咳止めにはハハコグサ
日当たりのよい畑地、原野、道端などに分布する
越年草のハハコグサ。
春の田んぼでお馴染みの植物であり、
日本全国に分布する野草だ。
また「ゴギョウ」の別名では、
春の七草の1つにも数えられている。
ハハコグサは、ミネラルやタンパク質を始め、
フラボノイドの1種「ルテオリングリコシド」、
植物由来の化合物「フィトステロール」、
カリウム塩類を豊富に含む。
抗酸化・利尿作用に優れ、コレステロール値の
低減に役立つという。
中国でハハコグサは肺の薬として、
生薬「鼠曲草」の名で普及している。
主に咳止め効果が期待でき、
喘息や気管支炎の人に好適という。
また、血圧を下げるとともに、
関節の痛みを取り除く働きもあるので、
腰痛や肩こりなどの緩和にも有効なのだとか。
一般家庭では、清明節時期に食べる
「青団」の材料にも使われるほか、
昔から伝わる民間療法には、茎葉を乾燥して煎じた液を、
咳止め薬として服用する習慣があるよう。
また、抗菌作用に優れ、
肌荒れが気になる人に好んで食される。
ただし、過剰摂取すると、胃の痛みや
吐き気を催すことがあるので、胃腸の弱い人は注意が必要。
咳や痰の絡みなどが気になる人は、
粥などに入れて手軽に取り入れたり、
生薬「鼠曲草」に挑戦したりしてみては。
~上海ジャピオン2013年5月31日号