考える男マートンと哲学の小部屋(トイレ)~滴水洞

湘菜と冷たい言葉
私は考える男マートン。
今日は、恋に悩める友人と共に、
東平路のレストランに来ている。
この友人は年中失恋しているが、
その原因を
太っているからだと考えているらしい。
しかし、そう思うなら、
痩せろとしか言いようがないよな…
冷たすぎるか?
いや、
この店のホットな湖南料理を
冷やす意味ではちょうどいいか、
ははは。
…ついくだらないことを考えてしまった。
何か助言できるよう、
小部屋(トイレ)へ行って考えるか。

樹上開花の恋哲学
伝統的な中国建築風で、
上品な小部屋(トイレ)だ。
レンガを模した壁に、
木製のオリエンタルな鏡&棚。
棚には
優美な花がデザインされた洗面ボールが
置かれている。
…待てよ、木の上の花、
樹上の花…樹上開花?
「樹上開花」とは、
兵法書『三十六計』にある兵法だ。
花が咲かない木でも、
枝に小さな布を貼り、
花が咲いているように見せることから、
偽装で人を驚かすことを指し、
小さな兵力を大きく見せかけ、
敵を欺く兵法だが…ふむ。
これは、友人にも使える哲学だな。
デブでモテないのであれば、
見た目に金を使って痩せているように見せかけ、
興味を持たせればいいのだ。
友人にそう伝えよう。
ありがとう、いい小部屋(トイレ)であった。

~上海ジャピオン2012年9月14日号

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