自慢のお隣さん 第127ノック 谷口さん宅

中国の切り絵「剪紙」を自分の手で

栗林さんの紹介で伺ったのは、中国の切り絵に熱中する谷口さん。
作品ができあがったときの喜びはとても大きいと話す

優美な伝統柄の
とりこになって

牡丹と孔雀、十二支、〝福〟の文字にコオロギ…。谷口裕子さんが見せてくれたのは、中国の民間工芸品である切り絵「剪紙」。繊細な図柄は、端正でありながら華やかで、絵とはまた違った存在感を放つ。
「1年ほど前に、篆刻を習おうと教室に行ったんです。ところが、そこで切り絵をやっていらっしゃるのを見て、『やっぱり、こっちにします』って」と笑う裕子さん。切り絵のぱっと目を引く美しさと、中国らしい図柄にひとめぼれしたと話す。
早速、習い始めたのはよかったが、最初の4カ月は基礎編。シンプルな模様をハサミで切り出したり、太い線からはじめて細い線を切る練習をしたり。紙を折りたたんで、対称になった模様を切るときには、折り方や、できあがりをイメージして元図を描く難しさにため息をつくことも多かったと話す。
「でも基礎が終わり、自分の好きな絵柄を切るようになると、途端に楽しくなって」
絵柄は自分で描くほか、先生にお願いして図案化してもらうことも。教室に通いながら、自宅でも時間を作り、カッターを片手に紙に向かう。

(右写真)裕子さんのお気に入り「牡丹と孔雀」

すべてを忘れ、
切ることに没頭

「切っているときは何も考えず、ひたすら手を動かすだけ。無心で作業できるのも、切り絵が好きな理由のひとつ」
シンプルなものなら3~4時間、大作になると1カ月ほどかけて少しづつ切る。できあがった作品は額装し、日本の友人への贈り物にすると、とても喜ばれると言う。
これからは、西遊記の名場面や花瓶など、伝統的な絵柄をもっと作っていきたいと話す裕子さん。秋には教室の仲間とともにグループ展に出品する予定もあり、裕子さんの紙に向かう日々はまだまだ続いていきそうだ。

切り絵に使う紙とカッター、カッターマット

谷口裕子さん

⇒NEXT WEEK
週末、テニスとヨガに通う
夏子さん。スポーツで
心身ともに健康に

~上海ジャピオン2008年8月15日発行号より

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