私だけのテディベアを作りたい!
茨木さんの紹介で伺ったのは、テディベア作りを教える瀬戸口さん。愛らしい表情のベア作りの魅力とは…
素朴でやさしい表情の
テディベアに魅せられて
「子供の頃から、ぬいぐるみを作るのが好きでよく作っていました。テディベアは、日本で教室に通って作ったのが最初かな」と話す瀬戸口明美さん。リビングの一角には、古い生地とおよそ百年前の木製の目を使って作ったアンティークベアや、手に乗るほど小さなベアなど、さまざまな色、形、素材のディベアが並んでいる。
2000年に、留学目的で上海に来た明美さんは「上海くまの会」という手芸サークルを主催。シルクを使ったテディベアや、ベアモチーフのフォトスタンド、携帯ケースといった雑貨など数多くの作品を作り続けてきた。今年春に、デザイナーとして勤めていた雑貨メーカーを退職してからは、自宅でテディベア教室を開いている。
教室は、ランチなどをはさんで1回4時間。1体完成させるには2回で充分だとか。手足につけるジョイントやガラス製の目、ドイツ製アンゴラ山羊のファーといった材料は、日本で購入。それでも授業料は材料費込み1回250元(生地代のみ別途)と、日本と比べると破格。その上、手芸の経験がない人でも正統派のベアを作ることができると、参加者に好評だ
心の状態もうつす
一体ずつ違うベアの顔
さらに明美さんは、「おもしろいことに、その時々でベアの表情がまったく変わるんです」と目を輝かせる。輪郭を作る綿の詰め方や、目や耳の位置、鼻の大きさや口など、表情を決める要素は多々あるが、中でも重要なのが作っているときの精神状態。不満をかかえている時は沈んだ面持ちに、うれしいことがあった時は笑っているように仕上がるのだという。
世界に一体しかない、自分だけのベアを作る喜びを、明美さんは上海で伝えている。
和やかなテディベア教室
瀬戸口明美さんと愛犬の甜甜、珊瑚
物件情報
◇地区:静安区◇間取り:1LDK 80㎡◇家賃:非公開◇築年数:不明◇サービス:家具家電込み、管理費込み、オートロック◇交通:地下鉄より徒歩13分
アンティーク家具や雑貨が並ぶ
⇒NEXT WEEK
天然酵母パンでヘルシーな生活をめざす田屋さん
天然酵母パンを作り続けて20年余。きっかけは、身体に良いものを子ども達に食べさせたいという思いだった。
~上海ジャピオン6月27日発行号より