「え～早く言ってよ。金曜の予定取り消して行きましょう」
男「まあ、僕は礼拝に来ている青い瞳の美女に魅せられるとして…
バザールで眼福・満腹になったら、次は心を満たしに、もののあはれ感じに行こうよ」
女「意味不明ね。今度は何？」
男「男の浪漫・鉄道だよ。船廠路駅近くの、１００年の歴史を持つ南浦駅跡見たくないか？」
女「全然興味ないんですけど」
男「ネットで見たけど、工事現場にポツンと取り残されたプラットフォームは哀愁漂いまくりだぞ。
それに４月下旬には、駅跡から実際に列車が川沿いを走るらしいよ。気分いいだろうな」
女「いいわね～。私は知り合ったイケメン君と乗ろっと」

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上海の古い港・老碼頭
安全祈願は関羽におまかせ

女「上海で味わいたくなるのは、租界時代の雰囲気よね。
租界的雰囲気の中、のんびりできるスポットってないかしら」
男「やっぱ新天地かな」
女「え～、観光客多くてのんびりって雰囲気じゃない！」
男「そうか、ダメか。あっそうだ、南外灘外れの老碼頭（ラオマートウ）があるじゃん」
女「新天地みたいに、伝統の石庫門建築を再開発したところね。
でもそこ、交通の便イマイチで、昔、結局行かなかったわよね」
男「地図見ると、９号線小南門駅から歩ける距離だぞ。新路線にも乗れて一石二鳥だね」
女「へえ、そうなんだ」
男「ネット情報だと観光客は多くないし、上海に住む外人さんが集まるから華やかで、
租界時代にタイムスリップした気分になれるって話」
女「わ～絶対に行かなくっちゃ」
男「しめしめ」
女「何か怪しいわね。別の目的あるんじゃないの？」
男「な、何言ってんだよ。僕は君と、まったりカフェ～タイムを過ごしたいだけだよ」
女「ウソね。ホントのこと言わないと、旅行止めるわよ」
男「じ、実はそこに行く時に立ち寄りたいところがあるんだ」
女「素直でよろしい。で、どこ？」
男「小南門駅から北にずっと行ったとこに、三国志の関羽を祀った廟があるんだ。
最近存在知って、どうしても行きたいんだ」
女「ホントに三国志好きねえ」
男「関羽に旅行の安全祈願すればきっとご利益あるからさ、行こうよ。
それに、そこまでに下町的なところを通り抜けるから、市民の生活も垣間見れるよ。
変わりゆく街並みと変わらない人々…激動の上海を体感しようよ」
女「たまにはあなたに乗せられるのも悪くないかもね」

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博物館はルパンの車庫
Ｆ１観戦で大興奮！

女「市内でどこ行くかいろいろ考えたけど、やっぱり遠出したくない？　
普段行けなさそうな郊外に向かう、11号線がせっかくできたんだし」
男「そうか？　僕は部屋で、ガンダム見てても良いんだけど」
女「旅行先でもアニメ？　あなたにはホント呆れるわ」
男「たまの休日だからこそ、自分の好きなことするべきだろ」
女「私、何でこんなつまんない男と結婚したのかしら」
男「ひどい言い草だな。そんなに遠出したいなら、11号線の終点・安亭に行こうじゃないか！」
女「そうこなくっちゃ♪　そこに何があるのかしら？」
男「上海汽車博物館だよ。中国初の自動車博物館なんだぜ」
女「また博物館？　あなた、駐在時代と全然変わらないわね」
男「フン、いいだろ。いろいろと調べてみたら、
そこにはルパン三世の愛用車なんかが、ズラリと展示されてるみたいなんだ」
女「ルパン？　結局アニメじゃないの！　もう知らない」
男「何怒ってんの。ルパンの愛車って可愛らしいクラシックカーだぞ。君は絶対に虜になるね」
女「どうかしら。車なら、私はスリルと刺激が欲しいわ」
男「刺激ねえ。じゃあ、４月16日（金）から上海サーキットでＦ１グランプリが開催されるから、
それで満たせばいいじゃん。サーキット場から安亭まで地下鉄で３駅だし、ついでに博物館見に行くのありだろ」
女「そこまで言うのなら行ってあげるわ。でもＦ１見れなかったら、スポーツカー買ってもらうから覚悟しててね♪」

古鎮で食べたい小籠包
海鮮市場で暴れ食い

女「あなたに博物館鑑賞で騙されるところだったけど、そういえば11号線の通ってる市の北部って、
古い町並みが残ってるんじゃない？　昔、友達が言ってなかった？」
男「気のせい気のせい」
女「顔にウソって書いてあるわ」
男「ウソじゃないって。自動車関連のスポットしかないよ」
女「じゃあ、自分で調べてみるわ……やっぱあるじゃない。嘉定とか南翔とか楽しそう～」
男「フーン」
女「嘉定北駅からも近い七重の塔なんて最高ね。高みから古い町並みとかを一望できるわよ」
男「高いところ苦手なんだよなあ」
女「じゃあ嘉定の科挙博物館って、あなた好きそうじゃない？
　科挙試験で使われたカンニング用下着の展示もあるんだって」
男「へえ、そんなのがあるんだ」
女「興味持ったでしょ。あと南翔は、小籠包（ショーロンポー）の発祥の地みたいよ。
古い町並みで小籠包食べたら、味も格別ね」
男「なんだか無性に腹が減ってきた。やっぱ上海では食べまくるっきゃないか」
女「そうそう！　お隣さんと昔何度も行った銅川路海鮮市場も、
真如駅ってところからすぐ行けるようになったらしいから、海鮮食べまくりましょう」
男「ＯＫ。ホタテのニンニク蒸し食いまくるぞ～」
女「私はシャコの唐揚げがいいわ」
男「まっいずれにせよ、上海では11号線で遊びつくして、食べつくそうか」

～上海ジャピオン４月１６日号より