バーバオファン
八宝飯
~河南省鶴壁市~
8種類の食材が独特の甘味を出し、色合いも鮮やか
全ては新たな天下のため
貢献した8人への殊勲
八宝飯は中国全土で広まっている漢族の料理。
材料は各地で若干異なるが、基本は蒸したもち米に砂糖、油、モクセイを混ぜたあと、
赤ナツメ、ハトムギ、蓮の実、リュウガンなどが入った器に入れて蒸し、
蒸しあがれば、ソースをかけて完成となる。
程よい甘さが特徴で、祝日などによく振る舞われる。
確かに中国では「八」という数字は縁起が良いと言われるが、
この「八宝飯」の「八」には、また別の意味が込められていた――。
鄭州市登封にある「天下第一名刹」の名を持つ中国武術の総本山、嵩山少林寺
中国にはかつて商の末年、紂王(ちゅうおう)という暴君がいた。
紂王は暴虐非道の限りを繰り返し、民の反感を買っていた。
そんな紂王の極悪ぶりを見かねた、後の周朝の創始者である武王は紀元前1123年、
8人の諸侯を引き連れ紂王討伐のために出征した。
武王軍出征の知らせを聞いた紂王は、臣下たちと協議したが、
自軍の主力部隊は他の場所に駐屯していて、戻ることができなかった。
紂王軍は大量の奴隷や捕虜を武装させることで対抗したが、その多くが武王軍に寝返った。
そして武王軍は河南省鶴壁市淇県にて、紂王軍を完膚無きまでに打ち負かし、
紂王が自害したことで商が滅び、周が誕生した。
この時、武王は紂王討伐に貢献した8人の諸侯に戦功の殊勲として、
8種の材料の入った料理を振る舞って戦勝を祝したという。
のちにこの料理が8人の勇士達を象徴し、今日まで伝わる「八宝飯」の元となった。
この八宝飯は河南省で初めて誕生したものであるが、現在では江南地方のものも有。
できれば全国各地の八宝飯を食べ歩きたいものだ。
【アクセス】
上海浦東空港から鄭州新鄭国際空港まで飛行機で約1時間40分。
鄭州駅から鶴壁駅まで列車で約2時間、2等席12元~
~上海ジャピオン4月15日号