路地裏リノベート
私は考える男マートン。今日は、田子坊の北にあるリノベーション・スポットへ食事に来ている。今日も暑いし、ビールがうまい!
…と、少々飲み過ぎたか。夜風に当たるついでに、外にある小部屋(トイレ)へ行ってこよう。
寄木細工と文化継承
ほお、棒状の木材を組み合わせたデザインがシャレているな。箱根の伝統工芸・寄木細工を思い起こさせる。箱根の寄木細工の起源は、江戸時代、石川仁兵衛という職人が静岡に元々あった寄木の技術を持ち帰り、発展させたものと言われる。さらに言えば、この技術は元々、イスラムの文化であったらしい。それがシルクロードを介して中国へ運ばれ、日本へ伝来し、独自の発展を遂げた。そして19世紀、ウィーン万国博覧会にて日本の寄木細工が紹介され、ヨーロッパを中心に輸出されるようになったとか。
ちなみに静岡では現在、寄木細工職人はほぼいなくなったと聞く。素晴らしい文化が、時代の流れにより消滅するのは惜しいな。箱根の技術はいつまでも残ってほしいものだ。…私も、小部屋(トイレ)哲学という、何にも代えがたい文化を絶やさないよう、普及に努めるとしよう。ありがとう、いい小部屋(トイレ)であった。
~上海ジャピオン2013年8月23日号