オススメポイント

王朔の作風は〝調侃小説〟と称され、ジョークや言葉遊びなどが巧みに盛り込まれています。これら〝王朔節〟は、特に作中での会話に顕著に表れており、登場人物たちの表面的なおしゃべりの中に、内心の喜怒哀楽を映し出していると言えるでしょう。

同作は、愛情、友情、理想をテーマに描かれていますが、主人公とともに真実を探していくうちに、愛情の空しさ、脆い友情、泡のように消え失せてしまう理想などに気付かされます。厳しくもある現実社会、我々は様々な苦しみの中で、もがきながらも成長を続けていることを実感させられる作品です。

ある日突然殺人容疑をかけられたら…

ストーリーは、ある日主人公の家に警察が訪れ、ある友人について尋ねられるところから始まります。取り調べが進むにつれ、友人は殺され、自分に容疑がかけられていることを悟ります。それから彼は、自らの身の潔白を証明するため、長い道のりを歩むことに。事の真相を明らかにするべく、奮闘する主人公。ラスト、彼の無実は晴れるのか、そのすべてを突き付けられた彼の運命は如何に。

～上海ジャピオン２０１４年１月１０日号