情熱中国 団塊Jr.の挑戦~小池田和子さん

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上海市内で
マクロビオティック・カフェとヨガスタジオを経営する、
小池田和子さん。
寄り道しながらもやっと辿り着いたこの場所で、
小池田さんは思いを形にしてゆく。

目まぐるしく過ぎる日々
「中国って、実は一番来たくない国だったんです」と、
いきなり本音で話し始めた小池田さん。
毎朝5時に起き、
ヨガクラスの準備をしてから自身も参加、
その後はすぐにカフェの朝食タイム。
カフェでは掃除からサービス、
さらにはキッチンに立ちつつ
毎月のヨガレッスンの予定を組み、
そのほかにイベントの企画作りと、
超人的な生活を送る。
ハードな生活に耐えられる秘訣は?
と尋ねると、「体力だけはあるから」
と控えめな答えが返ってきた。

ヨガとの出会い
小池田さんが初めて中国の土を踏んだのは1994年。
当時広告代理店勤務だった
小池田さんの前に新しい世界を開いたのは、
1枚のヨガレッスンのチケットだった。
気分転換にと参加したヨガが、
この後の人生を変えることになった。
「自分の中のフラストレーションから解放される感覚。
取り憑かれたようにヨガにハマった」。
日々の生活の中で、
自分の周りにある問題に対して、
不満を言っているだけでは、何も変わらない。
変わるなら自分、
と気付いた時には自然に笑顔になることが増え、
仕事も上手く運んでいた。
その後ヨガを究めるためインドへ行き、
アーユルヴェーダのトリートメントを受けた小池田さんは、
〝心身の健康〟を実感する。
これを人と分かち合いたい、
という思いが徐々に強くなり、
「食」をきっかけに人が訪れることのできる
レストランオープンを決心する。
資金繰りに苦しんだ時期もあったが、
思いを形にするためには必要な時間だった。
オープン後もトラブルは様々に形を変えやって来たが、
周囲の人々の助けによって、
まるであるべき形に収まるように、
レストランは現在の形、つまりマクロビ・カフェになった。

Cafe Anamaya。
「食」を通じて人が集い、心身の健康を作る

共に生きていくこと
経済発展・急成長するこの上海で、
成功を夢見て毎日に忙殺される人は少なくない。
しかし足を止め、自分の周囲を見つめること、
周囲の人々や環境を思いやり、
共生・共存していくことを、
上海に住む人と一緒に挑戦してみたい。
それに気が付かせてくれたのは、
嫌いだったはずの中国だった。
昨年5月には、
〝ヒーリング〟を目的としたヨガスタジオもオープンさせた。
「ここにやって来る人々は、国も世代も様々」。
インターナショナルな上海で、
小池田さんはこの街の人たちと共に歩み始めた。

~上海ジャピオン03月09日号

 

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