民族村で新年を祝う
オレはウルフ。ロードバイク好きの留学生。中国の国道を自転車で旅してるんだ。昨日行くかどうか迷っていた、少数民族の「佤族」が暮らす「翁丁佤寨」なんだけど、どうやら観光地としてしっかり整備されているみたいだから行ってみよう。おっ、水牛の骨が至る所に飾られていて迫力あるな。〝中国最後の原始的村〟というだけあって藁葺き屋根の家ばかりなんだけど、家の中まで光が差し込み、明るく開放感があっていい感じ。この村も今は、春節祝いの真っ最中だ。火を大切にする「佤族」の人たちは、新年に山から新しい火をもらってくる「新火節」って儀式をするんだって。
そう言えば次の街「瀾滄拉祜族自治県」も、少数民族「拉祜(ラフ)族」が暮らす場所。ここからかなりの距離があるんだけど、ちょうど春節期間の国民大移動「春運」で帰省する人たちのバスに紛れ込めて、ラッキー。
飲めや歌えの大騒ぎ
調べたところによると「拉祜族」の人たちが過ごす新年「拡塔節」は、男性と女性で元日に当たる日が違うらしい。これは昔、村から遠く離れたところで狩りをしていた男性たちが、年を越すために村へ帰って来たけれど元日に間に合わず、もう一度新年を祝ったのが由来とされているんだとか。
おー、バスを下りたらもう爆竹の景気いい音が聞こえてきたぞ。歌って踊って大騒ぎ。これは…誰かと仲良くなれば、ごちそうにあり付けそうな予感(笑)。そうそう、ここの観光地で、毎年200万㌔もの茶葉が採れるという「千年万畝古茶園」に行ったら、プーアル茶がもらえるかも。せっかくのお祭り騒ぎ、便乗しなきゃ損だぜ。さあ、次の街を目指してゴーイングハイウェイ!
~上海ジャピオン2018年2月23日発行号