①牛肉午餐肉罐頭
中国における肉系缶詰の代表格といえば「午餐肉」。いわゆる「スパム」だ。使う肉は豚肉が一般的だが、今回は珍しい牛肉タイプを発見。普通は炒めたり、蒸したり、火鍋に入れたりして食べるが、この牛肉の午餐肉は、そのまま食べても十分おいしい! 子どもの頃によく食べた、懐かしいコンビーフの味がした。
②糖醋排骨罐頭
お次は料理系の肉の缶詰。商品名とパッケージ写真に、期待が高まるも…缶を開けると、角切り肉がゴロゴロ。食感は確かに骨付き肉。でも、とにかく甘~い! リサーチ班の間でも、残念ながら評価は低めだった(涙)。白く凝固した油のようなものが混じっていたので、温めるともう少し風味が出るのかも?
③五香肉丁罐頭
続いても、魅力的な商品名に惹かれる一品。こちらは若干小さめの角切り肉。五香風味?いやいや、もっと複雑な味。正直、好き嫌いが分かれそうなところだが、ローカルの酒呑みには好まれそうな味だと思った。
④香菇肉酱罐頭
最後は挽肉と甘辛ソースを混ぜた〝中国版ミートソース〟系を紹介。甘さの中にもシイタケの風味が効いていて美味。そのまま食べると味が濃いので、白米や粥に載せたり、麺に絡めて食べたりするといいかも。
⑤古龍肉酱
パッケージからして〝ザ・中国〟なこちらの缶詰も、フタを開けると挽肉ソースがぎっちり。とにかく甘じょっぱく、味が濃い。こちらも白米のおかずや、チビチビ舐めながら酒を飲むのにどうぞ。
①鳳尾魚罐頭
パッケージのイラストに「メダカ…?」とギョッとしたリサーチ班も少なくなかった。この魚はカタクチイワシ科のエツで、中国語では「鲚(ji4)」と書き、通称〝鳳尾魚〟とも呼ばれる。
全長30㌢ほどで尾の長い小魚が、佃煮のように甘辛く煮付けられたこの缶詰は、酒の肴にピッタリ。小骨が多いが、それが程よい歯応えになり、ビールがグイグイ進むこと間違いなし。
②豆豉鯪魚罐頭
こちらも見慣れない魚がパッケージに載っている。「鯪魚(ling2yu2)」とは淡水魚のケンヒーを指し、中国ではソウギョやハクレンと並んでよく食べられる魚だ。川魚の独特な臭いが苦手な人も多いが、これは臭みが少なく、骨ごとパクッといただける。豆豉の酸味がアクセント。
③茄子咖喱醤金槍魚
今回の試食会で、一番支持を得たのがこの缶詰。フタを開けると真っ赤なトウガラシが目に入るが、見た目ほど辛くはなく、ソースがまるでタイカレーのように爽やか。
ゴロッと入ったツナも食べ応えがあったが、とにかくソースの出来栄えが素晴らしい。これを白米に掛ければ、おいしいカレーのできあがりだ。
④辣椒豆豉鰻魚
言わずと知れた高級魚、ウナギの缶詰ということで期待が寄せられた一品。ウナギを口に入れると、まずドロッと甘いソースの味が口に広がり、続いてツーンとした辛さが鼻を抜ける。ほぼソースの味しかせず、ウナギじゃなくてほかの魚でもよかったのでは?と高級魚の存在意義を問い詰めたくなった。
①油浸沙丁魚罐頭
日本でも密かなブームを起こしたという「オイルサーディン」。マイワシなどの小魚を油に漬け缶に詰めたもので、そのまま食べてもよし、料理に加えてもよしと、アレンジの幅の広さや手軽さが好評だ。
今回訪れたスーパーでも、サーディンの缶詰がたくさん見付かった。まずはオーソドックスなこの缶詰から…茶色いソースから魚を引っ張り出すと、予想以上に大きい。これはマイワシではなく、ウルメイワシなのかも?若干魚の臭みを感じるものの、あっさりとしておいしい。ただ大きい切り身をそのまま食べると飽きるので、パスタに混ぜるなどして食べた方が◎。
②番茄汁沙丁魚
一瞬チキンの缶詰と見間違えるほど、企業のロゴがデカデカと書かれたサーディンの缶詰。こちらはトマトソースに漬けられており、先のサーディンと比べるとツヤツヤとして食欲をそそる。ただ魚だけを食べるとトマトの風味が薄いので、一緒に入っているソースをドバッと掛けた方がいいかも。
③辣醤沙丁魚
ついにパッケージから魚のイラストが消え、見た目は謎の缶詰。味は可もなく不可もなくといったところ。辛さはそこまで感じなかった。
④金槍魚罐頭 日式照焼味
さて最後にツナシリーズを紹介。日式照り焼き味と書かれたこちらは、某ファーストフード店のチキンナゲットに付けるBBQソースのような味がした。ジャンキーな味が好みの人にはオススメ。
⑤金槍魚罐頭 四季沙拉味
サラダ味ってどんな味?と疑問に思いながら口に運ぶと、マヨネーズの味しかしない。むしろこれをサラダに掛けて食べるとおいしいかもしれない。
①油燜筍罐頭
上海料理店でよく見掛ける、タケノコを甘辛く炒めた料理「油燜筍」。内容量400㌘と手にずっしり重いこの缶詰、中のタケノコは柔らかく、濃厚な味付けで食べ応えあり。皿に盛ればおかずの一品として立派に活躍してくれそうだ。
②麺筋
中国台湾に行ったことがある人ならピンとくる家庭の味。「麺筋」とは小麦粉でできた麩のような食べ物で、中国や中国台湾では朝食時に、粥と一緒に食べるのがメジャー。
口に入れるとふわっと甘さが広がり、日本のいなり寿司に使う甘い油揚げを連想させる。この缶詰は中国台湾からの輸入品で、現地では「花生(ピーナッツ)味」が人気なんだとか。
③番茄汁焗豆
パッケージを見て、大豆のトマト煮込みかな? と思ったら、大豆ではなくフジマメという、白豆に煮た大きく柔らかい豆が使われているそう。マレーシアが原産国で、確かに東南アジアのホテルの朝食メニューに出て来そうな料理。ちょっと味付けが薄いかなと感じたが、温めるとトマトの風味が増しおいしく食べられそうだ。ちなみに今回購入したのは食物繊維たっぷりタイプだったが、どこに特徴があったのかは不明。ほかにピリ辛味やチーズ味がある。
④玉米粒
日本人にとって馴染み深いスイートコーン、中国で買っても変わらぬ味なのでご安心を。粒も潰れることなく均一でキレイ。トウモロコシの原産国はタイのようだ。
~上海ジャピオン2017年12月22日発行号