考える男マートンと哲学の小部屋(トイレ)~Wooden Box Cafe

ジャズの中で1杯
私は考える男マートン。
今日は、秋服を買いに南京西路にやって来た。
いい買物もできたし、
少し休憩した後帰ろうかと思案しているところだ。
すぐ近くの青海路にあるカフェでは、
毎日ライブ演奏が楽しめるという噂だし、
行ってみよう。
店名の通り、
木材で統一された内装の中、
ジャズに耳を傾けつつビールを1杯。
たまらんな。
…おっと、
うっかり酒を服に大量にこぼしてしまった。
仕方がない、季節外れだが、
小部屋(トイレ)へ行って新品の服に着替えるか。

音符に込めた主張
ほぉ、この店は、
小部屋(トイレ)を外に設置しているのか。
外へ出ると、
音符をアレンジした
可愛らしい男女サインのある扉が見える。
男性は八分音符が1つ、
女性は逆の八分音符が2つ…?
左右逆の八分音符は、
実際の楽譜では存在しない虚構である。
その虚構を取り除き、
真実の姿を暴くと、
上下逆の音符が残る。
こうすると、
楽譜上では通常の八分音符と同じ意味だが、
見た目は鏡合わせのようだ。
なるほど、つまり、老人と若人、
男性と女性など、
見た目は正反対でも、
本質的には同じ〝人間〟であるという
哲学的主張に他ならない。
音楽は言葉がなくても通じる、か。
ありがとう、いい小部屋(トイレ)であった。

~上海ジャピオン2012年9月7日号

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