中秋節の習慣である月餅の贈呈が、逆に老人を煩わせているとして、月餅以外の方法で老人への感謝の気持ちを示す動きが、上海市内で現れている。
中秋節に、家族や世話になった人への感謝の気持ちを込めて月餅を贈るのは、中国の伝統的な習慣。だが、一部の老人にとっては、毎年贈られる、食べきれないほど大量の月餅が悩みの種となっていた。そこで最近現れているのが、月餅ではなく、観光旅行へ連れ出す、記念写真を撮影する、自家製の料理をふるまうなど、他の方法で感謝を示すというもの。
高齢者問題を研究する専門家は、「形式にとらわれない方法は、礼節を軽んじていると見る向きもある。しかし、心を込めて準備した贈り物なら、それがよりお年寄りを喜ばせることにもなっている」と話し、こうした新しい動きを歓迎している。
(10月6日)
~上海ジャピオン10月13日発行号より