ナナちゃんと行く♪ 「日帰り万博跡地ツアー」

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今回、ジャピオンツアープランナー・ナナちゃんが組んでくれたのは、秋深まる上海の週末にピッタリな、日帰りツアー。

発電所の面影を残す施設

「スタート地点は、旧都市未来館の当代芸術博物館です。こちらは、もとは発電所だったんですよ。シンボルとなる煙突がスタイリッシュですね、おっと、ワンデーツアーの要は時間ですからね、早速見学しましょ~」。

広々とした館内は3階までが展示スペースとなり、1階にはカフェ空間も。11月10日(日)まで、中国現代アートの歴史を振り返る「時代肖像―当代芸術30年」を開催。さらに同館7階の特設会場では、上海万博3周年を記念し、10月末まで中国人アーティスト、詩迪の個展「天水無居・五洲同源」も開かれている。「ここは、上海ビエンナーレのメイン会場にもなったんです。これからも上海アートの発信地として注目したいですね」。

子どもの学び場スポット

「ダイエットも兼ねて次の場所まで競歩で行きましょう♪」。ナナちゃんの一声で、競争心に火が付いた取材班は、全力ダッシュで上海児童芸術劇場へ。旧上汽集団通用汽車館の同施設では、児童向け芸術クラスや映画館が併設される。

そのほか、不定期で児童劇も催されている。今月は、10月5日(土)、6日(日)15時15分~、イソップ物語の舞台劇を上演予定。『ウサギとカメ』や『すっぱい葡萄』など、有名な寓話を基にしたステージが楽しめる。「はい、今日は見学のみとなります。これから地下鉄に乗って川の向こう岸まで渡りますよ」。

上海当代芸術博物館
住:花園港路200号(×苗江路)
電:3110-8550
営:9時~17時(16時最終入場、月曜休み)
料:入場無料

上海児童芸術劇場
住:苗江路800号(×半淞園路)
電:6333-8993
営:9時~16時半
料:観劇60元~

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インパクト大の中華宮

8号線に乗り、「西蔵南路」駅から1駅先の「中華芸術宮」駅に到着。エスカレーターで地上に上がり…中華芸術宮の名に相応しい、赤色のゲートを出る。

「あちらに見えますのが、旧中国館、中華芸術宮です。ドドーンとそびえ立つ台形の建物は中華の〝華〟の字をモチーフに設計したそうですよ…はい、チケットはこちらです、入場料はかかりません。何だか得した気分ですね♪」。館内へ続く階段前が撮影ポイント。テンションMAXのナナちゃんは、自慢の脚力で大ジャンプを披露してくれた。

展示面積6万4000平方㍍を誇る同館では、中国近現代アート展「海上生明月・中国近現代美術之源」や、上海の歴史を辿る「上海歴史文脉美術創作工程成果展」を開催中。「イチオシは、北宋時代の風俗を描いたデジタル絵巻〝清明上河図〟です。プラス20元ですが、見る価値アリですよ。当時の生活様式がリアルに表現されてて…あ、あの商人、寝ちゃった…いつまで見てても飽きないですね」。

景色で楽しむランチ

時計はもうすぐ13時を指す。お腹を空かせた取材班を引き連れナナちゃんが案内してくれたのは、メルセデスベンツアリーナ。「ここは夜も来るので、説明は省略して…と。さ、6階のレストランフロアへ移動しますよ」。

ここではシアタースペースに加え、日本料理や中国料理店などが並ぶ。ナナちゃんがチョイスしたのは、四川料理の「蜀府」。「チャーハン」や「水煮牛肉」、「酸辣湯」などを頼むと、ものの20分で平らげる。「実はここ、展望台もあるんです。食後の運動に空中散歩はいかが♪」。心地良い秋風を受け、万博跡地一帯の景観を楽しんだ取材班だった。

中華芸術宮
住:浦東新区上南路205号(×国展路)
電:400-921-9021
営:9時~17時(16時最終入場、月曜休み)
料:入場無料、特別展20元

メルセデスベンツアリーナ
住:浦東新区世博大道1200号(×上南路)
電:400-181-6688
営:10時~22時
料:入場無料

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迫力のメディアアート

そしてお次は月亮船へ。「こちらは、万博開催時に最も人気を集めたというパビリオン、旧サウジアラビア館です」。

興奮気味のナナちゃんについて館内へ入ると、そこには螺旋状の坂が。すでに歩き疲れた我々には少々きついが「みなさん、頑張ってください♪」と励まされ上っていく。道は暗いホールへ続き、歩く歩道へと変化。すると、そこには360度をぐるりとスクリーンに囲まれたメディアアート空間が。そのダイナミックで神秘的な映像美に言葉を失い、疲れも吹き飛んだ。そして屋上からの眺めも程々に楽しみ、グルグルと来た道を一気に駆け下りたのだった。

チョコの香りに包まれて

月亮館からイタリア文化センターまでは、無料シャトルバスが運行。ところが、バスを降りて我々が向かったのは「チョコレート・ハッピー・ランド」。「最終入場の時間が迫ってます。さっきバスガイドさんが言ってたように、イタリア館は30分あればOKなので、先にチョコ行っちゃいましょう」。

旧アフリカ広場に作られた同施設は、中国最大規模のチョコレートのテーマパークとなる。目玉の「チョコレート童話王国」では、総面積400平方㍍のイスラム式城塞が登場。「チョコレートのお城って夢がありますね~、きゃ~っ大変、イタリア文化センターの閉館時間が迫ってます、みなさん、ダッシュですよ」。

月亮船
住:浦東新区博成路1221号(×高科西路)
電:2206-2025
営:9時~18時(17時半最終入場、月曜休み)
料:平日60元、土日80元、祝日100元

巧克力開心楽園(チョコレート・ハッピー・ランド)
住:浦東新区博成路100号(×上鋼路)
電:5100-1881
営:9時~17時、土日は~18時(閉館30分前最終入場)
料:120元、子ども60元

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フェラーリ博物館も

チョコの甘い香りに後ろ髪を引かれつつ、「イタリア文化センター」まで走る取材班。受付に到着し、時計を覗くと16時半を回っているが…「時間内に見終わるから、入れてください」と、ナナちゃんの〝必殺・お願いウィンク〟で、渋り顔のオジサマも心を開き、許可をもらえた。

息を切らしていたのも束の間、「こちらに見えますのは、かの天才、ミケランジェロ様の〝ダヴィデ像〟のレプリカです。中庭には、巨大な棚がございまして、このようにたくさんのデザイン椅子が展示されてます、あ、こちらはオーケストラのステージセットですよ。オッシャレ~ですね」。

また、イタリア本土以外では唯一と言われる「フェラーリ博物館」もある。この美しいフォルム、まさに芸術…と見入っていると「はい、閉館時間です。警備員さんに注意される前に早く出ましょう♪」。しっかり者のナナちゃんなのだった。

新エネルギーに注目

無料シャトルバスの時間は過ぎてしまったので、一行は歩いて引き返すことに。すると、右手に「2062新能源主題公園」が。同園は、旧トルコ・ウクライナ館を改築して作られた、新エネルギーテーマパークで、電動ゴーカートなどが楽しめる。

「広いサーキット場ですね。ほかにもジェットコースター気分が味わえる映像アトラクションもあるんですよ」。しかし、時すでに遅し…。挑戦は次回ということに。ちなみに開園は、土日の9時~15時半なので、早めの来園がオススメとか。

上海意大利中心
住:世博大道2095号(×上鋼路)
電:2206-2025
営:9時~17時(16時半最終入場、月曜休み)
料:60元、月亮船とのセットチケットは100元

2062新能源主題公園
住:浦東新区塘子涇路191号(×博成路)
電:6887-2062
営:土日のみ、9時~15時半
料:入場料20元

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シルエットがお気に入り

さらに先へ進むと、右手に近代的な建物が現れた。「こちらは、旧テーマ館の上海世博展覧館でございます」。現在は、主に企業などの展示会会場として活用されている。10月3日(木)~6日(日)は、「2013上海国慶車展」を開催予定。パシャリ――カメラのシャッター音で振り返るとナナちゃんが「この建物、カッコよくないですか? 私、この屋根の凸凹したフォルムがお気に入りなんです。横からのアングル、いいですね~」とカメラ少女になっていた。

コンサートでハッスル

そして一行は、再びメルセデスベンツアリーナへ。万博開催時には巨大ホールとして活躍した同館。宇宙船を思わせるエキセントリックな形状をし、18時半にはライトアップ、昼と夜とで異なる表情を見せる。現在は、国内外のアーティストたちのコンサート会場となることが多い。「今日は大スターのアンディ・ラウ(劉徳華)が出るんです!! 私、2カ月前からチケット予約してたんですよ」。

開演までの待ち時間も、敷地内にカフェやバーなどが併設されているため退屈しない。モチロン6階の展望台からの夜景もバッチリだ。

ライブを前にナナちゃんから「今日のプランいかがでしたか?」。若いナナちゃんはまだまだ元気なようだが、正直取材班は息切れ寸前…。しかし、このコース、すべて周り終えた時の達成感が半端なものではない。しかしあくまで体力に自信がある、我こそはという人に、トライしてみてほしい。

上海世博展覧館
住:浦東新区国展路1099号(×周家渡路)
電:2089-3638
営:9時~17時
料:入場無料

~上海ジャピオン2013年9月27日号

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