お手製のキムチ鍋
戴さんから紹介いただいた田勝奎さんは、朝鮮族の血を引く中国人。
代々伝わるキムチについて話を伺った。
コツはアミエビの塩辛 先祖伝来のキムチ作り
吉林省に生まれ育った田勝奎さんはキムチが大好き。朝鮮族の血を引いているだけあって、田家ではキムチを切らしたことがない。今週分が残り少なくなる頃には、慌てて来週分を漬けるという。
「得意なのは、オーソドックスな白菜キムチ。でも、簡単なキュウリキムチや大根キムチもよく作ります」と、白い歯とメガネをキラッと光らせる田さん。おいしく作るコツは何だろうか。
「塩をあまり使わずに、代わりにアミエビの塩辛を多めに入れること。そうすると、コクが出て味わい深くなりますね」
この他にも、唐辛子は細かい粉状のものと少し粗いものとを混ぜる、冷蔵庫で数日は寝かせる、なども重要とのこと。また、ニンニクや生姜はもちろんだが、「すり胡麻や砂糖を多めに入れるのもポイント」(田さん)。これらの細かい配分によって、代々伝わる田家のキムチが完成するというわけだ。
創作キムチも続々と 果物類では大失敗
先祖伝来キムチのほか、田さんは色んなもので創作キムチを試してきた。意外とイケル! と思ったのは、トマト、キャベツ、長ネギだそうだ。
「でも、失敗もありましたね。ブドウとイチゴはダメでした。気持ち悪い色合いとあの味……思い出したくないですね。オエッ」
さすがにその時は、ブドウもイチゴも他のキムチも受け付けなくなった。苦い思い出だ。
「しかし、僕は今後も新しい素材に挑戦し続けます。よりよいキムチ生活を求めて」。そう語る田さんの手は、この日も真っ赤に染まっていた。
物件情報
◇地区:黄浦区
◇間取り:2 LDK(88.8㎡)
◇家賃:2400元◇築年数:15年
◇サービス:家具家電製品込み
◇交通:地下鉄より徒歩8分
⇒NEXT WEEK
田さんの自慢のお隣さんは、変身が大好きな楊俊さん。
メガネにカツラに着ぐるみにと、楊さん七変化のお話をお聞きしました。お楽しみに!
~上海ジャピオン1月19日発行号より