行列の先に何がある!?

無償に気になる店がある。いつも地元の人らで行列ができている店だ。
何がそんなに人気なのか? 並んででも手に入れたいものとは?
市内22箇所の行列のできる店を総力取材! その中から、特にオススメな5店舗を紹介する。

「肉まん」にあらず

取材時の人数/19人
待ち時間/4分

中身も撮影したい、と思ったのがそもそも間違いだった。
真ん中からふたつに割った途端、予想だにしない肉汁の大洪水! その量たるや、もはや肉まんというより「スープまん」のほうが適当ではないのかと思うほど。とにかく、半端ないのだ。
中華路と夢花街の交差点に、金ピカの文字でデカデカと「小吃部」と書いた看板を掲げた店。肉汁たっぷりの肉まんは、ここで手に入る。取材日はあいにくの雨だったが、行列はそんなことはお構いなしだ。
後から後から、途切れることなく人が加わるので、果たして待ち時間はどんなものかと観察してみた。しかし何のことはない。注文から会計まで、ひとりあたりものの数秒しかかからないので、サクサクと順番が巡ってくる。これなら、ちょっと並んでみようという気にもなるというものだ。
そんな同店で特に人気を集めているのが、肉まん、こと「鮮肉大包」(1・5元)。直径10㌢はあろうかというほどの大きさで、遠くからでも目に入る。

はからずも、肉汁を大量にこぼした後の図。
(1.5元/ひとつ)


怒涛の肉汁は、蒸したてだからこその贅沢品。持ち帰ってレンジでチン、で再現できる代物ではない。やはり蒸し立てでなくては。つまるところ、このしたたる肉汁を味わえるのは、現場まで足を運んだ者だけということになる。
美味しさの秘密は、これだけではない。それは、蒸し立てである以前に、包みたてでもあるということだ。というのも、この客足のはけ具合。作り置きどころか、売れ行きに追いつくのがやっとという回転率だ。
そして、そんな回転を支えているのが、奥でせっせと手を動かし続ける「肉まん早包み隊」。彼らがひと時も休むことなく大ぶりの肉まんを包んでいるおかげで、「蒸し上がりは○時です」なんて、人気ベーカリーのような看板はここには必要ないようだ。少なくとも、取材中に品切れになることはなかった。
ひとつたったの1・5元。最高のコストパフォーマンスではないか。とにかく、上海にいる間にぜひとも試して欲しい、とっておきの味わいだ。

大福貴酒楼「小吃部」
中華路1049号(×夢花街)
TEL: 6377-0322
営業時間: 6時~22時

その名品のお味やいかに!?

相席で楽しむ有名小吃

取材時の人数/13人
待ち時間/8分

 「ン、ハォチェッ」
 狭い店内で、偶然相席となったおばあちゃんが、ひと口食べるなりそうつぶやいた。上海語で美味しいという意味だ。地元の言葉で聞くと、さらに美味しそうに見えてくるから不思議。
 「四新食苑」は湯団が有名な老舗で、2階の食堂では混み合う時間帯になると店内を横切るように客がズラリと行列を作る。湯団とは、白玉団子の中に餡が入ったもの。
でっぷりとした同店の湯団は、直径約5㌢。レンゲにやっとのことで乗っかるほどの大きさだ。餡は2種類で、真ん丸いのが「鮮肉」、そして角があるのが「芝麻(ゴマ)」。特に「鮮肉」は、中国調理協会が選定する「中華名小吃」にも選ばれ、自他共に認められた味だ。

※右写真は「鮮肉湯団」。肉汁がたっぷり。4つ売りだが、芝麻とふたつずつでも可。(6元/4つ)

 そんな「鮮肉」を賞味。茹でられてとろんとろんになった餅皮を、唇でむにゅーっとちぎると、上海らしくちょっと甘めに味付けされた肉と肉汁が顔を出す。
湯気が立ち上り熱々の湯団は、一気に味わえるものではなく、少しずつゆっくりと口に運ぶ。それが余計に美味しさを引き立てているようだ。


四新食苑
四川北路1906弄(×多倫路)
TEL: 6377-0322
営業時間: 6時~20時

正気を失う魅惑のお団子

取材時の人数/50人
待ち時間/18分
 人込みでケンカが始まった。
「私の方が先に並んでたのよ! あんたどきなさいよ!!」
 舞台は、南京路に店を構えるお餅が人気の繁盛店「沈大成」。ただでさえごった返す南京路の中でも、異様なほど人々が集中している一角だ。ざっと数えただけでも、ゆうに50人は超えるだろうか。
 面白いのは、特に「これ!」という看板商品があるわけではないということ。通い詰める常連客は「ここのものは、とにかく何でも美味しいのよ」と力説する。とりわけ今のシーズンは、「青団」と呼ばれるよもぎ餅の売れ行きが好調だ。

時間が経つと硬くなるので、出来立てをほお張ろう。
(いずれも1.5元/80g)

 つるんとした餅皮は甘さ控えめで、よもぎの香りもほとんどしない。そこに、これまたこしあんがたっぷり。そのしっかりとした歯ごたえと、青臭さのなさが一番の特徴だ。そしてもうひとつ。今回よもぎ餅と一緒に買ったのは、「金団」という黄色いお餅。表面だけでなく中にもしっかり詰まった、きなこのような粉が、優しい風味を漂わせる。
いずれも直径は6㌢ほど。ずしりとした重みも相成って、ひとつで大満足のボリュームだ。


沈大成
南京東路636号(×浙江中路)
TEL: 6322-4926
営業時間: 7時~21時ごろ

これをどう食べる!?

取材時の人数/11人
待ち時間/6分
徐家匯にある天鑰橋路は小吃の宝庫。その中で、特に40~50代くらいの女性から絶大な人気を誇るのが、「山林熟食」の巨大なソーセージ「牛蒡大紅腸」。真っ赤な表面がとにかく強烈なインパクトのそのソーセージは、薄く斜めにスライスして販売されている。
 店舗脇には、人気を誇示するかのうような「2003年度上海名優食品」の証書。上海市食品協会が毎年選定する優良食品賞だ。
 そのまま皿に並べて前菜としていただくのが上海流。地元のお母さんたちから愛されるその味を、この機会に試してみては?

身が詰まり、しっかりとした歯ごたえが太太たちの
ハートを掴む。(19.8元/500g)



山林熟食
天鑰橋路50号匯聯商厦内(×肇嘉浜路)
TEL:5690-6092
営業時間:7時半~19時

人気の秘密は○○だった!


取材時の人数/21人
待ち時間/8分
野菜やきのこ、練り物などを自分でセレクトし、その場で煮込む「麻辣湯」。唐辛子や中国山椒が効いたスパイシーなスープが特徴で、老若男女問わず人気の味だ。
 そんなこともあり、「麻辣湯」の店は市内に無数に存在するのだが、同店に限ってはいつでも長蛇の列。その人気の秘密は、味はもちろんのこと、久光百貨の裏側のローカルショッピングスポット「静安小亭」の入り口という立地の影響が大きい。
 見渡せば、列をなしているのは大半が女性。手には一様に買い物袋を提げている。ショッピングで疲れたとき、小腹が空いたときの休憩場所として愛されているようだ。

具材の種類や量で料金が異なる。
写真は5種類の具材で5元。


愚園路68号(×常徳路)
TEL: 6215-5209
営業時間: 10時~20時

目指せ行列の店マスター!


①肉まん
大福貴酒楼「小吃部」

②湯団
四新食苑

③団子
沈大成

④ソーセージ
山林熟食

⑤麻辣湯
静安小亭

⑥?鴨

阿三?鴨店
復興中路589号(×瑞金二路)
TEL: 5465-2726
営業時間:9時半~売り切れまで(たいてい17時半ごろ)

北京ダックでお馴染みの「?鴨」の販売店。営業時間が「売り切れまで」というのは、行列のできる店だからこそ。500gあたり18.8元で、一羽にすると約50元ほど。この?鴨が、1日平均100羽は売れる。

⑦ラーメン


牛肉拉面
長寧路484弄(×江蘇北路)
営業時間:24時間

いわゆる「蘭州ラーメン」の店なのだが、絶対的な人気を誇るには理由がある。それは、「カレー味」であるということ。スパイシーなカレースープに、香菜とネギ、そして薄切り牛肉がトッピング。一杯4.5元~。

⑧甘栗


好好栗子総店
呉淞路×海寧路
TEL: 6364-6884
営業時間:8時半~20時

9月~10月にかけての甘栗のピーク時には、100人以上がずらりと並び、待ち時間40分以上と驚異的な人気を誇る。今でも、1日あたり1トンを売り上げることはザラだとか。500グラムあたり6元。シーズンオフの今の時期でも、列が途切れることはない。

~ジャピオン3月21日発行号より

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