優しい光を灯すアンティークなランプ

ケーキと笑顔を照らす
誕生日のランプの明かり

　10歳の娘は、子どもながらアンティーク趣味を持っている。
妻の趣味がうつったのだろう、妻と一緒になって、一丁前に小物入れなんかを集めていて、ときたま「これ綺麗でしょ」なんて自分に見せびらかしに来る。
　今日はそんな娘の誕生日。
何か贈ろうと思って、考えついたのはやはりアンティークなものだ。
そこで向かったのは、ショッピングスポット「武康路３７６号」にある「ＢＬＩＳＳ」。
こちらでは、欧米系の若手デザイナーと手を組みながら、中国の伝統的デザインにひと工夫加えたり、色使いを変えたりした、センスの良い雑貨が揃う。
グラスや食器類、インテリア、アクセサリーなど種類も豊富だ。

　そんな中、とりわけ目を引いたのは、アンティークなランプだった。
ラムネ瓶のような色使いが懐かしく、自分が一目惚れしたというのが購入の正直な理由。
あとは、娘が気に入ってくれるのを祈るのみ――。
　妻が娘のために腕を振るって作ったご馳走を食べ終え、ケーキが登場したタイミングで、「誕生日おめでとう」と娘にランプを手渡す。
娘は興奮気味に喜び、「これ明るくしてみていい？ お母さん、アロマの蝋燭ちょうだい」と言って、走って部屋から蝋燭を取ってきた。
自分が「火つけてあげようか」と言うと、「１人でつけられる」と強がった。
小さな手でおっかなびっくりマッチを擦り、蝋燭に火を灯す。
　部屋の電気を消すと、ランプの緑青色の光がケーキと３人の顔を照らす。
娘は満足そうにランプの光を眺めると、「これいいね」と自分と目を合わせ、にんまりと笑った。

BLISS
住所: 武康路376号
TEL: 6126-7626
営業時間: 10時半～18時半

～上海ジャピオン２月１３日 発行号より