食道をゆく 第22回 過橋米線

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グオチャオミーシエン
過橋米線
~雲南省蒙自県~

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アツアツの麺を味わおう

橋を渡って届けた麺
心優しい賢妻が発明

 雲南省を訪れたことのある人なら、おそらく誰もが食したことがあるであろう、
雲南の代表的な麺料理「過橋米線」。
土鍋に煮えたスープと油が入っており、ライスヌードルや生野菜などを入れて食べる。
この麺料理の由来については、名前の「過橋」(橋を渡る)に秘密が隠されていた――。
 時は今から100年ほど遡る、清朝時代。
今の雲南省蒙自県に、科挙(中国の官僚登用試験)に向けて勉強している1人の書生がいた。
彼はいつも、家の付近にある湖の中央に浮かんだ小島で、集中して勉強に取り組んでいた。
 書生は麺料理が好物だったので、昼になると彼の妻が島まで届けてくれていた。
しかし、島に行くには橋を渡らなければならず、
家を出てから島に着くまでの間にどうしても麺が冷めてしまっていたのだ。

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観光地として名高い大理の旧市街。夜にはライトアップされる

 ある日、鶏スープを作っていた妻は、スープの上に出来た油の膜が、
蓋のようになって保温しているのに気付いた。
そこで、このスープに野菜と予めゆでた麺を入れたら、温かい麺を食べさせられると思いついたのだ。
早速、作って夫に持って行ってみると、夫はたいそう喜び、勉強もはかどって、
見事科挙に合格することができたという。
 この話が人々に伝わり、橋を渡って温かい麺を夫に届けようとした妻の心優しさを称え、
「過橋米線」と名づけられた。
そして、国内外にその名を轟かせる名物料理となったのだ。
 値段は具の種類や量によって異なるが、1杯約20元。
年間を通して気候に恵まれ、観光名所満載の雲南省へ、本場の過橋米線を味わいに行ってみよう。

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【アクセス】
①上海虹橋または浦東空港から、昆明巫家?空港へ空路にて約3時間20分、その後バスで蒙自県へ
②上海南駅から昆明駅まで、空調快速で約40時間。硬座281元~、その後バスで蒙自県へ

~上海ジャピオン2月26日号より

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